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戦慄のイクタベーレ ~敗退せし者達の母国奪還の軌跡~  作者: ユウキ
第三章 プリンセス オブ セイランローヌ
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第七話 ラクームの策

 廃墟となった砦では、斡旋苦闘の戦いが……でもなかった。

 一つしかない出入口をラクームの水系中級防御魔法(プロテクトシェル)で塞いでいたからだ。

 ホリンとゼフィロスなんて敵の前だというのにその場に座ってくつろいでる。



「くっ先に進めん!!」

「さっきからふざけやがって」

「ほな行きまっせぇ!」


 吠える敵を無視するラクーム。ホリンとゼフィロスはラクームの言葉で立ち上がる。


「OK」

「ああ」


 シュゥン!


 シェルを解除。


『ライ』


「靁鳳の太刀よ!」「琥空旋っ!!」


 ズッガガガーンっ!


「ぐはっ!」

「がはっ!」

「卑劣なっ!」


『……祝福を与えよ。プロテクトシェル』



 ラクームが言っていた策とは二人の斬撃、水系中級防御魔法(プロテクトシェル)で足止め、休憩、二人の斬撃、水系中級防御魔法(プロテクトシェル)で足止め、休憩……をひたすら繰り返す事だ。

 なんともエグ……いや、効率的(・・・)な作戦だ。

 そしてホリンとゼフィロスは再び座りくつろぐ。

 マルスト軍に武器を売り情報を仕入れていたからラクームは、此処にいる。勿論ラクームがイクタベーレ側に行ってるのを知っていればこんなとこに増援を配置しないだろう。

 しかしラクームがイクタベーレ側にいたというのを目撃した者は幸運な事に全員ゼフィロスに斬られている。よってイクタベーレ側にいる事を知る者は皆無。

 そしてこの状況。殲滅戦ではなく足止めさえできれば良いので、のんびり相手をしていた。それでも大分数を減らす。



「一旦退けっ!!」


 敵兵が叫ぶと砦の奥に退いて行った。


「お!メシか?」


 くつろいでいたホリンが軽口を叩く。


「やーな予感がするでぇ。アンはん達、警戒しとかなぁあかんでぇ」


 神妙に呟くラクーム。


「んじゃ、暫く様子を見ますか」

「……ああ」


 ホリンの言葉にゼフィロスが頷き二人とも立ち上がる。


「行けーっ!」


 上から声がした。


「な、なんや!?」


 三人は上を見上げると敵兵は、二階に馬を連れ行き崩れた壁から外に飛び出して来た。


「こりゃ厳しいでぇ」


 次々に二階から飛び降りて来て囲まれる。しかし大分減らしたので10人もいない。


「バリア解除しろっ!!」


 ホリンが叫ぶ。


「わーたでぇ。こうなりはったらアンはん達に任せるでぇ」

「あいよ」

「ああ」


 シュゥン!


 シェルが解除される。


「おぉりゃ!!」


 プシューンっ!


「フッ…」


 プシューンっ!


 バタバタンっ!


 即座にホリンとゼフィロスが敵を斬り倒す。


「この裏切り者のラクームから殺るぞっ!」


『精霊の名において光を流す水流となりて我に力を与えよ』


「くっ!魔法か……」


 敵兵が警戒する。


「『アクアシュート!』……ほなさいなら」


 ラクームは水気初級魔法(アクアシュート)を敵兵ではなく地面(・・)に解き放つ。


 ブシュ~~~っ!


 ラクームの掌から大量の水が飛び出て、その勢いでラクームの身体が宙に浮き、一気に加速。そして砦の最上階に降り立った。なんともきたな・・・・・いや素晴らしい(・・・・・)策だ。


「おのれぇーーーっ!」


 プシューンっ!プシューンっ!


「お前さん等の相手は俺等だぜ」

「……ああ」


 ホリンとゼフィロスが次々に斬り倒して行きあっさり片付く。二人の前には敵も無力だった。この二人はもしかしたら大陸最強コンビなのかもしれない……。



「ほえ~。ワテなんて必要なかとやったんでありまへんか?」

「いや、お前さんのお陰で数を減らせて、尚且つ俺等は温存できたぜ」

「……ああ」


 ホリンが笑みを浮かべいてサムズアップのサインをし、ゼフィロスがそれに同意する。

 戦いが終わると遅まきながらアルス達が駆け付けた。


「ホリン大丈夫か?」


 アルスが馬から降りホリンに駆け寄る。


「ああ。あいつのお陰で楽に終わったぜ!」


 親指でラクームを指す。


「ラクーム!?なんで君が?」


 アルスが驚き、眼を細くし、揉み手をしたラクームは彼に歩み寄る。


「やっぱりワテも戦いたいんや。また軍に入れてくれまへんか?」

「私は復讐の為に……」

「ワテは復讐以前に戦争が嫌いなんや……」


 アルスの言葉を遮り強めに言い、そのまま続ける。


「この時世や、真っ当に商売ができへん、ワテは一介の商人。まともな商売ができる世界にしたいんや。だから戦争嫌いや」


 ラクームは眼を見開きアルスに訴え、アルスは眼を瞑り逡巡し……。


「……わかった」


 そして眼を開ける。


「再び宜しく頼む」

「おーきに」







 ・・・・・・・・・・・・・・


 一方ライアーラ西の離宮では司令官のダンバインが戦々恐々としていた。


「どういう事だ?一体何が起こってるというのだ!」

「恐らく増援を配置した砦が事前に漏れていたとしか……」


 ダンバインが怒鳴り副官らしき男が応える。


「仕方無い。一度此処は退いて本国より増援を送ってもらう。着いて来い!」

「はっ!」


 部屋を出るが、その刹那……。


「サンダースピアーっ!!」


 ズッギューンっ!ビリビリ……。


「ぐはっ!」


 副官が倒れる。やったのはサラだ。


「何処へ行くつもりだ?」


 サラの隣にいたギュスターヴがダンバインに問う。


「貴様何者だっ!」

「数秒後には、屍と化す貴様に名乗る名などは持ち合わせておらぬ」

「ぬかすなっ!」


 ダンバインが剣を抜き、間合いを詰めるが……コツンっと顔面に何かが当たる。


 プシューンっ!


「くそっ!」


 その怯んだ隙にギュスターヴが斬り裂いた。


「余計な事でしたか?」

「いや、良い援護だった」


 サラが間合いを詰めて来るダンバインの顔面に氷系初級(レイス)を当てていたのだ。

 こうして離宮は奪還。



 ・

 ・・

 ・・・



 次の日、アルスはライアーラ城に帰還。ギュスターヴも帰還しアルスは城門で出迎えるが、其処にバードが一人飛んで来た。


「敵の追撃!?……迎え撃つ!!」


 リビティナが弓を構える。


「待て!あれを良く見ろ」


 サラに止められる。バードは肩を大鳥に掴ませ、両手を真っ直ぐ広げてるので、あきらかに抵抗の意思はなかった。

 バードはミクだ。彼女は城門で降り立ち、チカは其処で羽根を休め、ミクは真っ直ぐアルスに向かって歩いて来る。


「其処までだ。要件を言え」


 リュウザンが制止させる。ミクは敵意はありませんよと言わんばかりの満面な笑みをリュウザンに向け、腰の剣と背中の弓を持ちリュウザンに渡す

 再び彼女は歩き出しアルスの目の前に着くと跪く。


「あたしはルーンナイツのミクと言います。本日はアルスエード王子にお願いがあって参りました」

ラクームはせこ過ぎですね(笑)。

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