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第4話 喧嘩両成敗

この街の治安はかなり悪い。

最寄り駅から商店街、伊古奈特設学校が一直線である。

その商店街は人通りがあるから、喧嘩が起こるくらいで、まだマシだ。しかし、一本横に入って路地裏に行くとそこはかなりの危険地帯となっている。

人攫いや殺し合いなどがよく起こるとまでは言わないが、路地裏に入るのならそれくらいは覚悟した方がいい。




さて、二日目だ。


今日は遅刻ギリギリに登校する。

話しかけられたくないからだ。


教室のドアを開けると椅子が飛んでくる。



危なかった。

ギリギリで回避が間に合って、教室の中を見やる。


二人の男が喧嘩をしている。

誰か止める奴は...いないだろうな。

当然だ。わざわざ喧嘩をするということは、自分の実力に自信があるってことだ。


...ワンチャン一撃で死に至るかもしれないからな。

そんな危険なこと、誰だってしたくない。


やるしかないか。


「キミたち、椅子を飛ばしてくるなんて危ないだろう」

「あ?引っ込んでろよ女」


奥側の奴が口を開く。


「もうじき授業が始まるんだ。別のところでやってくれないかな?」

「ああ!?うるせえよ。まずてめえからぶっ殺してやる!」

「そうか、なら喧嘩両成敗だ!」


手前のスカジャンと奥のメリケンサック、二人が息を合わせて同時に襲い掛かってきた。

なんでこいつらこんなに連携取れてんだ。実は仲いいだろ。


スカジャンの攻撃を回避してメリケンを蹴りで黒板に叩き付ける。

スカジャンの追撃をバッグでいなし、腹パン、ひるんだところに背負い投げ。

起き上がってきたメリケンにぶつける。


よし、動けるな。二対一もよく立ち回れてる。


「てめえ、俺を本気にさせちまったなあ」

「そう?私は全然本気じゃないよ」

「殺す」


第二ラウンドだ。

俺が先手を打つ為、突っ込もうとした時、異変を感じた。

スカジャンが手を前に出し指鉄砲の形をとる。


指先から光の弾が射出される。

直前から回避行動を取っていたため、飛んできた三発のうち二発は避けたが、一つはもらってしまった。


「殴りあうつもりだったのか?残念だったな」


クソッたれ。何かしらあるんだろうとは思っていたが、やっぱ"能力"持ちだったか!

幸いメリケンの方は気絶してる。一対一だ。

光の弾は腹に一撃入った。血は出てないが、激痛が走っている。


「あはは、その指鉄砲、結構痛いんだね」

「そうだろ?ところでお前、いい体してるな。俺の女になるなら許してやってもいいぜ」

「...面白いこというんだね。でも女の子に手をあげる人はちょっとNGかな?」

「そうか、じゃあな」


構えたスカジャンの指先から五発の光の弾が飛んでくる。

今度は回避しない。


「風?」


教室の誰かがそんなことをつぶやく。


俺に飛んできた光の弾は俺に当たることなく、俺の周囲を高速で周回し始めた。

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