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戦慄のイクタベーレ ~敗退せし者達の母国奪還の軌跡~  作者: ユウキ
第一章 プロローグ
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第二話 敗走、そして決意

戦闘描写が難しい

一方的にやられる形なので簡単かと思った時期が自分にもありました・・・

これではまともな戦闘に入ったらどうなるやら

拙い小説で申し訳ないです


「アルス様お怪我はありませんでした?」

「ありがとう、大丈夫だよ。それよりソラの方が…」

「あはは…こんなの怪我のうちに入りませんよ。リュウザンの力任せの下手っぴな剣の鍛錬に付き合って慣れていますし」


 リュウザンがカチーンと来ていたが、リュウザンの方は無傷。完全にブーメランである。

 三人は混戦の中とりあえずは無事だった


「はっ!?」


 その時アルスは何かを感じ取る


「なんだろ?この気配は…!?」


 リュウザンも何か異様な気配に気付くがソラだけは直ぐに反応できなかった


「ククク…勇者イクタの子孫にしてガイルバッハの子。イクタベーレのアルスエードよ」


 大気が震える。異様な声が響いてきた


「誰だ!?」


 リュウザンが叫ぶ


「お初にお目にかかる、わしはザーゼヴ」


 ローブを被って顔がはっきり見えないが老人と思われる者が背後に立っていた


「ザーゼヴ!?」


 とアルス


「ま、まさか暗黒魔導士ザーゼヴ?」


 とリュウザンが続く


「わしらの大陸制覇の野望を遂げる為にはイクタの血筋は少々邪魔なのでな。其方個人に恨みはないが…死んでもらう」

「王子!ここは俺が…国王の元へ行ってください」


 リュウザンがアルスの前に出る、遅れてソラが前に出た


「ククク…雑魚には用はない」


 ザーゼヴが無造作に手をリュウザン達に向ける


「うわっ!」

「がはっ!」


 無詠唱で風魔法が発動しニ人まとめて吹き飛ばされた


「リュウザン!!ソラ!!」


 直ぐさまアノスは剣を抜いた


「ほう剣を取るか王子よ…」

「アルス様お逃げくださいっ!!」


 吹き飛ばされ未だに起き上がれないソラが叫ぶ


「ククク…剣を持つ手が震えておるが…」

「やぁぁぁぁ」


 アルスが剣を振り下ろす……剣を振るというか振られているとも言えるが……。

 軽く右にズレただけでザーゼフはアルスの攻撃を躱す。そして同じく無詠唱で風魔法……リュウザンとソラただ吹き飛ばすだったが、アルスは風の刃で身体を貫かれた。


「がはっ!」


「ククク…無力とは哀しい事だなイクタベーレの王子よ。先程の剣術といい、かつては勇名を馳せたクタベーレ軍も長い平和ですっかり腰抜けになったと見える。イクタもこの惨状を見たら大いに嘆いた事じゃろうて」

「くっ!」


 アルスが剣を杖に体を支えザーゼヴを睨む

 ザーゼヴが一歩下がり焦りを含んだ眼をする


「(こやつイクタと同じ瞳を…!?ここで確実に殺さないとまずい!)……死ね!イクタベーレの王子よ!!其方の血をガディウス様の復活に捧げてくれる」


 ザーゼヴの両の手に炎が渦巻く


(復活!?暗黒魔王ガディウスが復活するというのか?)

