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戦慄のイクタベーレ ~敗退せし者達の母国奪還の軌跡~  作者: ユウキ
第一章 プロローグ
1/152

第一話 イクタベーレの王子

初めまして

ユウキと申します

とりあえず描いてみました

ド素人ゆえ、いたらないかと思いますが読んでくれましたら嬉しいです

 かつてこのユグドラシル大陸は大陸制覇の野望を抱く暗黒魔王(ガディウス)の手に()ちんとしていた。

 大陸全土を治めていた聖王国ユグドラシルもガディウス率いる暗黒魔王軍よって壊滅的な打撃を被った。

 聖王国が滅びんとするその時、突如暗黒の帳を引き裂いた者がいた。

 彼の名はイクタ。(のち)に英雄と呼ばれるようになりイクタベーレという国を興す

 そして200年後、再び動乱の時代が訪れようとしていた―――――。



 200年前の動乱の後、暗黒魔王軍の残党達が息を潜めていた。中でも強力な魔法を操る暗黒魔導士ザーゼヴが率いる暗黒魔王軍残党は突如侵攻しグルノニア王国とマルスト王国を手中に収め強大な軍事帝国となり、新生暗黒魔王軍はついに聖王国ユグドラシルを陥落せしめた。

 そしてその魔の手がイクタベーレに伸びようとした時、現イクタベーレ国王ガイルバッハは出陣を決意した……。





「アルス…やはりここでしたね」


 少しウエーブがかかった金色の長い髪をなびかせ小さく微笑む美しい女性。


「姉上」


 呼ばれた少年はイクタベーレ城の裏庭で鳥に餌を与えていた……と言っても飼ってるわけではなくたまたま通りかかった鳥にだ

 少年も同じく金の髪で容姿も整っており、こちらの髪は短くストレートである

 歳は15になったばかり


「出撃前の軍議が始まってるわ。早く城にお戻りなさい」


 姉と呼ばれた女性、名をセレリアと言い歳は23。

 声をかけられたアルスは少し俯く。


「姉上…私はここ数日胸騒ぎがします」

「初陣とは不安なものよ」

「いいえそうではなく…」


 アルスは鳥に視線を向ける。


「ご覧ください、この鳥は本来聖王国がある地方のみ生息する鳥です。それが聖王国ユグドラシルが陥ちてから群れをなしてこのイクタベーレに渡ってきたのです…他にも随分いろんな鳥や動物達がやって来ています」


 アルスは瞳を曇らせながら続ける。


「私は今回の戦いに只らぬ邪悪な気配を感じられてなりません」

「いかなる理由があるにせよ王太子である貴方がそのような不安な顔をしていては兵の士気にかかわります。苦しい時こそ逆に力強く兵達を導く…それが貴方の役目よ」



 ・

 ・・

 ・・・



「同盟国シャルスからの情報では一部の暗黒魔王軍は国境を越え、その数は少ないが戦力的に侮れない」


 会議室にて威厳を感じさせる長い鼻の下から顎まで伸びる髭を生やし、少し白髪も混ざった金髪の国王ガイルバッハがずらりと座っている士官達に声をかけていた。


「よって明日は予定通りシャルス国のジキルス国王と合流した後、暗黒魔王軍を迎え…」


 とその時、会議室の扉が開きアルスが室内に入ってきた


「アルス! 今まで何をしていたっ!?」


 ガイルバッハが怒鳴る


「気分が…優れなくて…」


 アルスは咄嗟に誤魔化した


「明日はお前の初陣だ…王太子たるお前に付き従う兵達もいる。お前の気の緩みで命を落とす事もあるのだぞ…なのに重要な戦略会議に遅れるとは何事だっ‼」

「陛下…アルス様も何分初めての事ですから、もうその辺で…」


 士官達の中にいた白髪で少し髪が逆立った老人が諫める。

 老人と言っても歳は53。まだ現役で戦える歳である。


「……わかった、席に付くが良い」



 ・

 ・・

 ・・・



 会議が終わった後、国王の部屋に先程のガイルバッハを諫めていた老人が呼ばれ跪きガイルバッハの言葉に耳を傾けていた。


「ジャイロよ、アルスをどう思う? あやつは姉のセレリアと違い魔法の才もなく、剣術も進んで学ぼうとせん…やがてこの国を継ぐ者にしてはあまりにも頼りない」

「しかしながら陛下、アルス様には人を惹き付けるカリスマのようなものがございます。私ども宮廷騎士団の中にもアルス様のお優しい人柄に打たれている者も多うございます。それは人を統べる上で得難い才能かと存じますが…」

