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64話 人生は本当にギャンブルの連続なんですよ

「なるほど。魔力調整の訓練をしたいと」

「はいっ」

「……お嬢ちゃん、本当にここがどこかわかってるのかい」

「もちろんですとも。あと私こう見えて長命種なので見た目より年寄りです」

「……年寄りなのに今更訓練?」

「……人生いろいろあるのですよ」


 私は今噂の花街にやってきている。一人で。

 みんなは訓練中、ザギルは外出中。ザギルが城にいる時は感知されちゃうからね!

 読みたい資料があるから資料室にこもると宣言して、窓から脱出してきた。初めての一人城下。


 下調べはばっちり。といっても騎士も研究所員も教えてくれないので、厨房マダムや他の文官にさりげなく聞いたり資料なんかで調べた。そしてこの店が花街で一番のお店であり、軍も訓練でよく使うと聞いている。たどり着くのにちょっと迷った。


 考えたわけです。

 花街は男性が使うものというのは固定観念にすぎないのではと。別に客が女でもよいのではと。


 絶対反対されるというか馬鹿にされた挙句却下に決まってるからこっそり抜け出してきた。

 ショートマントのフードをかぶって、あやめさんデザインの服は目立つのでシンプルなワンピース。目立ちそうにない服装を厨房のマダムたちにリサーチもした。


 店構えは洒落た高級宿屋といった感じで、内装だってエレガントだし、受付? フロント? の男性も見た目上品だ。私が訓練したいと申し出るまでは高級ホテルの支配人みたいだった。高級ホテル泊まったことないけど。今はなんでかわからないがやたら砕けて親身な雰囲気である。まだ日も高いし客も他に見当たらないから暇なのかも。

 カウンターに顔までしか出ない私を、屈んで覗き込むように乗り出して聞いてくれている。


「そりゃあね、あまりおおっぴらにはしていないけどお国の人がこちらをそういう目的で利用することはある。というか、それ知ってるってことはそこそこいいところのお嬢さんだろ?」


 その理屈は知らないけど、まあ、確かに軍の経費で花街を訓練として使うというのはあまり公言もしにくそうだし、その反面、貴族なら知っていてもおかしくないだろうから、無言で当然でしょって顔をしておく。


「……お嬢ちゃんが長命種で見た目より年いってるってんなら、なんで女用の店にいかないんだい?」


 ……んんっ!?


「おんなようのみせ」

「……ここは女が花だ。男が花の店だよ。まあ、女用の女が花の店もあるがね」

「ほ、ほほぉ……」


 盲点。和葉は盲点を突かれた。そうね? 客層別に店がそれぞれあってもいいよね?


「どうする?」

「えっと……ここと同じくらい訓練できるお店ありますか?」

「……訓練目的の女客ってのはそもそもほとんど聞かないんでね」

「……それじゃダメです。したいのは訓練なんです。教えてくれる人じゃないと」

「うーん……いいとこのお嬢ちゃんではあるんだろうけど、この店高いよ?」

「お金はあります!」


 でんっとお金をつめた巾着をカウンターにおいて、一度はやってみたかった「金ならある!」をできて少しうれしい。というか、なんでまだお嬢ちゃんなんだ。長命種だっていってるのに。設定聞いてよちゃんと。せっかく考えてきたんだから。


「……駄目ですか?」


 エルネス直伝の笑顔! どうだ! 

