百合は無邪気なサンタの女王
「え……? サンタ信じてんの? ユッコ、高校生にもなってまだサンタ信じてるの!?」
「なんでー? 信じるも何も、だって毎年プレゼントくれるんだもん。サンタさんは絶対にいるよー」
「マジか。アホだとは思ってたが、まさかユッコの頭がこんなにフラワーガーデンだったとは…」
「シーちゃんさっきから酷いよ! だったらー、逆に何でサンタさんが居ないって言えるの?」
「それはサンタの正体がユッコのパパさんだからだよ」
「あはは、まっさかー」
「いやよく考えてみなよ? そもそもが見ず知らずのオッサンにプレゼントなんか貰っても怖いだろ? 代わりにエロいこと要求されても文句言えないよ? それが平気ってことはユッコも心の何処かではサンタは親父さんだって分かってるからじゃないのかい?」
「そんなことないよー。サンタさんなら例え起きた時に会っても私は全幅の信頼を元にプレゼントなる物を受け取るよー」
「おうおうおう吐いたツバ呑まんとけよ。そんじゃあいっちょシミュレーションしてみようじゃん?」
「望むところだねー」
「はい、じゃあ今はクリスマスの夜。ひと呼んでホーリーナイト。サンタのアタイはユッコ宅の呼び鈴を鳴らします」
「こんな夜中にどなたですかー?」
「はいよ。アタイはサンタです。外は冷えるんでちょっくら家に入れて下さい」
「どうぞいらっしゃーい」
「警戒心ゼロかよ!! ばかっ!!」
「痛っ! サンタさんがチョップした!?」
「乙女がほいほい知らない人間を家に上げるんじゃありません!
まあいいわ。実は私、あなたにプレゼントを持ってきたの」
「わぁい! さすがサンタさん略してさすンガさんー!」
「んぉっと! これは困ったなあ。これは困ったぞお。プレゼントをあげたいのに靴下が無いじゃないか」
「ズガビーン!? ししししまったぁー!! どどどどうすれば……そうか! 私が履いてるこの靴下で…!」
「残念ながら、そんなソックスではプレゼントは入りきらないよ」
「そうなんだ……。うん?
なんでシーちゃん私の靴下鞄に仕舞った?」
「おおっとぉー!!? ドーシタお嬢さんこんな寒い夜に裸足じゃないか! だがしかぁし! ああっとこんな所にコンビニで買ってきた黒パンストがたまたま! そう、たまたまあったから履きなさい!」
「えええー……。んまあ、せっかくだから履かせてもらうよー」
「ハア…ハアハア…ハアハア…! いいよスゴくいいよ70デニールの黒パンストがユッコに良く似合ってるよッ!」
「そ、それでプレゼントは……?」
「ふふふ。そうだね。じゃあプレゼントに……お前の黒パンスト脚に練乳を塗りたくってやるぜぁぁあーー!!!」
「いやあああああああ!!?!」
「ウーキャキャキャキャキャ!! そーれそれ! 練乳を塗りたくった後には綺麗に舐めとってあげるよォー!!
嫌だったら助けを呼べよォ? ユッコが信じてるサンタさんに助けてって言ってみろよォーー?!!」
「やだやだやだ!! 助けて! 助けてサンタさぁーッん!!!」
「レーロレロレロレロ…! うひょぉぉおー甘露甘露ぉぉおー!!」
「助けてサンタさん!! サンタさんサンタさんサンタさんサンタさんサンタさんサンタさ………」
30分後
「その……、えっと、つい、な? うん。ごめんユッコ……」
「……サンタなんて、居なかったよ………」
メリークリスマス