「わかっている。あやつは幼い頃から自分より人を思いやる優しい子であった。平穏な時代なら良き王になったであろう…」


 ガイルバッハは徐々に声を荒がえる。


「だが今は違うっ‼この乱世に生きるには誰よりも強く、強くならねばならぬっ‼」

「陛下…」

「今度の戦いは今までとは違う気がするのだ。暗黒魔王軍は命乞いをする者まで構わず斬殺すると聞いてる。私にはその背後に200年前の動乱と同じ悪しき力が感じられる。それもより一層邪悪なものとして‼」

「陛下…!」


 ジャイロが驚きに目を見開く。


「ジャイロ、いろいろとアルスを助けてやってくれぬか?」


「承知致しました」


挿絵(By みてみん)

 

アルスが初陣出発の朝、兵達の集合場所に緊張した面持ちのアルスの姿があった。


「アルス様」


 兵2人が声をかける。


「リュウザン、それにソラ!」


 リュウザンと呼ばれた青年は歳は23で緑の髪でオールバック。

 素早く正確な剣裁きで若いながらにも他の兵から一目置かれており閃光の麗豹の二つ名を付けられている

 もう一人のソラは青い髪で歳は22。

 彼の剣裁きは豪快で暴れだしたら止めるのが厳しい…が、まだ未熟故剣に正確差がない事から豪胆な暴牛という二つ名? が付けられていた。


「王子、この度の道中我らがお供致します」

「ジャイロ様より申しつかりまして」

 

 恭しくリュウザンが頭を下げながら言い、ソラが繋げた。


「ありがとう。二人がいてくれればとても心強い」


 少なくても優秀な宮廷騎士団の一員なのだ。ソラも未熟ながらそれなりに頼りになる。


「心配いりません王子。いざとなればこのソラを囮にして私が王子をお守り致します」

「リュ、リュウザン! お前なー」


 その光景を城の3Fバルコニーからセレリアが見ていた。

 アルスは軽く手を挙げる。


(姉上行って参ります)