 ここが駄目ならさっさと別の候補の店にいかなきゃ。脱走したのばれてしまう。


「……本当に長命種で成人してるなら、うちで働くってのはどうだい?」

「教えてもらうのにお金ももらうのは筋が違うのでは」

「そこかい」

「まあ、教えられる客もそういねぇしな」

「ですよ、ね……?」


 後ろの高いところから聞き慣れた声がして、カウンターにへばりついてた私に影が落ちる。

 伸びてきた手が、カウンターにおいた巾着袋の中をあらためている。


「……」

「ほお……まあた随分持ち出してきたな? おい?」

「引き留めはこんなもんでよかったかね?」

「ああ、ご苦労さん。あと今後ないとは思うが、もしこの馬鹿が一人でふらついてるの見たら連絡くれ」


 巾着から金貨一枚をとりだして、フロントの男性にカウンターを滑らせて渡すザギル。

 そぉっと横歩きで腕の下をくぐってダッシュしようとした瞬間に、胴に腕が回って抱き上げられた。そのついでに軽く唇をついばまれる。


「いい子だがあんたの好みとしては意外だね」

「飽きなくてな」

「確かに飽きなさそうだ」


 苦笑するフロントに見送られて子ども抱っこのまま店を出るザギルは、別に怒ってるような顔ではないけども。


「なんで」

「花街でも取引してるっつったろ。よーく知った魔力が店に入ってきてな? フロントで引き留めておけって連絡したわけだ」

「感知は普段切ってるって」


 城でだって私から離れるときしか使ってないって言ってた。魔力無駄に消費するからって。


「城下でもはっとく時はあんだよ。ったりめぇじゃねぇか」


 つまりそのたまたま感知を張ってた時に、私がわざわざザギルのいる店に踏み込んだのか。

 道理であのフロント、急に親し気になった。ザギルの連絡受けたからだ。


「……なんたる不運」

「さすがにこんだけぞろぞろと近衛引き連れてりゃ、張ってなくても気づくわ」

「え」

「城壁越えるときに見つかってたんじゃねぇか。店入ってきた時にはもう囲まれてたぞ」

「それはつまり」

「城にはとっくにばれてるな。ほれ、ご登場だ」


 制服ではないマントをはためかせて突進してくるザザさんの、めっちゃ怒ってる顔が通りの向こうに見えた。完璧な一人城下計画あっけなく頓挫。





「ほんとに素晴らしい行動力よね」

「……ふふっ?」

「あんた私にそれ効くわけないでしょう」


 ですよね。エルネス直伝ですしね。というか他の人にも過去効いたことほとんどないですけどね。


 エルネスの応接室には、エルネスとザザさんとザギルと私。ローテーブルには金貨のはいった巾着が鎮座している。近衛から連絡を受けたザザさんがその足で駆け付けたらしく、脱走は他の勇者陣には伝えられていない。セーフ。


「お前、まだ白金貨と銀貨の区別つかねぇのか」


 ざあっと巾着からローテーブルに吐き出される金貨と銀貨と白金貨。金庫からこれくらいあればいいかなって感じにつかみだして突っ込んだ。


「ちがいますー、足りないと困るから念のためですー」

「店の女全員買っても釣り銭用意できねぇっつの」

「……ちゃんと銀貨も金貨もあるじゃん。大丈夫だもん」

「そのへんはもう置いておいてね、ねえ、カズハ」


 エルネスがお茶を一口飲んで、コースターをもったままカップを戻す。


「アヤメがね、あの子はああいう子だからあんた知らないだろうけど、研究に打ち込むようになったきっかけはあんたなのよ」


 知らなかったけど、なんで今それ。


「攫われて城に担ぎ込まれたときにね、自分の回復魔法や知識では何もできなかったのが悔しかったんですって。あんたはバカだからまたきっと何か大けがするのに今のままじゃ助けられないって。まあ他にもいろいろあるんだけどね」

「……ついこないだ結構賢いいったくせに」


 なんだよもうツンデレなのに社交辞令か! そんなの今言われてもどうしろっていうの。


「……ユキヒロも、カズハさんは覚えてないだろうけど転機になった言葉をもらったそうですよ。ショウタもそうですね」

「―――心当たりないです」


 知らないよ。そんなの知らない。


「ユキヒロのこともショウタのことも色々聞いてはいます。アヤメのことは神官長が聞いてます。知りたいですか?」


 ……元の世界でのことだろうか。それぞれみんなエルネスやザザさんに聞いてもらってたんだな。

 そっか。幸宏さんの最初の言葉通りみんなそうしてたんだ。

 そっか。よかった。幸宏さんの言う通りだった。ちゃんとみんな救われてた。


「んっと、いや、それは二人を信じてあの子たちが話したことなんで私はいいです。充分です」

「レイは当然として、みんなカズハさんに何かしら支えてもらったという自覚があります。なのに、なぜそんなに焦るんですか。レイにそのままでいいとカズハさんが言ったんですよ?」


 そうくるかー。そうきたかー。

 困るよね。どうしていいかわからない。返す言葉もない。



 話すの? 

 なんで焦っているか。なんで時間がないと思っているか。

 日に日に身体中の痛みが増していって。

 意識が途切れる頻度が増えていって。


 礼くんが一人で眠れるようになってからは、毎晩悪夢が襲ってくるからザギルに一緒に寝てもらわなきゃ眠れなくて。

 でもその悪夢は覚えてなくってどうしたら消えるのかわかんなくて。

 多分それはあの古代遺跡でのことで、ザギルに聞いたらわかるかもしれないし糸口が見つかるかもしれない。

 だけど怖くて聞けなくて。


 もうあの時みたいに、あんな幻覚に惑わされるのなんて嫌だ。

 リゼを追いかけた時のように、ザギルを訓練で殺しかけたように、途切れた意識の狭間で自分が何をするのかわからないなんて嫌だ。

 その姿を見せたくない人たちに話すの?



