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計画、そして、いざ入学

学校全員を堕とすために準備しなければならないことがある。


一つ目は、体づくりだ。

目指すは女性らしい柔らかさを残しつつ、バッキバキの腹筋をへそ出しスタイルで見せつける。

というか、これだけ可愛い顔とパーフェクトなボディを持てば、何かしらのトラブルに巻き込まれることは必至。いつも誰かが助けてくれるとは思わない。やはり自衛をできなければならないだろう。

だからこの項目は、体づくりと並行で戦闘訓練も行う。


二つ目は、女性らしい所作だ。

この体に男らしい振る舞いは似合わない。それはそれでニッチな層にはぶっ刺さるだろうが、目指すはそこじゃない。万人から好かれるためには女性らしくなくてはならないだろう。


三つ目は、服とメイクだ。

伊古奈は私服OKな学校だ。そんなところで制服登校なんてできるかって話だ。

今まで男だった俺がメイクの経験なんてあるわけがない。

学校が始まるまでの間に、人並みにはできるようにしなくては。



そういうわけで半年後の入学式までにこの三つを仕上げる。

このことを心に決めて今日から頑張ることに決めた。


――――――――――――――――


この半年間はかなり辛かった。

まず生活費の問題だ。最初の数か月こそ貯金を切り崩していたものの、すぐに底をついた。

だから手っ取り早く金をもらえる仕事を探していた。

こんなご時世だから、身売り、殺し、運びなど、とにかく色んな仕事がある。

そこで俺が選んだのは"掃除"だった。

ただの掃除じゃない。スラム街のような場所で"ゴミ"を除去する、いわば自警団のような仕事だった。

この仕事、どうやらバックにかなり大きなものがあるらしく、とにかく金払いが良かった。

しかも、身分を明かさずに仕事をできる。

おもにスラム街で働くのでチンピラに絡まれ、その撃退もする。いい戦闘訓練になったと思う。


次に、体づくりだ。人生でここまで本気で取り組んだのは初めてだ。そもそも計画に無理があった。半年で理想の身体になるってのはかなり無理があるのだ。まあ、頑張った結果、概ね達成できた。完成度は八割ってところだ。


一番苦労したのは、女性としての振る舞いだった。やっぱり男の俺にはこれが難しかった。これは詳細を省くが多分OKだろう。深夜、街に出かけたら普通にナンパされたし、ホテルの前に着くまで特に指摘されることもなかった。あ、そのナンパ師は叩きのめして帰りました。まあ処女くらい散らしてもいいかとも思ったが、やはり貞操観念ってのは重要だと思った。


朝に鍛錬、日中にこの仕事、夜に女らしく振舞う練習、という生活を半年続けた。

当初の目標はクリアできたと個人的には思っている。


今日は伊古奈の入学式。

この半年間の努力が報われる時が来た。

さあ、いざ勝負の時だ。

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