第十一話 サラの愛槍
ミクはご都合主義キャラです、すみません
話と話の繋ぎ目とか何かとミクを使います
ローエン盗賊団はアルス達一行により鎮圧されたが逃げ出した者も何人かいた。彼等は散り散りに逃げたが一部の者はスパイシーロードを真っ直ぐアジトに向かっていた。
そうなるとアルス達と合流しようとしてるサラ達と接触するのも必然。彼女達はそんな事を知る由もなく走っていた。
「ハァハァ……ねぇサラ!」
マンデが息を切らしながら声を上げた。
「どうした?少し休むか?」
「何言ってるの?ハァハァ……アルス様に会えるのに休んでらんないわよっ!!それより、ハァハァ……何故サラはアルス様に会おうとしてるの!?」
息をも絶え絶えで目尻を吊り上げて聞いてきた。
「面白そうだから」
「はっ!?」
意味がわからず間の抜けた声を出してしまう。
「アルスエード王子はバルマーラに戦いを挑むという噂を聞いた。こんな事をする人は他にいないからな」
「ハァハァ……ふ~ん!で、会ってどうするのよ!?」
やけにツンツンしてる。これが地というのもあるが、実はサラがアルスに敵対するのではないかと警戒してるのもあった。
「どんな奴か見たい。面白い奴なら私もバルマーラに挑むという冒険をしたい!」
「ぼ、冒険!?バッカじゃない!ハァハァ……冒険の為に危険に身を晒すの!?」
「危険じゃなきゃ冒険にならない」
そうサラは根っからの冒険好き。
「変わって……」
「お喋りはそこまでだっ!!」
サラがマンデの言葉を遮って立ち止まる。マンデはサラより前に飛び出るがサラと手を繋いでいるので、手を引かれ立ち止まる。
彼女は振り返り……。
「ハァハァ……なんで立ち止まるのよ」
「前を見ろ」
「なによ!!」
実の所サラは相当目が良い。視力を測る物がこの世界にあったら5.0はあったかもしれない。
マンデはスパイシーロードの先の方を見る。最初は気付かなかったが、人影が徐々に此方に接近していた。
「なによあれっ!?」
「アルスエード王子の戦いから逃げて気たってとこだろう」
やがて盗賊の残党達が目の前まで来て吠えだす。
「てめぇサラ!また金づるを逃がしたな」
「だったらなんだ?……マンデ下がってろ」
マンデの手を離すとマンデは下がる。
「さっさと片付けなさいよっ」
「ああ」
マンデを横目で見て頷く。
「力付くで取り返すまでだ!」
と盗賊の残党が吠える。
「負け犬を良く言う」
「んだとぉ!殺っちまえっ!!」
「おおー」
(っと言ったもののどうしたものか、数は6人。少し厳しいな)
彼女は演唱無しで氷系中級を使った為に魔力が…いやマナがほとんど残っていない。
魔導を知らぬ者を一括りに魔力と呼んでるが、実際には魔力は魔法の威力を高めるもの。魔力が高い者は魔法の威力が上げられる。
マナとは体内に秘めているもので、それを消費して魔法を使う。つまりマナが枯渇すれば魔法は使えない。回復には十分な休息が必要である。
ちなみに演唱破棄、それよりもっと高度な魔法名破棄を行うとマナの消費が激しい上に体力も消費し疲労が蓄積する。それだけなら良いが下手すると意識を失ったり、命を落とす事もあるのだ。
彼女は立て続けに戦闘と、演唱破棄の氷系中級のせいで疲労がピークに達していた。回復魔法で回復するのは怪我と体力のみで疲労は回復できない。
(とりあえず残りのマナを使うか)
サラは魔法を唱えようと考えるが……。
ヒユーン…ドスっ!
既視感のある光景だ。サラの目の前に槍が降ってきて真っ直ぐ突き刺さる。
「こ、これは私の槍」
彼女は上空を見上げる。盗賊達も見上げた。
「な、なんだあれ?」
盗賊達が驚く。そこにはチカの足に左手で掴まったミクがいた。右手をサラに向けて手を振っている。
「ミクっ!」
サラが叫ぶ。
「やっほー!それ君の槍だよね?」
「ああ」
「その槍に袋があるでしょう?」
サラは槍に括り付けられた袋を確認し再び上空を見上げた。
「500G入ってるから。今持ってる槍を上に投げてー。もう必要無いでしょう?」
「ああ。恩に着る」
背中に携えていた槍を取り上空に投げる。それをミオが掴んだ。
「良いって事よ♪」
サラは目の前の愛槍を抜き構える。
「武器を替えたくらいで何ができる!?」
「何が出来るかしかと見よ……サンダースピアーっ!!」
サラが叫ぶと槍の刃先から雷が発生し盗賊達を襲う。
ビリビリ……。
「うぎゃっ!」
この槍はサンダーランスと呼ばれる電撃の力を秘めた槍。彼女が次々に電撃で盗賊を貫く。
しかし一人だけ俊敏な動きをする盗賊が電撃を躱す。
「サンダースピアーっ!!」
今度は後ろを向いて叫ぶ。それと同時にジャンプ。すると電撃が発射される勢いでサラの身体が吹き飛び盗賊に突っ込む。
サラは空中で反転。
「な、何ぃぃっ!」
「電光一文字突きーーッ!!」
雷を帯びた槍を突き刺した。
「ガハっ!」
バタンっ!
「ふ~やる~♪」
ミクがそれを上空から見ていた。
「ミク!何故これを?」
サラはミクに向かって槍を掲げる。
「盗賊のアジトに忍び込んだ時に見っけたのよ」
「良く私のってわかったな」
「君がその娘を助ける時にサンダーって叫んでいたからピンってきたのよ」
「そうか……だが何故届けてくれた?」
「偵察のついで♪……それより名前まだ聞いてなかったよね?」
「サラだ」
「そう。また何処かで会えると良いねサラ!」
「ああ」
「んじゃばっはは~い」
「さてセイラ様に報告しに戻るか。チカ!」
「ピーィ」
ミクは空の彼方に去っていった……。
「さて、私達も行くか」
サラがマンデに再び手を差し出す。それをマンデが掴むと再び走り出した。
そうしてようやくアルス達の元に到着した。
「着いたぞマンデ」
「ハァハァ……」
マンデは完全に疲れ切っており両膝に両手を付き頭を垂らしていた。