 冗談じゃない。

 それくらいならこのまま北に乗り込んでモルダモーデと刺し違えてやる。

 あいつは私を狙っているんだから、国境線にでも行けば出てくるだろうし。


「……性格、なんです。魔力、いつまでも制御できないのが嫌。自分のことは全部自分で管理できるようになりたいの」


 嘘じゃない。これだって本当のこと。


「ユキヒロだってアヤメだって、魔力が安定しない間は制御できませんでした。安定しなきゃ制御なんてできないのが当たり前なんです。安定しない時に訓練してもそれは同じです」

「でも、私は安定してなくてもある程度制御はできてるって。一定の効果は出てるって。制御するために無駄遣いが多いってことは少しでも制御できてそれ減らしたら手数増えるじゃないですか」

「……戦闘に加わるかどうかはまだ保留でしょう?」


 もうやだ。身体痛い。


「でます。まだ、言ってなかっただけ」

「レイが決めたからですか。でもレイだって十三歳になってからです。時間はある」

「その前から決めてました。礼くんを待つつもりもない」


 もういやなんだ。心臓も痛い。


「……戦闘可能かどうかの判断は僕に一任されてます。今は無理です。認めません」

「訓練しもしないで決めないで!」

「手数が増えるだの程度で戦局に影響はでません!」

「それでも時間稼ぎくらいになる―――っ!」


 ザザさんに頭から押さえつけられるように言われるのがひどく嫌で、そんなザザさん見たことなかったし。だからやばいと思った時にはもう口走ってた。


「……なんですかそれ。時間稼ぎ? はあ? それ使い捨て前提ってことか?」


 言っちゃいけないことだった。この人にだけは言っちゃいけなかった。

 誰よりも部下が生き残ることに心を砕いてる人に言ってはいけないことなのを知っていたのに。


「ふざけるな。この俺がそんな前提を認めると思うのか」

「ザザ!」

「駒にすらならん。邪魔だ」


 静かな低い声はそれでもよく通って、エルネスの制止では打ち消されはしない。


 そりゃあそうだ。邪魔に決まってる。言ってはいけないことを言ったのは私だ。

 この心臓が痛いのも、身体中痛いのも、言い訳になんてならない。


「……ふっ」


 いつだって空気読まないザギルが吹き出した。さすがザギル。


「何がおかしい」

「い、いや、ふはっ、こいつ、店のカウンターに顔もでねぇのに背伸びしてぶらさがってよ、この巾着ぶん投げて金ならあるっつってんだぞ」

「も、もうちょい丁寧に言ったし。顔くらいは出てたもん」

「じ、じわじわきてな……いやぁ飽きねぇわ。考えてんだか考えてないんだかさっぱりわかんねぇ」


 はーぁ、と、またちょっと笑って少し大きめの息をついてから、ざらざらと金貨を弄びながら巾着に戻すザギルは、しれっといつも通り。


「しっかしお前、ほんっと泣かねぇな。惚れた男にここまで言われたら女は大体泣き崩れっけどな?」

「―――アウトなこと言ったのは私でしょう。仕方ない」

「怒りもしねぇときた」

「怒る筋合いじゃない」

「そこまで肝座ってんのに、なんで聞けねぇんだかな。……そんだけヘスカがくそったれだってことか」


 その名に肩がはねた。恐る恐るザギルを見上げれば、そこにはあの観察者の眼。

 いつも通り怠そうなしぐさで、ソファに座る私の前に陣取ってしゃがみ込む。

 そうだよね。あんたが気づいてないわけがない。


「どこが痛い」

「……心臓」

「ほかには?」

「全部、痛い」

「お前が何されたか、俺は知ってるのはわかってんな?」

「うん」

「聞けないのは怖いからか?」

「うん」

「だわな。俺も聞かねぇほうがいいと思ってた。程度まではわかんなかったしな」

「ていど」

「最初はな、勇者サマだし本当に後遺症なしってことも、このまま忘れて乗り切れることもあるかと思ってよ。けど、お前、どうする? 邪魔だ言われちまったし、一番心配だった坊主はもう大丈夫だろ。なんならどこへでも連れてってやんぞ」

「どこでも?」

「まあ、さすがにこの国ん中じゃ隠れなきゃなんねぇしめんどくせぇな。帝国ならなんとかなりそうだし、教国でもいいぞ。南はなぁ、勧めねぇなぁ」

「あんたは南でしか稼げないって」

「三大国に南から入り込むのが難しいんだ。おかげさまでこの国に網つくれたからな。今ならどこでも行けるし稼げる」

「―――貴様何言ってる」


 ザザさんが唸るように声を吐き出してる。


「てめぇが邪魔だ言ったんじゃねぇか。それでまだそばにいる女なんていねぇよ」

「他には? どうする?って聞いた。逃げるのの他には?」

「何されたか思い出すかだな。逃げても俺といりゃ眠れはするぞ?」

「ザギル、あんたがそれ言うなっていったんでしょうが」


 エルネスの顔色が悪い。


 ……知ってる? 二人とも知ってる? どこまで?

