ゲームセンターが好きな理由
転校してから数週間がたって、西城さんともかなり仲良くなったと思う。
「おはよう!さ…西城!」
「おはよ、明」
体育倉庫で授業をサボったときに、お互いにさん付けはやめるようにした。
「明、ちょっと」
そう言って西城は私のことを呼ぶ。
「どうしたの?」
「耳かして」
顔を西城の口元まで持っていく。
「今日の放課後、どっか遊びに行かない?」
「え?いいけど」
なんで小声?
でも、その答えはすぐに出た。
放課後、私には関係が無かったが、今日の放課後に大半の生徒はあれをするのであった。
文化祭の準備。
そして西城は、文化祭実行委員会という重大な役だった。
それを知らない私は放課後、当然のように西城と町に行ってしまったのだ。
「どこいくの?」
私がそう聞くと、西城は考え無しに答える。いや、答えが決まっていたのかな。
「ゲームセンター?」
?をつけるということは前者の方かも知れない。
「ゲームセンターか。初めていくかな」
「え?そうなの?」
「うん」
なんせ転校が多いから。
「じゃ、なおさら行かなきゃね」
そうして、私の思いでの場所がひとつできたのであった。
次回は水着買いにいきます。
なんか、こう、交互に過去編と今編をやっていきたいと思います。たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。




