第八話 マンデ、再び逃走
二章の八話と九話はキリ良くする為に短めです
スパイシーロードを行軍していたアルス一行だが気が付けば日が暮れ夜を迎えていた。森に身を潜め、野営をし一晩明かそうと皆眠りに付く。
ローエン盗賊団のお陰で、人通りがなく静かな場所だ。いや静か過ぎる。
リュウザンはその静けさに馴染めなく眠りに付けないでいた。
だが、その静けさも束の間。外が騒がしくなる。リュウザンは何事かと思いテントから飛び出す。
「なっ!?」
テントが燃え、盗賊団が囲んでいた。
「夜襲だー!みんな起きろーっ!!」
リュウザンが叫ぶ、その声に反応して一斉に皆が表に顔を出してくる。
「野郎共!殺っちまえーっ!!」
盗賊の頭が叫ぶ。
それといつの間にか盗賊達に追い付いたゼフィロスの姿があった。彼は一直線にアルスの向かって来る。
「お前がイクタベーレの王子か?」
ゼフィロスが問う。
「そうだ」
「ならばその首貰った」
アルスが答えるやいなや斬り掛かって来た。
ギーンっ!
その剣を防いだのはホリンだ。
「よー!お前さんの相手は俺がするぜっ!!」
お互いの剣がクロスし向かい合いながら話す。
「お、お前は!?」
「久しぶりだなゼフィロス」
「……ホリンか」
ホリンの顔がニヤ付く。
ゼフィロスもフッと笑う。
「ホリン、知ってる人のなのか?」
「ああ、超凄腕の賞金稼ぎのゼフィロスだ。昔にちっと殺り合った事があってな……それより離れてな」
「わかった……任せる」
「ふん!」
ホリンが一際大きく力を籠めその刹那、後ろに飛ぶ。
ギーンっ!
ゼフィロスは直ぐさま追撃を掛けるがホリンはそれを防ぐ。
キーンっ!
カーンっ!
ギーンっ!
お互いの刃がぶつかり合う、どちらも一歩も引かない。
・・・・・・・・・・・・
「マンデーっ!!」
アルス達一行が襲撃受ける少し前、時刻は夕方あたり。気絶していたサラが叫び上半身を飛び起こした。
その横で少女が一人座ってる。まだ幼さが残る容姿。歳は14。髪は青色のセミロングでツインテールにしてる。
水色を基調とした身軽そうな服装に皮の肩当て。スカートは短く、その下にはスパッツを履いてる。
その少女はサラがいきなり目を覚まし上半身を飛び起こ為に、ビックリし後ろに仰け反っていた。
表情は一瞬ビクっとしたが直ぐにキョっとんとしている。
「あっ!すまない……此処は?」
サラの言葉に合わせ少女は仰け反った身体を元に戻す
「此処はライアーラ領のスパイシーロードよ」
「お主は?」
「あたしはミク。貴女が此処で倒れていたから、様子を見に来たのよ。でも大した怪我も無さそうね」
「そ…なの…か。迷惑を掛けた」
頭を垂れる。
(マンデが助けてくれたのか?)
胸中呟き、あたりをを見回した。そして途中で視線がピタっと止まる。其処には人が二人乗れそうな巨大な鳥が……羽根が真っ白な鷹がいた。
「ああ…この子はチカ!私の相棒よ」
サラの視線に気付きミクが説明した。
「お主はバードなのか?」
バードとは大きな鳥に乗り、バリエーション豊富な戦い方をする者。一つ例を挙げると使用武器。乗り手にもよるが弓や剣に魔法と様々。
現にミクの背中には弓、腰には剣が携わっており、チカと呼ばれる鷹の背中には槍がある。
「うん、まぁね」
「バードなんて初めて見るな」
「そう?あたしの国では、ほとんどの人がそうだよ」
「そうなんだ。ミクは槍も扱えるのだな」
チカの背中にある槍を見て言った。
「あははははは……これただの趣味」
「えっ!?」
「あんまり得意じゃないって事」
「そうか……ところでミクはこれから何処へ?」
何気無く聞いてみた。
「偵察♪」
「偵察?」
サラが訊き返す。
「挙兵したアルスエード王子が港町マークスから向かって来ているから見に行くの」
「確認するが此処はスパイシーロードでライアーラ方面、そしてミクが向かうのは港町マークス方面で間違いないけか?」
「え?そうだけど?」
ミクが首を傾げる。
「じゃあローエン盗賊団のアジトも通過するんだな?」
「うん…そうなるね」
「それならすまないが私も連れて行ってくれぬか?知り合いがローエン盗賊団に捕まってるんだ」
「その距離なら大丈夫かな?良いよ」
「恩に着る」
「行くよ!チカ」
「ピーィ」
バサンバサン……っ!!
チカが羽音を響かせ羽ばたく。ミクは舞い上がったチカの足に掴まり、自らの身体も宙に浮かす。
「あたしの足に掴まって」
「ああ」
言われるがままにミクの足を掴む。こうして二人と一羽はローエン盗賊団のアジトを目指す。
日が完全に沈みあたりが暗くなり始めた頃、ローエン盗賊団のアジトが見えてくるが……。
「あ、あれは?」
アジトより更に向こうに眼をやる。
「誰か追われているね」
「さっき言ってた私の知り合いだ……やっぱり彼処まで頼む」
「おっけー♪」
「それと一つ頼みがある」
「な~に?」
「槍を売って欲しい」
あまり得意ではないと聞いていたのでサラはそう言った。
「良いけど、ただの鉄の槍だよ?」
「ないよりマシだ」
「でもこの状況じゃ渡せないよ」
ミクの両手はチカの足、両足はサラに掴まれ身動きが取れない。
「真上に着いたら降りる。その後、投下してくれ」
「了解」
「で、いくらだ?」
「1000Gで買ったのだけど中古だから500Gで良いよん♪」
サラはミクの足を掴んでいた右手を離しお金を出し上に差し出す。それをミクはバランスを考え左手をチカから離し受け取った。
「まいどあり~♪」