 首を傾げた私の聞きたいことがわかったのか、エルネスをスルーして話は切り替わる。スルー得意だもんね。

 

「お前、あのミラルダとベラは覚えてんな?」

「……うん」

「他に男いたろ。そいつらのこと覚えてるか」

「……いたのは覚えてる」

「されたことは?」

「何もされてない」

「そいつら二人のうち一人が、最初にお前を迷子と間違えて抱き上げた」

「……されてない」

「それから、廊下でお前が一人でいるときに近寄ってきて抱きついてた」

「されてない」

「そんとき駆け付けた俺と氷壁が見てる。俺ァそいつ蹴り倒した」


 ……それは覚えてる。それだった? あれはそんな記憶だった?


「ひっでぇ顔色して硬直してたお前は、直前にあったことも忘れてけろっとした顔で何もないと言いやがった。そんときはもう乱れた魔力も凪いでて、氷壁が診ても正気だった」

「そう、なんだ」


 エルネスもザザさんも何かをこらえてるような顔してる。知ってたんだ。

 目の前で起きたことを直後になかったことにするなんて、まるでリコッタさんだ。ミラルダさんだ。気づかないわけないね。


「ねえ、思いだすの、どうやるの」

「魔力交感で引き出せるはずだ。多分俺ならできる。思い出すっつっても追体験だぞ。あれがもう一度だ」

「だから止めてた?」

「俺はな。そのことがあってからは氷壁も神官長サマも判断は同じだ。それまで二人とも後遺症はないと思ってた。お前は二人の診察からがっちり隠してたよ。無意識でそれだ。本当にそれがお前の性質なんだろうなあ」

「よく気づいたね」

「俺ァ、最初からないほうがおかしいと思ってたしよ」

「そっか」


 知られたくなかったんだけどな。正気じゃないことがあるなんて知られたくなかったな。

 私が言わなかったから黙っててくれたんだ。その顔は心配を隠しててくれたんだろう。問い詰める方が楽に決まってるのに。


 隠してられるつもりになっててばかみたいだ。それが二人を苦しめてたよねきっとね。


「あいつな、お前に抱きついてたやつ、ヘスカに似てんだよ。ガキの悲鳴に執着する。それを感じ取ったんだと思うぞ」

「そなんだ」

「お前が何植えつけられたかは俺もはっきりわかんなかったんだけどよ、ヘスカはそんときの気分で違いやがったから」

「うん」

「そうだなぁ……氷壁がやるやつあんだろ。死の恐怖ってやつだ」

「うん」

「あれと同じようなもんだ。ログールで強化してな。俺の見立てじゃ生の恐怖を植えつけられてる。生きてんのが怖いんだろ? 嬉しかったり楽しかったりするたびに身体中痛ぇんだもんな」

「ああ、なるほど、それでなんだ」


 言われてみればそうだね。あの痛みはそういうことだったんだ。


「……おい、聞いてないぞそれは」

「なによそれ……そんなの」

「思いだしたらどうなるかな」

「さあな。俺はヘスカが最後まで呪いをかけた奴しかみたことねぇ。そいつらはみんな壊れた。お前はどうだろうな。途中だったし、これまで、……半年か? 持ちこたえてるしよ、乗り切れるかもしんねぇな。傷ってなぁ、どこにあるかどんなものなのかわかんねぇと治せないもんだ。思いだせば治すとっかかりができる可能性はある」

「呪い」

「ありゃあ呪いと同じだ。で、どうする?」

「逃げてもそのうち壊れるでしょ? もうぼろがでてきてんだから」

「まあ、そうだろうなぁ。でもここにいるよりかはもつんじゃねぇの」


 そうかもしれない。ここはとても居心地がよくて幸せな場所だからね。

 ここにいたいと思うほど、痛みは増すばかりだろう。


「てか、ザギル、あんたこの国の人になりたいんじゃなかったの。逃げたらなれないよ」

「面白いほうがいいしよ、お前飽きないしな。あれだ。オプション? 追加契約してやんよ」

「追加?」

「金庫の中身全部よこしな。逃げても、思いだしても、どっちにしてもお前が壊れたら俺が殺してやる」


 なにいってんだこいつ。そんなことしたらあんたも殺されるかもじゃないか。

 これでも私世界を救うはずの勇者よ? 勇者を殺したあんたをどの国も許さない。


「壊れたら暴走するかもだよ。私強いよ? 仮にも勇者ですし」

「俺なら止められるし殺せる。喰らい尽くしてやる」


 でもザギルはいつもの軽口叩く顔のままで、私が一番恐れていたことを防いでやると言ってくれる。

 うれしくて、安心して、身体中が痛くて、涙と笑いが出た。


「うん。思いだして治すほうに賭ける。後は頼んだ」

「おう、でかく賭けなきゃでかく勝てねぇやな」





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