厄介ごと
さっきまでこの人どこにいたの。一人だけ雰囲気違うし。周りを見渡したのに全く気づかなかったなんて。
「お前は私が誰が知らんのか。なんて愚かだ。でも一応名乗っておこう我が名は桃山桃子。この不良集団を仕切るリーダーだ。なのにこんな奴がいきなりやってきてしっかり罰を与えないと。」
「やめてください。」
「お前のような何もできない役立たずが何を言う。大体こんなことになった責任はお前にもある。何処かで見た顔だと思ったら昨日夜道を一人でフラフラ歩いてた奴だし。」
まさか最初から気が付かれてたなんて。運が悪かったそう信じたい。この人達が昨日私を襲った人たちだったなんて...
「さて、こいつはどうしようかな。いっそうここで片付けちゃおかな。それとも使っちゃおかな。」
「何をするか分かりませんがやめてください。」
「こいつ邪魔だな。」
「なんでもしますので九鬼さんには手を出さないでください。」
私は、この言葉で自分がどれ程後で悔するとも知らずについ言ってしまった。なんでもしますと。
「まあ確かにどいつを罰しようがそんなに変わりはない。自分から来たいっていう子は大歓迎だ。今のこいつ嫌がってるみたいだし。お前が代わりに来たらこいつはもうほっといてやる。」
あれ...私は何を...この時私は気が付いた自分の発した言葉の重さを。
「でも今日はもういいや。楽しいことはゆっくり時間をかけて楽しまないともったいないし。本番は明日からだ。」
桃山さんがそう言い終えたあと不良たちは見る見るに消えていった。私どうなるの?でもとりあえず九鬼さんの手当をしないと。まずは九鬼さんの家に行こう。
「あの、皆さん九鬼さんがすごい怪我したので家に連れて帰ります。」
九鬼さんの仲間には大丈夫かと声をかけられた。仲間にはこっちの話が聞こえてなかったみたいだ。早速九鬼さんの家に手当しに行こ。鍵は...あった。明日どうなるかわからないしすごく怖い。自分のしたことがあってるかも分からない。でも少し安心したことがある。九鬼さんはもう大丈夫だということ。