獣人国の皇子が私の婚約者
よろしくお願いします!
サクサク読んでください!!
「この子があなた、リコの婚約者よ。もう8才だもの。婚約者くらい、ねぇ?」
と初めて会った時、あなた・ロスチャット皇子は緊張していましたね。ウフフ。
私はお見通し!というか…みんなわかってたと思う。
だって…あなたは獣人国の皇子様だもの。
狼の獣人って聞いたてたわ。
その通り、触り心地がよさそうな耳とフサフサの尻尾♡
その尻尾が緊張でピーンてしてたのよ(笑)
だから、みんなわかってたわ。
それから数年私はロスチャット皇子の誕生日にはプレゼントを渡した。
フフフ。面白かった。って言ったら、あなたは怒るわね。
「ロスチャット皇子、お誕生日おめでとうございます!これ、私からのプレゼントです!」
と手渡すと、必ずぶっきらぼうに
「受け取ってやるよ」
って言うけど、あなたのその尻尾はもう振り切れんばかりに全力で振れてましたね。私は周りの植木がちょっと心配になりましたよ(笑)
ロスチャット皇子は私よりも2つ年上だったかしら?
言葉はぶっきらぼうでも、本心が尻尾に出るというある意味面倒な体質というか、人種(?)
王妃に皇子が赤子の時の肖像画を見せてもらいました。
なんて可愛らしんでしょう?今のお顔が整ってきた感じも素敵ですけど、このあどけない感じもなんとも庇護欲をそそる。
皇子は今後イケメンになるんでしょうね。
私はそんな皇子の隣で遜色なく生きていけるのでしょうか?
有体に言えば、皇子はイケメンで隣で凡庸ではいけないでしょう?
私も美人でなくては!
それからというもの、私は美を追求しました。
内面から滲み出る美というものもあるでしょうから、知識もたくさん取り入れました。
淑女教育も講師が根を上げるほどしました。
この時の私について後日ロスチャット皇子から聞いたのは、
「リコが俺に愛想を尽かして、淑女教育の講師の方に想いを寄せるようになったのかと思った」
そうです。
そんなことは絶対ないのに、なんてことを!!と思いました。
正直にロスチャット皇子に話すと照れたようで、「俺は照れてなどいない!」
と言うけれど、お顔は赤いし、尻尾は軽く揺れていました。ちょっと嬉しかったのかな?
そんな私ですが、16才にデビュタントみたいです。
獣人国でもあるのですね。
エスコートはロスチャット皇子がしてくれるので、助かります。
「え゛っ?ロスチャット皇子は不参加?体調不良なのですか?私はデビュタントよりもロスチャット様の看病をしたいのですが…」
「皇子よりの伝言で、デビュタントはしておくように。とのことです。恐らく婚姻後のお茶会などを見越しての事だと思います」
深い…深く考えていますわ。目先の欲ではないのですね。それが王家ですね。
「承知いたしました。一人だろうともデビュタントに参加する。とお伝えください」
と皇子の側近(?)に伝えておいた。
私は白いドレスを着ていますが、ポイントポイントでロスチャット様の色が入っているのです。
それを力に頑張りましょう。
「最後にリコ=アルバルト公爵令嬢の入場!」
私が最後か…。本当ならロスチャット様のエスコートで入場するはずなのに、一人で。
でも、王家の人間になるのだから、そこは威風堂々としなければ!
と堂々の入場。そして、将来のお義父様となる陛下に謁見。
機嫌が良いのか?こちらも狼の獣人のようで、尻尾が揺れていた。
「ほうほう、リコというのか。なかなか会えなくてなぁ。仕事が結構あって。と言い訳だな。真実はロスチャットのやつが囲い込むようにしてて、リコを私に会わせないようにしていてな」
「王妃様にはお会いしました。その折に、ロスチャット様の幼少の時の肖像画を見せて頂きました!」
「そんなのでよければいくらでも。おっと話し込んでは他の令嬢の妬みとなる。またゆっくり話そうぞ」
「はい。では失礼いたします」
そう言って私は陛下との謁見を終えた。
「この後のダンス、パートナーもいないんじゃ不憫よねー?」
等、さっそく社交界の洗礼(?)を受けた。
「私は踊りたいわけではありませんし。それに踊りを見せたい人もいませんし?」
「避けられてるのかしら?」
「体調不良だそうです」
「あら、それはきっとデビュタントに来ない言い訳ね。今頃他の女性のところにいるんじゃないかしら?」
それはないと思う。私は美を追求する時に勉強した。
新月の日は狼の獣人の体調が悪くなる。と。
ん?陛下は体調大丈夫かしら?
やっぱり、「皆の者、楽しんでくれ!」と言って下がってしまった。
かなり苦しかったのでは?
早く気付けばよかった…。自己嫌悪です。
翌年17才の私、19才のロスチャット様と結婚しました♡
ロスチャット様はやっぱりイケメンに成長。さらにはイケボ。
17才の私は腰砕けです。
これからはイケオジというやつになるのでしょうか?
うーん、私も美魔女なるものを目指して頑張らねば!
結婚ついでにロスチャット様は正式に皇太子となりました。
獣人国は様々な獣人がいて、モフモフ楽しいです。
でも、ロスチャット様が独占欲強いようで“俺以外の毛皮を堪能しない事”という、モフモフ禁止令を私に出したのです。
モフモフ…目の保養です。
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