勇者捜索
─村近くの森の中 ︰昼─
「ちっめどくせー」
ギルマスさんがボヤきながら捜索してると、黒いローブに身を包んだギルド職員捜索班から
「探査盤に魔術反応確認この反応は隠蔽魔術だと思われますが、この反応を見る限り解呪には1時間はかかるかと…ギルマスどうします?」
「あーシャーねーだろ 班を2つに分ける。ロイ率いる1班は探索盤の反応を参考に解呪陣の構築並びに隠蔽魔術の解呪。レー率いる2班は村に戻って昼食の準備といつでも出れるように馬車の準備をしといてくれ、俺はそこら辺ぶらっとしとくは〜」
「「了解」」
ギルマスのその言葉に愚痴一つ言わずに作業に取り掛かるのだった。
─村に繋がる道─
ぶらっとしとくは〜と言ったギルマスだが
「やっぱ変だ」
魔術を行使したあとの空気中の魔力が安定しすぎてる。どんなに制御がうまいやつでも流石に魔術を使えば空気中の魔力は乱れるもんだぞ
(まぁ普通なら乱れなんて気づけるレベルではないのだが)
唯一例外があるとしたらそれは、勇者や聖女の力だが、余り知られていないがもう一つだけいる…魔王
そして勇者と敵対するのは魔王
これではまるで…なぁ嬢ちゃんあんたは、なにもんだ
本当にあいつらの言っていたことは本当なのか…だとしたら嬢ちゃんは──
◆◇◆◇◆◇
─ギルド︰昨日の夜─
「あ、マスターさ─」
勇者が魔物を引き連れただと、ふざけるなよクソが
と心の中で愚痴ると同時に反射的に手が壁を殴りつける
「ひっ」
「うん? あ、すまんナヤヤ」
薄桃色の髪色を持つ見た目は小学生なドワーフの女性職員の頭上、正確には頭の上にあったケーキの入った箱がギルマスの拳によって見事に潰されていた。
「あ、あのおはなしががおわると…ひぐ、おもって…ぐす、ケーキを…ケーキ…を…」
このあと赤く目を腫らしたナヤヤを膝上に乗せた、潰れたケーキを食べているギルマスを見たと言う噂が流れたのは言うまでもない。
戻って現在
「てっちがーう。これじゃねえーー」
周囲にギルマスの叫びが響く
残念ながら周囲には誰もいなかったが
あ〜えーと、ケーキを食べ終わったあとナヤヤと今度食事する約束をして、書類仕事を片付けて酒場に行こうとして、聖桜教会の総本山ルズエット大聖国から緊急通信があって
「そうこれだ」
─夜︰通信─
「それは本当なのですか?」
「残念ながら本当だ。魔王は蘇り勇者は討たれた。事実そなたの地にいる勇者の聖鏡の1枚が割れ黒く染まってしまった」
黒く染まるのは魔王に殺された時だけ
ルズエット大聖国が嘘をついている? なぜ理由がない、なら本当に?
「3日後全ギルドに転移門を開き緊急召集を行う。それまでに出みる限りの情報を集めよ。」
そして3日後、聖桜教会の総本山ルズエット大聖国に全ギルドマスターが集う。
聖鏡
勇者または聖女になった時に特殊な鏡に魔力を込めたもの
それは聖桜教会の総本山ルズエット大聖国の教会の地下大広間にある魔道具・星図と呼ばれている床一面にある大きな大陸地図の場所に浮かべられる。
これにより勇者と聖女の居場所と鏡の染まり方により死因を常に知ることが出来る。