表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偏差値72の僕らが、百点の恋に出会うまで  作者: 葉方萌生
10 西條奏

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
46/73

45

 


 それから私たちは30分ほど歩き、鴨川をかなり北上していた。出町柳から二俣に分かれる鴨川は、東側が「高野川」に、西側は「賀茂川」に名前が変わる。私たちは西側の賀茂川沿いをずいぶんと歩いていた。しかし、イルミネーションらしい光はまだ見られない。京都府立植物園を通り過ぎ、上賀茂神社のあたりまでたどり着いたとき、ようやく私は「何かがおかしい」ということに気がついた。

 一体どこまで歩くの……?

 このまま歩き続けても山にぶち当たる。川は続いていくが、さすがに山間の道でイルミネーションをやっているとは思えない。


「ユカイさん、イルミネーション、まだでしょうか?」


 気になって彼に問いかけてみた。ひょっとしたらユカイが勘違いしているのかもしれない。やはり鴨川ではなく、京都府立植物園のことだったんだろうか。あそこなら毎年イルミネーションをしているし有名だ。


「……」


 歩き疲れたのか、ユカイは押し黙ったまま何も答えない。私の方もひたすら歩いたせいでそろそろ足が痛くなってきた。ちょっと休憩でも——と彼に提案したそのとき。


「ん……!」


 な、なに!?

 黙って歩いていたユカイの手が、さっと私の首の後ろに回ったかと思うと、そのまま口元に移動する。口に、布のような物を当てられて私はとっさにむぐぐぐと声を上げようとした。しかし思いのほか強い力で押さえつけられて思うように声が出ない。

 何が起こっているの!?

 恐怖で目尻から涙が溢れる。怖い。意味が分からない。ユカイの顔は見えない。でも考えるまでもない、ユカイは私を拘束しようとしている——。

 全身の毛がさーっと逆立ち、震えが止まらない。

 しかし、次第に意識が遠のいてそんな恐怖さえも感じられなくなって。

 助けて、×××———。

 声にならない悲鳴が、闇の中に沈んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