「ぐはっ!」


 炎魔法を飛ばそうとしたその刹那、ザーゼヴの左腕が吹き飛ぶ…当然炎魔法は不完全に消えた


「ガイルバッハ!!」


 ザーゼヴが攻撃が来た方を見て睨む。そこには剣を構えたイクタベーレの国王ガイルバッハがいた


「ち、父上!?」

「ジャイロ、アルスを頼む!」

「心得ました…さあアルス様、肩を貸します。ここは引きましょう」


 ジャイロがアルスの腕を取る


「父上!」

「行けっ!!早くしろ!!」


 ガイルバッハがザーゼヴを睨みながら叫んだ。


「ククク…」

「やはりガディウスの復活は近いのか…だが私もイクタの血を引く者…この剣と我が命に代えてもおぬしらの野望を打ち砕くっ!!」


 ガイルバッハが剣を強く握る


「ククク…小賢しい!それが星剣ベーレシオン…200年前にはその剣に()()()()があったが。其方はその力を引き出していないようだな」


 ザーゼヴは右手だけで無演唱の炎魔法を展開し放つ。その範囲は凄まじく10人は横に並んでいても全て焼き尽くし、10mは炎が飛んだ


「ふん!」


 中心にいたガイルバッハはそれを斬り裂き炎は左右にわかれる。だが無傷とは言えず足に火傷をおった


「ククク…流石はイクタの子孫」

「ふん!」


 今度はガイルバッハの番と言わんばかりに空を斬る。そこからザーゼヴに向かって斬撃が飛ぶ。

 ザーゼヴは撫でるように斬撃に触れ軽々往なす。



 ・

 ・・

 ・・・



 ドドドドド・・・


 アルスはジャイロと馬に相乗りして全速力で駆ける。

 リュウザンとソラも続いたが、突然アルスが馬から飛び降りた。


「アルス様!!」


 アルスは走りだし崖の方に身を乗り出す。

 崖の下ではガイルバッハとザーゼヴが戦いを繰り広げていた。







 ・・・・・・・・・・・・


「ククク…どうした?これで終わりか?」


 ザーゼヴは不意打ちで左腕を斬られたが、それ以外は無傷。対するガイルバッハはボロボロ。あっちこっちに火傷や風魔法により切り傷があり息も絶え絶え。


「貴様にその剣は使いこなせん。だがここまで粘った褒美をくれてやる…最高位の魔法、暗黒魔法ダークライを!!」


『我、闇に誓わん…』


 ザーゼヴが初めて詠唱を開始した


『我が望みは愚かなる者への永久の眠り、我の言の葉にて目覚めよ…ダークライ!!』


「ぐああ…」

(か、体が!?)







 ・・・・・・・・・・・・


 ガイルバッハに異変が起きてるとこをアルスが崖の上から見ていた


「父上の様子がおかしい」


 ピクリとも動かなくなったガイルバッハにザーゼヴが風魔法で引き裂く


「父上ーーーーーーーッ!!」


 アルスは放心し後ろに倒れそうになってしまう。


「アルス様…」


 それをジャイロが支えた。


「追手が来ます」


 とソラ


「行きましょう王子」


 リュウザンがアルスの手を引いた。


(陛下…)


 ジャイロはガイルバッハの死体を一瞬見て踵を返す

 こうしてアルスの初陣は終わった。それも最悪の形で……。



 ・

 ・・

 ・・・



 アルス達は城に退却していた。城ではセレリアが負傷兵の傷を癒しており、少し疲れが見え、やつれて来てる感じがした。

 アルスは城で休む暇もなく最悪の知らせが届く。


「申し上げます。暗黒魔王軍が目の前まで迫っております」


 兵が城に飛び込むなり報告し


「セレリア様!アルス様!どうかお逃げください!!」


 と続けた直後、その兵は倒れた。深手を負っていたのだ。


「おい確りしろ!」


 ソラが駆け寄る


「セレリア様!」


 別の兵がセレリアに訴える。


「この国の為に良く戦ってくれました…」


『慈悲深き精霊達よ、彼の者を癒す力を…キュア!』


 セレリアは回復魔法を行いその兵の傷を癒しアルスの方へ振り返った。


「アルス、(わたくし)は城に残ります。ここで敵を引き付けている間に早くお逃げなさい」

「姉上!?」

「城内には、この国の為に戦ってくれた多くの負傷兵が残っております。わたくしは回復魔法の使い手として彼等を放っておけません」


 セレリアは城で一番の回復魔法の使い手なのだ。勿論攻撃魔法も使えが。


「しかし…」


 アルスが反論しようとするがセレリアがそれを遮る。


「アルス…父上亡き後、この国の……いえこのユグドラシルの人々はますます苦しい思いをするでしょう。ガディウス復活を阻止し再び平和な時を取り戻す為に貴方は生き延びなければならないのです」



