土砂降りの海水浴
海水浴にはいきません!
こちらもお待たせいたしました!
そして迎えた木曜日、天気は相変わらず雨で、海は波もたって大荒れだった。
今はゲームセンターにいる。
「あーあー! 海で泳ぎたかったなー!」
「天気に文句言ってもしょうがないんじゃない?」
「そうだけどさぁ……」
「それに、ゲーセンも楽しいよ? 最近入荷されたゲームとか」
「私はお外で遊びたかったのー!」
「じゃあいったら?」
「雨降ってるよ!」
「じゃあしょうがない」
今日は私の給料日で、本当なら明と海に遊びにいくはずだった。
しかし冒頭でもいったように今は雨が降っており、第2候補であったゲーセンにきている。
やはり明は不満なのか、自販機の前のベンチに座ったままぶすっとしていた。
「西城~……。 市民プールいこーよー」
「どんだけ泳ぎたいの?」
「こんくらい!」
そういって明は手をブンブン振り回す。
「わかったわかったから、手止めて」
私は明の隣に座る。
「明は私と一緒ってだけじゃだめ?」
「だめじゃないけど、なんか……」
「なんか?」
「せっかく西城と一緒にいるのに、せっかく海で遊ぼーっていってたのに、結果いつもと同じく遊んでるだけじゃん。 なんかそれが嫌だ」
「つまりいつもと違うことしたいの?」
「うん」
「わかった。 じゃあこっちきて」
そして私は明の手をとって今まで避けていたゲーセンの一角に向かう。
普段ならチャラチャラしてる人がいっぱいのそこは、やはり雨だけあって誰もいなかった。
しめしめ。 これはできる。
「なになに、西城」
「いまから一緒にプリクラとろーよ」
「プリクラ?」
「そ」
「なんで?」
「だって、私たち一緒にプリクラなんて撮ったことないじゃん? これ撮ったらいつもと違うことしてることにならないかな?」
まあ一緒にもなにも、私は初めてなんだけど。
「なるほど! いいねそれ! 私プリクラ初めてだよ!」
それまでしょんぼりしていた明に明るい声が戻る。
よし。 作戦成功。
「よし、撮ろー!」
その四角い箱の中にはいると、400円と書いてある小銭口を見つける。
私はそこに400円をいれる。
すると、知らない女の人の声が聞こえ、プリクラのことを説明しはじめる。
そして、ついに撮影が始まった。
最初の一枚、二枚は呆然と立ち尽くしてしまい、三枚目でようやくポーズを決めることができた。
そして、最後の四枚目の撮影で、私は明のほっぺにキスをする。
「チュッ」
「!!?」
『これで撮影は終了! 次はデコレーション!……』
「さ、西城! そういう不意打ちやめてよ! ドキドキしちゃうじゃん!」
「明がいったんじゃん。 いつもと違うことがいいって」
「そうだけど! キスは結構してるはずじゃん!」
「でも、これ写真撮られてるから、違うんじゃない?」
「うう~……」
顔が真っ赤な明を引っ張り、外にでる。
「ほら、なんかデコレーション? しよ?」
「う、うん」
そうして私たちは、初めてプリクラを撮り、そして初めてのチュープリを撮った。
最後、出てきた写真に写っているキスシーンには、赤い字でloveと書いてあって、それは私の口を隠していた。
たまたま読んでいただいたのであればありがとうございます!!




