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戦慄のイクタベーレ ~敗退せし者達の母国奪還の軌跡~  作者: ユウキ
第二部 第四章 白き剣を持つ少女
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第二話 ニーベ行路

 人の歴史は一億年にも及ぶものである。

 この歴史の中で、決して切り離す事ができないのが人との戦いと言えよう。



 戦争……それは果てる事無く欲望の渦が作り出す因果……。



 これ終止符を打つ事は叶わぬものなのか。

 人はまた同じ過ちを繰り返す存在なのかもしれない。



 だがそんな戦いに現実はどうあれ、色んな理想を抱く者がいる。その一人がアルスと言えよう。




 ライアーラ城の会議室で作戦会議が行われていた。

 会議に参加しているのは、アルス、ギュスターヴ、セイラ、ジャイロ、ホリン、ゼフィロス、リュウザン、ラクームだ。



「アルス殿、貴公の戦えぬ者は叩かぬやり方では、後々危険が及ぶぞ」


 作戦会議だった筈なのにギュスターヴがアルスに忠告をして来た。


「ですが、それだとバルマーラ軍を全滅させない限り、この戦争は終わらないという事になります」

「必要であればそうする」

「それでは我々はバルマーラ兵と何ら変わないっ!!」


 アルスの真剣な眼差しで強く言い放った。

 そして……。


「ただ相手を滅ぼす為だけの戦争では何も変わって行きません。我々の目的が大陸解放ならば、その為にきっと何か違うやり方がある筈です」


 と続けた。


「理想……だなアルス殿」

「……」


 そい言われてしまい何も返せないでいる。


「まあ良い……貴公が何処までやれるか見届けよう。それより今はライアーラ城から首都ニーベを繋ぐニーベ行路の攻略だ」

「じゃ、話を戻すぜ。ラクームもう一度頼む」


 誰も口を挟めない空気の中、すかさずホリン進める。


「え、えーっと。わーったでぇ。ワテの商人による繋がりの情報では此処や」


 テーブルに置かれた地図のニーベ行路に途中にある砦に指差す。


挿絵(By みてみん)


「この砦の前面に騎士で固め、後方に騎馬弓兵を仰山固めておるでぇ。その数400騎や」


「何故そんなに?」


 リュウザンが疑問視した。


「ワテはそげな事もまで知らんがな」

「暗黒魔王軍はイクタの陰に脅えているのだ」


 それに答えたのはゼフィロスだ。彼は窓から外を眺めながらゆっくり語る。


「ガディウスは三年たらずで、大陸を支配しかけた……あまりに順調にな。だから逆に気になるのだ。かつて自分を封じた者を……その伝説を……」

「アルス様!如何なさいますか?ギュスターヴ殿の案で、まずセイランローヌ殿に敵軍を攪乱して頂きますか?」


 とジャイロが


「私はそれでも構わぬが?」


 セイラが続く。


「いや、マナは無限じゃない。それにセイラ王女の力をより効果的に使いたい。よって我々自ら敵の中核に潜り込み接近戦で、攪乱させそこにセイラ王女の魔法で一気に突破する」


 とアルスが方針を決めた


「……って簡単言うけどなアルス。何か手はあるのかい?」


 ホリンが指摘する。もっともの事だ。


「勿論!」


 自信たっぷりに笑みを浮かべていた……。



 ・

 ・・

 ・・・



 ニーベ行路ではラクームの報告通り400騎のマルスト軍がいた。

 主力のバード部隊がいないとは言え、この数を突破するのは容易ではない。

 だというのにアルス達の部隊は縛られ、中核に連れて来られていた。

 捕まってしまったのは、アルス、リュウザン、ソラ、イスカだ。

 彼等は指揮官の前に突き出された。また彼等を鉄仮面を被ったカラミア騎士達が囲んで逃げられない。



「ニーベ行路方面軍隊長のマッキーリである。アルスエード王太子よ、面を上げよ」


 マッキーリに言われアルスは顔を上げた。そのアルスは、掴まっているのに関わらず、真っ直ぐな眼差しでマッキーリを見据える。


「ほう…これは若い。反乱の首謀者というから、どれほどの豪傑かと思えば……」

「誇り高いマルスト王国の騎士ならば、この戦いが無意味である事もおわかりの筈。直ちに軍をお退きください」


 と自身の立場もわかっていないような意見を口にした。


「笑止な。ご自身の立場が理解出来ておられぬようだな」

「バルマーラに与し武力で諸国を制圧しても人の心までは制圧出来ない」

「言わせておけば……」

「……無駄だぜアルス。こんな馬鹿に何言っても始まらねぇ」


 突如アルスの後ろにいたマルスト軍のの騎士が口を挟んで来た。


「なんだ貴様?」


 マッキーリがその者を睨む。


「猿芝居はしまいだ。とっととおっぱじめようぜっ!!」


 鉄仮面を外して捨てる。その中から現れた顔はホリンだ。

 続けて何人か鉄仮面を脱ぎ捨てる。マルスト軍の騎士は顔を覆う鉄仮面なので変装も容易だとアルスを考えたのだ。

 変装していたのはホリンの他にゼフィロス、ジャイロ、ラクームだ。

 また縛り上げられていた……いや縛り上げられていたフリをしていたアルス達全員立ち上がり戦闘態勢へ……。


「反乱軍だっ!」

「取り抑えろっ!」


 マルスト軍が叫ぶ。これだけでも十分攪乱されていた。作戦通り中核にも潜り込んでいる。

 タルミッタでも同じ事をやったが、あの時と数が圧倒的に違う。敵兵一人一人の練度も違う。

 それに比べアルス達は数が少なすぎる。不利な状況からのニーベ行路突破作戦の開始であった……。

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