 アルスは俯く


(私にそんな事が……)


 セレリアはジャイロの方を向く


「ジャイロ、アルスを頼みます」

「はっ!」

「確りしなさい。貴方は勇者イクタの血を引くイクタベーレの王子なのですから…」


 優しく慈愛に満ちた顔で微笑む。だがその瞳の奥が哀しみに満ちていた。


「……大丈夫。貴方なら出来ます。アルス強くおなりなさい。愛する者を…大切な者を守れるくらい……強く!強くおなりなさい」



 ・

 ・・

 ・・・



 ドドドドド……。


 残り少なくなった宮廷騎士団を引き連れ逃げるアルス達。


【強くおなりなさい】


 姉の言葉がアルスの中で反芻していた。


 ドッゴーンっ!!


 突如背後で爆発が起きる。


「城が…」


 ソラが呟く。城があった場所が燃えてるのだ。

 誰もが目を伏せる


(その通りだ!私に力があれば皆を守る事が出来たかもしれないんだ!!)


 アルスは涙を零す。


「アルス様…」


 そんなアルスにどんな言葉をかけて良いか迷うジャイロ。


「へへへ…こりゃ驚いた。イクタベーレの王子様ご一行様だぜ!」


 前方から下卑た笑いをする者達がいた。この戦争の漁夫の利を狙った盗賊達だ。


「ようやく俺にも運が回って来たな。やっちまえっ!!」


 盗賊の頭と思われる男が号令を発する。


「応戦しろ!アルス様をお守りするんだっ!!」


 ジャイロが指示を出す。


「そうわいかねェ王子さん」

「ぐわっ!」


 騎士団の一人が斬られる。


「がはっ!」


 次々に倒れる騎士団。


「確りしろ!」


 リュウザンが叫ぶ


(いかん…連戦の戦で兵達が疲れている)


 一人ごちるジャイロだが彼も()()()()()周囲に気が回っていなかった。


「しまった!」


 盗賊の頭がアルスの目の前まで接近する。護衛をする者が誰もいない。



「まあそんな怖い顔するなって。俺だって鬼じゃねェんだ。直ぐに楽にするさ」


 斧を振り上げる。


【強くおなりなさい。愛する者を…大切な者を守れるくらい……強く!強くおなりなさい】


 姉の言葉が再び脳内に流れた。


(私は…私は……)


 盗賊の頭が斧を振り下ろそうとする。


「アルス様ーーーっ!」

「王子っ!!」

「オラオラその首貰ったーーーっ!」


 もうダメだと誰もが思ったその時……。




「私は強くなるッ!!」




 ブッシャーっ!!


 盗賊の頭が斧を振り下ろすより早くアルスが横一文字に剣を振い盗賊の頭の腹部を斬った


「そ、そん…なば、かな。こ、んなガキに…」


 盗賊の頭は絶命する。

 宮廷騎士団の者達が固まってしまう。


「ジャイロ援護を頼む。リュウザン、ソラは左右から敵を叩けっ!リビティナは二人の援護を」


 アルスの指示が飛び、固まったのは一瞬だった。


「「「「はっ!」」」」


 この時、士気が爆発的に上がったのは言うまでもない。


(強くなりたい。愛する者を、大切な者を守れるくらいに!!もう誰も失いたくないから!私はもう迷わない。私は戦う!!父上…母上…姉上…きっと戻ってきます。この仲間達と共にもう一度。祖国イクタベーレに……)


 こうしてアルスの長い長い旅が始まる。イクタベーレを奪還する長い長い戦いが――――――。

戦争の話なので最初は登場人物をいろいろ出すばかりな上に拙い小説なので微妙と感じるかもしれません

ですが6章から掘り下げに入るので、せめてそこまで読んで頂けましたら、嬉しい限りです

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