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狸寝入り

赤く燃え上がる薪が照らすその場所には4つの影があった。


「.....というわけだ」


キバが誰かと話してる?


「なるほどねーそんなコユキちゃんは新米魔王ちゃんな訳かー」


この声誰だろう?


「いまさらだが、そんな事を私たちに話してしまってよかったのか? 魔王とは人類の共通認識で言うと、絶対悪で殺し尽くすべき敵だ。殺せば一生遊んで暮らせる金に地位に名誉すべてが手に入る。もし私達が欲に目が眩んでその子を…コユキ君を殺していたらどうするんだ?」


キバは小馬鹿にするように笑うと

「ご忠告どうも、しかしそれは要らぬ心配だな」


「なにさ〜せっかく心配してあげてるのにー」


「要らぬ心配だと言っているんだ。貴様たちなぞ息をするように殺せるは」


アカネはゆらりと立ち上がると

「言ってくれるじゃない、この先日に冒険者rankがBrankになった白き庭(ホワイ・トガーデン)を舐めるんじゃないわよ!」

「アカネ」

「なによシロハ止めないでよ」

「アカネ」

「だから止めたって…む……」

「アカネ、いい子だから、ね」

アカネにはシロハの後ろに今にも鎌を振りおろそうとする死神が見えたそうな

「…はい」


「すまないアカネはまだまだお子様なもんで」

「気にするな、こちらも気にしていない」

「ふふ…そうか、それは助かる、でっ早速本題に移ろうと思うんだがいいかな?」


「あぁ、かまわん」

「では、まず改めて感謝をおかげで助かった。そしてこれからの事だが、貴方としてはコユキくんにこの世界で生きる術を覚えてもらいたいという事で良いのかな」

「うむ、相違ない」

「なら、そこで提案なのだが、ホワイト・ガーデンに入らないか?」


こうしてコユキの意思とは関係なしに話が進んでいくのだった。


(起きるタイミング逃しちゃったよ.....あーでもキバくんあったかいし いいや〜ムニャムニャ)


◆◇◆◇


黒髪の男性のシロハさんと赤髪の女性のアカネさんといっしょに行動することになったみたいですまる


「コユキちゃん喉とかかわいていないかい? 良かったら水飲むかな?」


「あのその…おかまいなく…」

「何かあったらちゃんと言うんだよ」

「あ、はい」


ちなみに、今はシロハさん達が呼んであった馬車に乗っています。


そしていくらか時間が立ち冒険者ギルドに着いた時にことは起こったです。


「ここがサカナの街の冒険者ギルドよ〜」

そうアカネさんが言うのと同時に、片腕を失ったおじさんが吹っ飛んできたのです。


「腕が腕がー」


「ギャーギャーうるせーよ」

ギルドから出てきた黒髪の少年は面倒くさそうに言いながら、おじさんへと近づくと黒い長剣でおじさんを刺し貫くのだった。


アカネさんがポツリと呟いたのを聞いてしまった。

「…勇者リク」

あれが勇者?

「なに…て、あれアカネちゃんじゃないか、元気にしてた? あ、もし良かったらこれからお茶にでもする?」

「結構です! 今から報告とか色々あるので」

「ありゃフラれちゃった。残念、じゃあ、またねアカネちゃん」



◆◇◆◇◆◇


場所は変わってギルドの奥にある別室


「黒灰…でしたか。よく生きて帰ってきてくれました。 そしてその子が保護したと書いてあった子ですか。しかも、バブルラビットとは…」

獣人のお姉さんが思いつめたように見えるのは気のせいでしょうか?


「えーと、何かまずかったのかなーなんて」

「いえ、きっとどうにかなると思います。うん大丈夫いけるぞ私!」



「──では、依頼頑張ってくださいね!」

「もっちろん! このアカネ様に任せなさい」

「はい、できる限りのことはするつもりです」

「頑張る」

「はい、皆様いってらっしゃい」



ここから始まるのは私アルル・シャーロットの戦いです。

「先輩、交魔機借ります!」

「本当にいいのね」

「はい、籠の鳥になんてさせませんから!」


そもそもバブルラビットとは、妖精や精霊種に近い獣人である。

その1例として獣人には考えられない魔力量と治癒魔法の高い適性、そして食料は綺麗な水ただそれだけである。バブルラビットにとってその他の食べ物は嗜好品なのである。

ギルド嬢のアルルがここまで気合を入れているのは、獣人にとってバブルラビットは、神の使いであるからである。

神の使い即ち御使い故にこう呼ばれる巫女と。


巫女となれば衣食住に困ることはないだろう。

通常の獣人より、より長い時を生きるバブルラビット。しかし巫女となれば一生村や街から出ることは許されない。

故にアルル・シャーロットはどうにかコユキが巫女にならないように、少なくとも自由に生きれる時間を増やそうと意気込むのだが…

「いいよ」

予想に反して交魔機から帰ってきた返事は呆気ないものだった

「へ?」


「えーとだからいいよ。 巫女にならなくても」

「えーとあのええっとそのはい?」


今にも倒れてしまいそうなほどアルルの頭の中は疑問でいっぱいだった。


「うん? あ、もしかして王が代替わりしたの知らない? いやー確かにさ前王の時代まではバブルラビットは生まれた時から巫女になる事が義務付けられてたよ。 でも今代の王はそれを無くしたんだよ〜」


「へぇ〜」

あまりの肩透かしにアルルはすっかり気が抜けていた

「そんな事よりそっちに迎えの馬車をだすね。3日後には着くと思うからよろしく〜」

「は〜」

「うん、じゃ、よろしくぅ〜じゃあね」

こうしてアルルが持ってる交魔機からは通信が切れた音だけがポーンポーンと木霊するのだった。



◆◇◆◇◆◇


「今回は依頼を受けて頂き誠にありがとうございます。村を代表して感謝を」

そう言って村長は頭を深々と下げていく


「いえ、これが私たちの仕事なので」


シロハは村長さんの手をとると甘いマスクで村長に言う


「私達が必ずや皆様を街まで送り届けましょう」

村長(お爺さん)はほんのり頬を赤く染め、ありがとうありがとうと繰り返すのだった。




コユキ達は、馬車に荷物を積み終わるのを待ちながら周囲の警戒と村の中を散歩していた。


まぁ、その間に村の英雄さんのお墓を見つけたり、その近くに、手を振ってくる背後が透けて見える右目に眼帯を付けてるオジサマに会ったり。猫とニャンニャンしてる男の人を見てしまったり、デブっとしたおっさん天使を見つけてしまったと思ったら悪魔の格好をした可愛い女の子を追いかけ回してたりと、なんだか色々疲れたな〜と思いつつ今日も平和だなーと思うコユキだった。

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