第15話 とある休日
金曜日、時刻は17:00
学校が終わり、寄り道せず帰宅するとこれくらいの時間になる。
前日から準備していた荷物を持って家を出る。
そして、アパートの前に停めてあるバイクに跨る。
このバイクはハイネにスカウトされ始めた仕事の初任給で買ったものだ。
特に拘ったところなどはない、普通のツーリングバイクだ。
この週末は前から行きたかった温泉に行くのだ。
場所はこの街から程々に遠く、知り合いに会う確率はほぼゼロだ。また、ツーリングにも丁度いい位置にある。
欲を言えば恋人とか作って行きたかったが、知り合い全員恋人持ちだ。独り身は私だけ。
まあ、今回泊まる旅館で出会いがあるかもしれない。そう期待を込めながら出発した。
1時間半くらい走らせて、辺りが暗くなり始めた頃、後ろの方から爆音が響いてきた。
とてつもない速度で迫ってくる。
周りには私くらいしかいないとはいえ、法定速度余裕のオーバーだ。
ありゃそのうち事故るな。
そう思いながら無視して走っていると、
何故か減速し、私の真横につけて来た。
顔はフルフェイスで見えないが、ニヤニヤしてる気がする。奴の顔はずっとこっちを向いてる。
なんなんだ一体。早く抜いてくれよ。
そう思い、早く行け、のようなジェスチャーをした。
すると奴は中指をたててきた。
そして急加速をして、私を置いていった。
嵐のように去っていったそいつに困惑しか浮かばなかったが、時間が経つにつれて苛立ちが強くなってきた。
煽られっぱなしでいいのか?否、いいわけが無い!
ぶち抜いてやる!
最近練習を積み重ね、先日ついに出来るようになった風の操作で空気抵抗を減らしグングン速度を上げていく。
スピード出すの結構気持ちいいな...
すぐにあの煽りカスの背中が見える。
追いつくと同時に減速、奴と同じ速度域に入り、手を振って再加速。
一気に距離を突き放し、完全に振り切ったところでパーキングエリアに入り休憩をする。
完全勝利だ。
勝利の快感に酔いしれながら、缶コーヒーを自販機で購入し飲み干す。
さて、あと半分程の道のりも安全運転で行くか。
無事旅館にたどり着いた私はチェックインを済ませ、部屋に荷物を置いたら温泉に入りに行く。
ここの温泉の効能が書いてある。
「えーと、なになに?"高血圧症、動脈硬化症、末梢循環障害、リウマチ、糖尿病、慢性中毒症、にきび、しもやけ、やけど、切きず、婦人病、不妊症、水虫、あせも、胃腸病、神経痛、慢性湿疹、便秘、脱肛、皮フ病、手足多汗症、アトピー性皮膚炎"」
ヤケクソか?
本当にお湯なんかで解決したらマジで医者とか要らないだろうに。
まあ効くと思った方が気持ちよく入れそうだから信じておこう。
ああ、この旅館混浴があるのか。
私は知っている。混浴は性欲むき出しの雄しかおらず、実質男湯状態になっている事を。
とりあえず、温泉を楽しみたいので女湯でいいか。オマケに女体を見れる。やったね。
まあ、私くらいになると自分が1番魅力的だからわざわざ見る必要はない。
...誰もいなかった。
なんだかんだ期待してたんだけど。
大人しく湯を楽しもう。
長時間バイクに乗って強ばった体が弛緩していく。
これは逆に一人で良かったかもしれない。
誰かと来てたらここまで気を抜けないから。
気持ちよすぎて溶けそ〜。
風呂を上がった私は自分の部屋で夕餉を食べる。
私は料理がそこまで上手いわけじゃないから、自炊したときの味はかなり微妙。
久しぶりにここまで絶品の食べ物を食べたから、多幸感で気絶しかけた。
一緒に出てきた酒で気持ちよく酔っ払って全ての料理を平らげた。
酔い覚ましに外にでも出ようと廊下を歩いていると、向こうから一人、浴衣を着た女がこちらへ向かってくる。
なにも考えず通り過ぎようと思ったが、向こうから話しかけてきた。
「見ない顔ですね。初めて来られました?」
顔は王子様系、女子校だったら確実に男装をさせられてそうな顔立ち。そしてハスキーなイケメン声。
「そうそう、初めてなんですよ〜。ずっと来たいって思ってて〜。よく来るんですか?」
