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第3話 初日

入学式が終わると各々自分の教室に入っていく。


そういえば俺のことをまだ紹介していなかったな。


俺の名前はアキラだ。女体化してからはカタカナ表記になっている。

髪は金色、身長が175cmのケツとタッパと胸がでかい女だ。

ストリート系のスタイルで露出した腹にはバキバキの腹筋がのぞいている。




(クラスメイト視点)

――――――――――――――――


私は須澤こころ。今年新設された伊古奈特設学校に入学した、普通の女の子だ。

ずっとあこがれてた学生生活。これからの三年間で勉学に励みながら、青春を送るんだ。


そう、思ってたのに...


「ねえ、君可愛いね。名前は...こころちゃんっていうんだね」


変な人に絡まれています。

たすけてください。


「ねえキミ、その子嫌がってるんじゃない?」

「あ?...おぉ...!」


声をかけてくれたのは、すごくきれいな顔をした人だった。

少し下を見ればうらやましいくらい大きいお胸。


(すごいかっこいい...)


相手は女の子なのにかわいいじゃなく、かっこいいという反応が咄嗟に出たことに驚く。


「私のこの胸が気になるのは分かるけどさ、私の目を見てくれないかな?」

「え?ああ、いや、胸なんて見てないぞ。」

「そう?それでその子嫌がってるんじゃない?」

「そうだった?ごめんね。それじゃ俺はちょっと用事あるから」


絡んできた男の人は去っていった。

そして助けてくれた女の子が話しかけてきた。


「...迷惑じゃなかった?」

「と、とんでもないです。助かりました。」

「そっか、それじゃよかった。なんか困ったことあったら言ってね。それじゃ!」


そういうとその女の子は去っていった。


名簿で名前を確認する。

アキラちゃんか...



―――――――――――――――


出だしとしては中々良い立ち回りじゃないかと思う。

あのこころちゃんって子もメスの顔してたし、あの声かけてた男も俺の胸ばっか見てたし。


今日はさっさと帰ってトレーニングしよう。

身体の完成度はまだ百パーじゃないんだ。


学校が始まって初日だけど、みんな結構遊んでるらしい。

しかし、初日でできる交友関係は大抵ろくでもないという持論が、俺にはある。

だから、とりあえず俺は誘われないよう人気を避けてそそくさと帰宅した。


これでミステリアスな女感を漂わせたまま初日を終えることができただろう。


一日中気を張ってるのはきついものだと思った。

しかし、気を張らずとも女らしくいられるようになると、いよいよただの女になってしまう。

男の俺を失いたくないと思っているし、一生女のままでいる覚悟を決めたわけじゃない。


俺は堕ちない。

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