表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
波間  作者: こここ
3/4

3

碧からの返信が届かない。

柾と尚は顔を見合わせて首を傾げた。

朝食を取りながら今日の予定を立て、碧の携帯端末へ連絡を送った。

すぐ返信を送ってくれる碧だが、今日に限って返ってこない。

「行ってみる?」

家に向かう提案を尚は頷いて受け入れた。

碧は市内にある自宅から学校へ通っている。

柾たちの学年では自転車通学が禁止されている為、碧は徒歩で通学している。

バスは人が多くて嫌なのだという。

二人も家に遊びに行く時は歩いて行く。

公園を横切り住宅地を通り抜け、川沿いに出た。

暫く歩くと、川に小さな橋が架かっている。

その橋を渡った先は、左右をコンクリート塀で挟まれた道になる。

塀の高さは柾や尚が手を伸ばしても、天辺には届かない。

ここを通る度に、この塀の向こうには何があるのか不思議だった。

尚に「この向こうって、どうなっているんだろうな」と何気無しに言ってみた。

隣に並ぶ少年も知らないだろうと、当然のように思っていた。

ところが「水門があった」と予想外の答えが返ってきた。

「何で知ってる!」

驚いて尚の肩を掴む。

「前に碧と脚立を持ってきて上がった」

「えー・・・」

誘われなかった不満がありありと顔に出る。

「だってお前、その時いなかったから」

少しも悪いと思っていない口振りだ。

「ひどいやつらだ」

「また来ればいいさ」

くすんだ鼠色のコンクリート塀の天辺へ、口を曲げた柾が目をやると、灰色の上空に鳥の黒い影が旋回しているのが見えた。

「つまんねーの」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