あれやろうよ!あれ!
人前で水着を脱ぎ捨てようとしたことをさておいて。
私と明はプールにむかった。
学校と同じ25メートルプールと、そのとなりに温水プール、子供用プールがあった。
そして屋外には流れるプールもあった。
「結構広いんだね」
「そうだね、っていつまで隠しているの!」
私は明の肌を皆に見せないようにタオルで明を覆っていた。
「だって、明のそういうとこ…見たくないし」
顔が赤くなっているのは自分でもわかった。
「そういうとこってなにさ!それにその顔やめて!私も恥ずかしくなるから!」
プールに入ると、気温との差に鳥肌がたつ。
「結構冷たいね」
「うん」
すぐに出て、温水プールに向かった。
すぐとなりが子供用プールなので、親御さんたちが入っている人のほとんどだった。
足を入れると、そのまま太ももまで、そして腰、胸ときて肩まで浸かる。
プールはそんなに深くないので、底のほうにお尻をついて座るような形になった。
「温かいね」
「うん」
というか、ぬるい。
「西城。今度海いこっか」
「!?」
ここ以上に人がいるのに、明の肌が…!
「そして提案なんだけど、水着買いにいかない?西城の」
「私の?」
私も明みたいな水着着るの?
「そんな格好恥ずかしいよ…」
「私の格好が恥ずかしいですかそうですか」
明が怒った。どうして?
「明?」
「ふんだ!明さんは恥ずかしい格好してますよーだ!西城さんに恥ずかしい思いをさせてますよーだ!ふんふん!」
あー、そういう意味になるよね。うん。
「ごめん、そうじゃくて、明が着るのは可愛いんだよ?私が似合わないだけで」
「嘘だ!西城のほう可愛いのに!」
…恥ずかしいことを言われた。
それからプールサイドから足だけ入れて、話を続ける。
「じゃ、明日いこっか」
「明日ね、わかった」
水着は買うことになった。
なんでも、明がお揃いの水着を着たいらしく、私はそれを受け入れた。
「海に行くのはそれからだね」
「うん」
やっぱりおへそ出すのかな?お腹冷えない?
「海に行くなら練習しないといけないことがあります」
「泳ぐこと?」
「違います!正解は、『あはは~まて~』『捕まえてみなさ~い』です!」
よくカップルが浜辺でやるあれだ。
捕まえたら好きにしていいみたいな。
「やってみるか」
明が立ち上がる。
私も立ち上がると、明が走っていく。本気で。
「ちょっ!明!?」
「捕まえてみなさーい!はっはっはっ!」
全力で追ってみる。
「ちょっとまって!」
「ほらほらー!砂浜はもっと足とられるよ!」
「ピーッ!!」
笛のが勢いよく吹かれた。
「君たち!プールで走らない!」
そのあと散々怒られて、私たちは帰ることになった。
「起こられたね」
「怒られちゃったね」
監視員さんには悪いことをした思ったけど、私たちの頭にはもう海のことしかなかった。
次は水着買いに行くか過去編かのどっちかです。
たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。




