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戦慄のイクタベーレ ~敗退せし者達の母国奪還の軌跡~  作者: ユウキ
第五章 聖王国ユグドラシル
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第九話 負傷者の未来

セイラの母国であるマルストをカラミアと間違えて記載してしまいました

混乱させた方には大変申し訳ございません

当然セイラの父もカラミア214世ではなくマルスト214世です

 アルス達の合流ポイント付近に現れた草人のジョーゼンは一体何者だったのだろうか……?

 恐ろしく強く、不敵な笑みを浮かべ、転移魔法(ソウテン)でいなくなってしまった。

 アルスは、今まで自分を監視していたのは、このジョーゼンだったのではないかと考えずにはいられない。

 彼が木に寄りかかり、思いにふけってる所にホリンとゼフィロスがやってきた。


「大丈夫だ!もうこの辺りには敵兵の姿はない、さっきのは単独行動だったみたいだな」

「そうかありがとうホリン。二人共少し休んでくれ!」

「ああ。そうさせてもらう。しかし、あんなのがニーベにいるとなると厄介だな」

「うん……」


【安心するが良いアルスエード王子!今は殺さぬ。貴様に取っておきの死をくれてやる】


 アルスの頭にジョーゼンの最後に言った言葉よぎる。


「王子…顔色が冴えないようだが、やはり先程の奴か?」


 思いにふけってるとゼフィロスが声を掛けて来た。


「え?そうだね。でも大丈夫だよゼフィロス」

「此処にいたのかアルスエード王子!」


 其処にジェリドがやって来た。


「これはまた英傑さん達と極秘の会議中だったかな?」


 ジェリドがホリンとゼフィロスを見て言った。


「いや、そういうわけじゃないけど……それで、何か用かい?」

「ロッカ様が探していたぜ。負傷者の事で話があるらしい」

「わかった直ぐ行く」


アルスがその場を後にする。


「まさか解放軍に大陸中に轟かす英傑達がいたとはな」


ジェリドはホリンとゼフィロスに声を掛けた。


「結局聞きそびれたが誰だ?お前さん」


ホリンが少し前にもした疑問を口にする。ゼフィロスが興味ないと言わんばかりに踵を返し去って行く。


「あらら嫌われたかな……俺はジェリド。ユグドラシル騎士団で生き恥を晒してる奴さ」

「ユグドラシルのか……さっきの良い腕だったぜ」

「これはまた英傑にお褒めに預かり光栄です」

「それ止めないか?これから解放軍として一緒にやって行くんだ。宜しく頼むぜ」

「ああ、わかったぜ。こちらこそ宜しく頼むホリン」






 ・・・・・・・・・・・・


 アルスは最初にライアーラ騎士を発見した場所に野営地を構えていた。

 その野営地の一つのテントの中で負傷した者達の治療を行うロッカ、ディーネ、サラの姿がある。


「大分疲れているみたいですが大丈夫ですか?ロッカ様」


 テントに入りロッカに声を掛ける。

 彼女が使ったのはあくまで治癒能力を爆発的に高めるだけの魔法。完全なる治療とは言えない。また高めているので重ね掛けして意味がない。

 ロッカは一人一人にもっと確り治療ができる魔法を唱えられるが、元々マナが少ないので、手による治療を行っていた。

 しかし医療を齧ってるのはディーネのみ。サラも冒険家として応急手当くらいは出来るが知識としては乏しい。

 ロッカの関してはからっきしである。なのでディーネやサラに教わりながら彼女等のアシストを行っていた。

 そして慣れない事だった為に疲労の色が浮かんでいる。


「そうですね。正直に言いいますと厳しいですが、お二人に比べれは(わたくし)は、ほとんど何もやっておりません。故に音を上げる等もっての外でございます」

「休むように言ってるのだがなこの調子なのだ」


 サラが呆れた口調をしている。


「ロッカ様、本当に休まれてください」


 ディーネも、またロッカに休むように言う。