「全軍出撃っ‼」


 そこでガイルバッハの号令がかかった。



 ・

 ・・

 ・・・



「イクタベーレ軍は予定通りシャルスとの国境に向けて出発したそうです。使者に道案内させてね。おわかりですね? ジキルス王」

「イクタベーレには滅んで頂きましょうグルノニアの王よ。我らが偉大なる魔王様の為に……」


 アルス達が出発した頃、シャルス城で不穏な会話をする2人がいた



 ・

 ・・

 ・・・



 空が雲に覆われていた……。

 イクタベーレ軍は馬を率いて隊列を組んでいる。


「マルス様、一雨来そうですね。大した事ないと良いのですが…」


 ソラに言われアルスは空を見上げ……。


「あの雲はこの時期大雨をもたらす雲だよ。もう直ぐ雷を伴った大雨が来るんじゃないかな」

「アルス様は城の天候師より天候にお強いですからね」


 ソラがおどけたように言った。初陣であるアルスにソラなりに気を使っているのだ


「そんな事ないけど……それよりこんな場所で襲撃されたらひとたまりもないな…」


 アルスが頭を切り替える。

 現在イクタベーレ軍は崖に面した狭い道の山脈を行軍していた。


「心配要りませんよ。シャルスの使者によれば暗黒魔王軍はまだ国境を越えたわけではないそうですし、第一もっと安全なルートを進軍する筈ですから」


 そうイクタベーレ軍はシャルス国から使者の道案内によりシャルス軍と合流しようとしていた。


「だが俺はあの使者の目が信用できないな」


 訝しげに言うリュウザン


「リュウザンはうたぐり深過ぎなだよ!」


 ソラが怒鳴る。この2人の言い合いはいつもの事なのだ。


「フン、騙されるよりマシだ」



 ・

 ・・

 ・・・



 イクタベーレの行軍ではアルスは最も安全な真ん中あたりにいる。

 先頭にはガイルバッハ国王とジャイロとシャルス国の使者の姿があった。


「ジャイロ、あれは大丈夫だろうか?」

「アルス様ですか? …リュウザンとソラの二人が護衛致しております。どちらも若いながら腕はなかなかのもの。心配ないかと存じますが…」

「……そうか」


 重々しく答える


「ん? どうしたのだ? 使者殿」


 シャルス国の使者が馬を止めていた。


「残念ながらここでお別れです。ガイルバッハ王」

「どういう事だ!?」

「イクタベーレに死を」


 その瞬間上から弓矢が飛来する。


「何っ!?」


 山脈の上には多くの兵がいた・・・。



 ・

 ・・

 ・・・



「あ、あれは古の暗黒魔王を讃える旗…」


 アルスも山脈の上にいる沢山の暗黒魔王軍の兵達に気付く。


「うわっ!」

「ぎゃっ!」


 悲鳴が飛び交う。弓矢により刺されていくイクタベーレの兵達。

 馬に刺さったとしても落馬でも、ただでは済まない。


「ぜ、全員頭上よりの攻撃に備えよっ!!」


 先頭にいたガイルバッハの声が響く。


「くっ!」


 アルスの馬にも矢が刺さる。幸い上手く受け身を取ったので落馬の負傷はない。


「アルス様、私の馬へ」


 ソラが手を伸ばす。


「急いでください!!」


 リュウザンが飛来する矢を叩き斬りながらアルスを急かす。流石は閃光の麗豹と呼ばれているだけあって良き剣の冴え。次々に矢を叩き斬って良く。だがジリ貧。



 ・

 ・・

 ・・・



 先頭ではガイルバッハが指揮を取り後退をするよう指示を出す。

 しかし……。


「陛下、後方より奇襲! 退路が断たれました!!」


 兵が報告する


「馬鹿な! 暗黒魔王軍に後ろを取られたというのかっ!!」

「い、いえそれが…シャルス軍です」


 兵が言いよどむ。


「シャルス…だと?」


 ガイルバッハも驚き一瞬思考が止まる。


「ジキルスめ、我が身可愛さに裏切ったかっ!! おのれー全軍前進!! 両軍を迎え撃つっ!!」


 戦いは激しさを増しそれに呼応するように大雨が降りだす。



 ・

 ・・

 ・・・



 こうして一方的な戦いが始まった。

 暗黒魔王軍の奇襲と同盟国シャルスの裏切りによりイクタベーレは態勢を立て直せないまま厳しい戦局に呑み込まれていった。

 暗黒魔王軍の兵士達は感情がないような虚ろな瞳をしており攻め寄せ続け、その死をも恐れぬ不気味な戦いぶりはイクタベーレの兵を、その誇りを、その矜持を、ことごとく踏み潰していく

 今まで無敗だったイクタベーレの宮廷騎士団はその輝かしい戦績において初めての敗北に恐怖を知り、成す術もなく次々に倒れていった。

 アルスの初陣は最悪の形で敗北に記す。



 ・

 ・・

 ・・・



「陛下! 我が軍はほぼ壊滅状態です! ひとまず城に退却致しましょう」


 ジャイロが跪き進言する


「何を言うかっ!! ここでおめおめと引き下がっては死んで行った兵達に申し訳立たぬわっ!!」

「ですが陛下、死んで兵達を思うなら尚更! 退却して態勢を立て直し再起を期するべきです!!」


 ガイルバッハは目を伏せ熟考した。

 そして……。


「アルス…アルスは無事か?」

「申し訳ございません混乱の中で見失いました。何分この雨ですから…」

「わかった。残りの兵達に伝えよ! 防戦しつつ速やかに退却せよ、と」

「はっ!」

という感じでなんとく描き始めましたが…難しい

キャラの喋りに特徴を付けるとか

特に容姿…無理なので完全に適当です

すみません


地図は大体の目安です

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