第71話 転移
「雄迅さん?」
「起きたか、彩陽!」
「ここはあの世とかですか?あの世でも私と一緒に、、、。」
「違う、違う。ここは『魔王の分娩室』の最下層。」
「あ、そうなんですね。なんでこんなところに?」
「詳しいことは後でだ。とりあえず、『知能』さんに体貸せるか?」
「ん?『知能』さん?誰?ウワッ!何?急に。脳内に直接言葉が、、、。あなたが『知能』さんね。ふむふむ。だいたい、わかったわ。じゃ、体乗っ取って、『知能』さん。」
そういうと、彩陽が気を失って倒れかけた。
「うお。アブね。」
すぐさま支えた。
「成功しました。では、これから転移します。」
「うおっ。急だな。なんでだ?そしてどこにだ?」
「ユウカさんの部屋に。多分魔物が来るため引きこもっているでしょう。また、ペロはユウカさんを襲うはずです。なので先に待ち伏せです。」
「了解。じゃ、頼んだ。」
「では、転移します。」
ここは、ユウカの部屋だ。外はまだ日が昇っていない。夜か。
トントン
「|ヒソヒソ《お~い。ユウカ。少し起きてくれ。》。」
「う、うわ!雄迅さん!彩陽さんも!どうしてここに?!」
「すまん、小声で頼む。」
「すみません。」
「ところで俺らは今どういう扱いになっている?」
「行方不明で捜索されています。」
「そうか。ほんとかどうかはユウカの判断に任せるが、今までのことを話す。」
俺はユウカに教会に入った後からのことを大体話した。まあ、自殺したり、魔王と戦ったことはごまかしたが。
「すみませんでした!私が教会なんかを提案したばっかりに。」
「一旦、謝罪は後だ。」
「あ、はい。では確認を。ペロさんのアンデットが今後、私を襲うということでいいですか。」
「ああ、それまで俺らの存在はバレたくない。匿ってくれないか。」
「いいですよ。せめてもの償いです。」