「しかし……」

「ロッカ様、本番はこれからですよ?ロッカ様がニーベ奪還の指揮を取られるのですよね?今の内に休んでください」


 尚も治療を行おうとするロッカにアルスも休むように促した。


「……わかりました。(わたくし)では、あまりお役に立てないようなので、少し休ませて頂きますわ」


 ロッカがしぶしぶ従いテントを出て行く。


「それでディーネ、皆の傷はどうだい?」

「かなりの深手を負っている者もいます」


 ディーネも疲れているのか眼尻が下がっていた。


「そんなに?」

「私の力では……」


 彼女もマナが足りず確り治療が出来る魔法を唱えられない。それ故、手でも治療しなければいけない現状である。


「ロッカ様が仰るには宮殿に良い傷薬があるんですが、それさえあれば……」

「宮殿か……」

「でも大丈夫だと思います……此処にいた皆は未来が見えましたから」


 ディーネは努めて明るく振る舞う。

 彼女には未熟ながら時空魔法が使える。それによって触れた者の未来が見える事がある。未熟故に精度は良くなく、見えない事もあるが、どうやら負傷者全員確り見えたようだ。


「そうか…わかった。あまり無理しないでね」


 そう言ってアルスはテントを出て行った。


「そう此処にいる皆は……」


 去り行くアルスの背中を眺ながらポツリ呟く。


(むしろ気になるのは………あの青二才……)



 ・

 ・・

 ・・・



 野営地から少し離れた丘、其処からニーベ宮殿が眺められる。その場所にアルスが一人訪れていた。

 ニーベ宮殿を眺め思いにふける。


「万年宮殿ニーベ。元々ユグドラシル大陸にはこの辺りしか人が住んでいなかったそうです」


 ふいに後ろから声を掛けられた


「リュウザン……」


 振り返ると其処にいたのはリュウザンだ。


「この大陸にある全てのものは、この地から始まったんですね……どうなさいました?こんな所にお一人で」


 話ながらアルスの前まで来て、彼の隣に並び、それを見届けるとアルスは宮殿に視線を向けながら静かに話始めた。


「リュウザン……私は自信がなくなってきたよ」

「ん?」

「今まで皆に助けられ戦って来たけれど、それは結局皆の忠誠を盾として、自分を守ってきただけじゃなかったのだろうか……」


 彼は今回のジョーゼンの一件で負傷者を何人か出してしまった事に嘆いているのだ。やがて俯き眼をを瞑り出す。


「結局、私は自分が大事なだけではないかと思うんだ!今まで私の為に、私に関わった為に傷付き命を落とした人達に対して……私は…何も…」


 重たい空気が流れる。アルスから哀しみがヒシヒシと伝わる。


「ははははは……」


 それをリュウザンは一笑した。アルスは驚きのあまり顔を上げリュウザンを見る。


「失礼しました!ですが、我々の忠誠をそんな上っ面だけとお思いとは……王子、我々一人一人は脆弱な存在に過ぎません。それに力を与えて下さるのアルス王子なのです」

「リュウザン……」

「おわかりですか?この人を信じて、この人の為に戦える事。そして、そういう主君を持っているという事が戦場においてどんなに心強いかを」


 リュウザンの髪が風でなびき、凛々しくそして頼もしく思える。アルスはリュウザンだからこそ、自分の弱味を見せたのだろう……。


「例え自分が倒れてもこの人がいれば、自分の想いを継いでくれる。そう思える人がいる事の頼もしさを……なんか言ってる事がソラみたいで不本意なのですが、この気持ちはずっと変わりません。イクタベーレが陥落したあの日からずっと――」


 リュウザンの言葉により、アルスに笑顔が浮かべた。


「リュウザン……ありが……」


 ドッカッーン!!


 アルスが礼を述べえようとした瞬間、突如爆発が起きた。


「なんだ!?」

「近くのようですね」

「行ってみよう」

「はっ!」


そして二人は駆けだした。

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