第25話 武器屋
起きた。彩陽はまだスヤスヤ寝ている。起こすのは忍びないし起こさずに俺一人で装備を見に行くか。
「いらっしゃい!おや、見ない顔だね。」
「あ、こんにちは。」
「少しぐらい警戒したらどうだい?わざわざ日本語で話しかけているんだし。」
「!」
「そんな急に警戒すんなよ。悪かったって。ユウタの紹介で来たんだろ?話は聞いている。ただ、俺から一つ忠告だ。お前さんは絶対周りを信用するな。たった1人を除いて。お前さんは隠し事が多いみたいだしな。ところで何が欲しい?」
めっちゃ焦ったー。確かに日本語で話しかけることはこの世界じゃあそうそうないか。
「普通の剣と普通の杖が欲しい。聞いているとは思うが、今は借金状態だからなるべく安いもので。」
「りょーかい。こんな剣はどうだ?」
「剣について詳しく知らないからそれにするよ。」
「おいおい、さっき言ったろ。少しは警戒しろよって。」
「そんなこと言うやつは大体信用できるだろ。」
「それもそっか。ところで、杖も買うんだろ。どんな魔法のやつがいい?」
「よく火魔法を好んで使っているな。」
「りょーかい。ならこれだな。じゃ、ユウタに請求しとくわ。」
もらったお金から払おうと思ったのに。すまない、ユウタ。
「そうだ、これはおまけだ。」
と言って指輪状の魔道具をもらった。
「これは火魔法の威力を少し強くするんだ。」
帰ったら、彩陽にあげよう。そう思い、買ったものを「アイテムボックス」に入れ、宿へ戻った。




