友達
「九鬼さんは今日一人?」
「うん、あまりご飯はみんなで一緒に食べないからな。」
.....
何を話したらいいのかな。沈黙のままだと気まずい。ちゃんと話すの今日が初めてかも。家族とか話したくない系かもだし。あ、そうだ。
「九鬼さんはなんでヤンキーになったの?」
「色々あったから話すと長くなるな。でも知っとかないと他のことがわからないから短く話そう。」
「聞きたい。他のことに関係あるなら尚更。」
「一年前私はこの学校に入学した。その頃はまだヤンキーと関係すらなかった。それから気の弱かった私は気づいたらいじめのターゲットになってた。そこで助けてくれたのが先輩だ。先輩がこの今のメンバーを集めたリーダーで私は先輩に憧れ自分からヤンキーになった。そんなところかな。」
「どうかした高橋?具合でも悪いのか?」
「ううん、違う。まさかこんな悲しい話だと思ってなかったからつい涙が。」
「そうかい?悲しいのかな。」
「気になるところは他にもいっぱいあるけどその先輩は今どうしてるの?」
「先輩は転校した。」
なんで私はいつも聞いちゃいけないような悲しいことばっかり聞いちゃうの。よしこういうときは。
「先輩とは連絡取ってるの?」
「いや。」
「それじゃあその先輩に会いに行こう。」
「あはっは、いきなりどうした。」
笑った顔、やっぱりきれい。ヤンキーでもったいなあ。
「冗談じゃない。私は本気だよ。」
「何も知らない先輩に会いに行こうとかやっぱ変わったやつ。高橋はなんで私にそうやって良く接してくれるのかい。」
「それは友達だから。」
「友達...」
「友達になるのはヤンキーと違ってお互いの許可を取る必要はないと思ったけどやっぱり嫌だった?」
「いや、そういうことじゃなくて友達って言われるのが先輩以来だなった思って。前に先輩にも言われた友達だろって。」
「じゃあ、これからは友達ってことで。」
「そうだな。」