第32話 旅の始まり
「とりあえずどこに行こうか。」
「ただ、普通の国には入れませんよね。」
そうなんんだ。俺らは女神の加護がない転生者。普通の国では差別されるのだ。
<転生者だということを隠すことを推奨>
あっそうか。転生者でないなら女神の加護がないのが普通なのか。ただ、現地語話せないからすぐにバレないか?
<事情があってと言ってごまかすことを推奨>
それなら何とかなるか。ありがとな。
「彩陽、俺らは異世界人ということを隠そう。で、事情があって現地語が話せないといえば変には目立たずにいられると思う。」
「わかりました。ところで名前は変えますか?もし、女神の加護を持っている日本人に知り合いがいたら異世界人だということがばれてしまいますが。」
「そうだな。俺は偽名を使おう。まあ、彩陽はもとの名前じゃないから大丈夫か。彩陽、俺の偽名考えてくれよ。」
「い、いえ。私は、、、。」
「そんな感じ俺が彩陽の名前をつけたんだぞ。大丈夫。彩陽にもできる。」
「わ、わかりました。あとから文句は言わないでくださいね。」
そう言って彩陽は俺の偽名を真剣に考えてくれた。うれしいな。
「え、えーと。『雄迅ゆうじん』なんてどうでしょうか。」
「おお、いいじゃないか。今日から俺は『雄迅』だな。」
<結局、どこに旅しに行くのですか。>
あっ忘れてた。
<はぁ~>
ため息つかれた?!