「ええ、ここの常連なんです。ところで随分と酔っておられますね。」
「ここの料理美味しかったから、すすんじゃったんですよね〜」
「ああ、ここの料理は美味いですからねぇ。」
私は気分がいいと、つい舌が回るようだ。
「そんなに酔っていたら、悪い虫が寄ってきますよ」
「あはは、心配ないですよ。私強いので〜、あはは」
「そうですか。ではお気を付けてくださいね」
そう言って私の横を通り過ぎていく。
私の注意はそこで逸れた。
私の意識は既に、その女に向けられておらず、星空見えるかなーしか考えていなかった。
「だから言ったでしょう。気を付けて、と」
不意に後ろから抱き着かれる。
一切の反応をする暇もなく首に何かが刺さる。
そしてそこから何かが流れ込んでくる。
力がどんどん抜けていく。やがて立っていられなくなり、その女に支えられる。
「あ...あえ...?」
呂律が回らない。
身体がビクッ、ビクンッ、と痙攣している。
それに身体が熱い。
「ごめんなさい。あまりにも可愛くて、つい襲ってしまいました。でも、そんなにいい身体をしておいて、そんな無防備なあなたが悪いんですよ。」
意識だけは堕ちないまま、抱き抱えられて彼女の部屋に連れ込まれる。
丁寧に敷かれた布団の上に私を乗せると、私の浴衣の帯を緩めてはだけさせる。
全て脱がせないのはセンスがあると思った。
私が襲う側でもそうする。
私の身体はまだ動かない。
「どうです?筋弛緩、痙攣、体温上昇、感度上昇、媚薬成分が入った私特製の毒です。特に、最後の媚薬成分は強力で、時間が経って解毒されても、私のことを思い出すとすぐに濡れてしまう後遺症付きですよ。」
とんでもないものを打ち込みやがったなこいつ。
でも、耳元で囁かれながら体の感じるところ弄られるのが気持ちよくて、そんなことどうでも良くなってしまう。
今はただ、されるがままに気持ちよくなりたい。
「全身開発済みですか。意外に、やる事やってるんですねぇ。」
「うぁっ、あっ♡」
既に私の股はショーツが張り付いて、形がくっきり見えるくらい濡れている。
そこで、私はふと気づいた。
彼女の股が膨れ上がっていることに。
そう、彼女は彼女ではなく彼だったのだ。
彼のソレは臍まで届きうるかというほど、巨大なもので、さらに私の腕ほどに太く、逞しいものであった。
本当に、今までどこに隠していたのだろうか。
その規格外の大きさに、私は思わず呆気にとられ、上下の口からヨダレを垂らした。
「それじゃあ、僕の挿れますね。」
体は未だ動かず、一切の抵抗を許されず、彼のモノが侵入してくる。
「お"ッ...お"ぁ"ぁ♡」
喉の奥から捻り出された声が私の口から漏れ出す。
「ふぅ、入りましたよ。これは凄い...いいものをお持ちのようだ。手加減は出来なそうです。」
押せば奥の方を潰され、引けば中身が全て抉り出される。
悠真の時とは違い、彼と私の間を阻むものがないので、その快感を何にも邪魔されることがなく全てを身で受け止めることになる。
当然、彼が達する時、私は全てを受け止めざるを得ない。
だがそれをまずいと考える思考回路は既になかった。
故に...
「中に全て出しますよ。受け止めてください」
「〜〜〜〜〜〜っ!♡♡」
彼が全てを出し切り、抜くと、私は潰れたカエルのように布団の上に倒れ伏した。
「キミ、流石にやっていいことと悪いことがあるだろう。」
「すいません、つい...」
時刻は0時過ぎ。
毒を受けてから2時間が経ち、やっと抜けてきた。
そして、絶賛説教中だ。
「これは完全に強姦だよ。それに、この地域では能力の自由使用も許可されてないんじゃない。」
「いつもは毒が抜けたらみんな僕に惚れているので、結果論和姦かな...って」
こいつ...危険すぎる。
こんなやつ世に出しちゃいけないだろ……
しかし、実際今まで問題は起こらなかったんだろう。
私も今、体が疼いて仕方ない。
出来ることならもう1回くらいヤリたいのだ。
だが説教してる手前、出来ないし、理性ではダメだと分かってる。
再び向こうから襲われない限り...
