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戦慄のイクタベーレ ~敗退せし者達の母国奪還の軌跡~  作者: ユウキ
第十章 呪われし血筋
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エピソード ディーネ

呪われし血筋……。


この戦乱の現況。


始まりは些細な事。


人より良くありたい。


人の上にいたい。


高みから見下ろしたい。


誰もが持っている感情。


または誰も一度は思った事がある感情。


ただ、それが度が過ぎてくるとエゴに他ならない。



私の祖先が犯した罪は、子孫の私達を縛る。


これが世に知られれば、ユグドラシルに対する支持は失われる。


この大陸の中心であるユグドラシルが崩壊すれば、大陸自体の未来はない。


こう言ってしまうと傲慢かもしれない。


だけど事実、政治面や交易面においてユグドラシルは中心に立っていた。


やがてこの大陸を統べる事になるロッカ様には、決してそんな事を強いてはならない。


大陸を護る義務がロッカ様にあるのだから。


でも、これは所詮表の気持ち。


綺麗事を並べているだけなんだ。


内なる私は醜い。


結局私も自分が一番可愛いのだ。


サラは自分の事しか考えぬ人間を嫌い、基本的に人に関わらないで来た。


そんな彼女が私には気を許し、私を友達だと言ってくれた。


今まで王女という立場から、友達がいなかった私には勿体無いくらい嬉しかった。



―――それと同時に胸が苦しかった。



本当はサラに友達と呼ばれる資格なんてないんだよ。


私も自分さえ良ければ良いと思っている。


要は嫌われたくなかったのだ。


サラにもアルス様にも……もっと言えば誰からも。


だから隠した。


私は友人と元婚約者をずっと裏切って来ていた。



だけどガディウス誕生の秘密を知ったサラは、


「ディーネはディーネではないか」


と言ってくれた。


私を嫌うなどしなかった。


何故なら私は私なのだから。



私は気付かされた。


過去など関係ない。


もし嫌われるとしたら、元々私を良く思っていなかった者、私を元々嫌っていた者が、それをきっかけに私から離れていくだけ。


逆に少しでも私に好感を持ってくれている人なら、きっとサラみたいに言ってくれるだろう……。


いやサラだからなのかもしれない。


でも、私はそうなると信じたい。


いや、まず私から相手を信じて上げなきゃならないんだ。


まず自分から相手を信じる事。


自分が信じていなかったら相手も信頼してくれるわけがない。


私はそう気付いた。


そうユリアン=ディーネ=タルミッタは他の誰でもない。


私自身なんだから……。


だから恐れないで、まず“私から進まなければ”ならない……。




気付くと海中時計を握り締め魔法陣の中心に立っていた。


地に大雑把に描かれた五芒星の魔法陣が光り輝く。


今の私には迷いはない。


今の私ならきっと……。



サラには先に戻ってと言った。


私も、もう一段階強くならなくてはならない。


彼女が一段階先に行ったように私も……。



魔法陣の上で未熟な時空魔導士から真の時空魔導士へのランクアップを試みる。


専用の海中時計を触媒に精霊と交信を交わす。


要領は魔法の習得と同じだ。


ただ魔法を習得するより、遥かに厳しい。


ランクアップするだけの魔力……何より精霊に認められる資質がなければならない。



以前の私は失敗し未熟な時空魔導士止まりだった。


魔力が至らなかったのが原因の一つと思いわれるが、何より気持ち(・・・)の問題だろう……。



以前の私は呪われた血筋という十字架を背負い、逃げ続けて来た。


だけど今の私は違う。


十字架を捨てる覚悟が出来た。


いや違う。


十字架と向かい合い共に歩む(・・・・)事が出来る。


祖先のアルテミスは、辛い選択(・・・・)をしていた。


彼女は想いは叶わなかった……。


だから、彼女の代わりに……彼女の果たせなかった想いを遂げる。


いや今は私の想いだ。


その為に十字架を捨てるなどしない。


私はアルス様と大陸解放を遂げる。


その為には、彼の力となれるだけの力を手に入れなければならない。



アルテミスの想いは、もう私の想いだ。


だから必ず叶える……。


そして、アルス様に真実を話そう。


私の祖先の犯した罪。


アルテミスが遂げられなかったものを……。



しかと正面から向かい合う。



逃げずに……。



偽らずに……。



逸らさずに……。



恐れずに……。





願わくばこれが新たな一歩にならことを―――――。

ヒロインまでが長かったです(汗)

前フリの為のサラの章でしたが、サラばかりになってしまいました(笑)

そしてヒロインのエピソードはあっさりし過ぎ(汗)

まぁこの章そのものがディーネの為のものですけどね



ちなみにディーネの名前ですが、一応意味を持たせています

サラと来て、ディーネの偽名をマンデとして、最初はある名前のパクりでサラマンデ……としてディーネという名前にしました。

前にもこれは描かせて頂きましたが、でもこれ実は仮決定でした。

祖先がアルテミスなので同じくギリシャ神話に同じか、捩った名前がないか探し、見つけたので調べたとこ宇宙を創造した女神がいました。

時空魔導士が時間と空間の魔法の使い手、空間は英語でspace。

つまり宇宙なので、それっぽいなって感じたのと、サラの扱いを女神にしてるので話の流れ的にディーネも女神にしたかったので最終決定しました。

故に背景も宇宙です

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