「今回は見逃すけど...ていうかキミ名前は?」
「青梅ヒアリです」
「私はアキラ。ヒアリくん、今度私に毒打ち込んだらキミのその毒針をへし折るからね」
「は、はい」
よし、釘は刺した。
自分が欲に負けそうな時、他人に意志を伝えることで欲に打ち勝つことが出来る。覚えておけ
「はあ、汗とか風呂で流したいけど朝まで開かないよね。」
「いや、ここは朝清掃なので夜中はいつでも使えますよ」
「ホント!?じゃあ行っちゃおー♪教えてくれてありがとー」
そう伝えるとウッキウキで風呂に向かう。
「なんでついてくるの?」
「いや、僕も入ろうと思って...ていうか混浴がありますから一緒に入りませんか?」
……これ、絶対狙われてるよな。
いや、拒絶すれば良いだけ...うん、大丈夫、大丈夫だ。
「いいよ、まだ混浴の方行ってなかったから私も行きたかった。」
2人の男女が露天風呂で並んでお湯に浸かっている
手を伸ばせば触れ合える距離で話している。
「アキラさんは伊古奈から来たんですね」
「うん、一人旅が趣味なんだ。ヒアリくんは来年から伊古奈なんだ」
「うん。もし今年に行けてたらアキラさんと一緒に入学出来てたのになあ...」
こいつ、ちょっとずつこっち寄ってきてる。
駆け引きなんてせず毒針刺してきても抵抗なんてしないのに♡
「ねぇ、アキラさん、もう1回だけ許してくれない?」
可愛い顔してるのに、こんなかっこいい声で囁いてくるのギャップやばいぃ...♡
「ありがと♡好きだよ」
そう言うとヒアリくんは首に毒を流し込んでくる。
今回は痙攣と筋弛緩は無いみたいだ。
私は足がお湯に浸かったまま、腕をお湯の外に付いてヒアリくんに背を向ける。
ヒアリくんが再び私の中に入ってくる。
私は気持ちよすぎて無様な顔を晒している。こんな顔、学校の奴らに見られたらきっと幻滅されるだろうな。
段々足に力が入らなくなり上半身が地面にべったりつく。
喉から引きずり出されるような汚い声で喘ぐ。
これ明日の朝声出なそうだ。
「お風呂汚れちゃうから中で出すよ」
「うん...きて♡」
ヒアリくんのが、私を満たしてくる。
その時、何か違和感を感じた。
「...ねぇ、ヒアリくん?これ……毒じゃ...」
「よく分かったね。これはアキラさんの排卵を強制的に促す毒だよ。」
「そういうのはダメだってさっき……お"っ♡、ちょっと今だめっ♡」
ヒアリくん、都合が悪くなった途端動きだして、私の意見を有耶無耶にする気だ。
「アキラさん...好き♡可愛い...♡僕の子供産んで♡」
「やだっ...やだぁ」
……なんてな。
実は不確定性を付与すれば妊娠なんてしないからこれは無駄なんだよな。
だからこのシチュだけ楽しませてもらうぜ。
「アキラさん...なんか余裕ありそうだね」
「え"っ」
「そんなに余裕あるならもっと媚薬毒あげるね」
「まってそれは本当にだ...」
そこからはもうダメだった。
意識が何度もとんでは戻ってを繰り返した。
毒のせいもあって、悠真の時より達してしまった。
毒がある程度抜けるまでヤリ続けた結果、4時くらいになってやっとヒアリくんに限界が来た。
上がる直前に、しゃがみこんで、アソコを広げて、中に出されたのが垂れてくるのをまじまじと見られるっていうプレイをした。
そのあと全部掻き出され達しまくった。
結局部屋に戻って寝られたのは5時だった。
そして朝餉は8時から。
前日というか、数時間前までの疲れのせいでげんなりしていたが、私は料理を食べたら元気になった。
私は朝のうちにチェックアウトするので、そのまま帰ろうとしたのに、ヒアリくんに肩を組まれそのまま胸を揉まれたせいで、発情してしまい帰る前に1発してしまった。
やれやれ、今回は酷い目にあったぜ。
しかし、あれがキメ〇クってやつか……
気持ちよかったけど二度と手を出してはいけないやつだな。