よくよく考えれば
明と町に行くのはいつも通りなのだけど、デートと言われればそんないつも通りもかなり気分があがった。
「どこ行くの?」
「ん…そーだなぁ。釣り堀は?」
「デートで釣り?」
「え?ダメ?」
「うーん、無しっちゃ無しかな。」
「ぐぬぬ~。」
そう会話を続けていると、なんとなーく歩くことになった。
「そーいえば、なんで釣り堀はダメなの?」
「いやいや、あの人気分屋だから、急に店閉めてどっか行くんだよね。そして今日がそれ。」
「あー。」
なるほど、と納得出来てしまった。
さてと、行き先はないがデートは始まったのだから、しっかり明をエスコートしなくちゃ。
「とりあえず、どこ行きたい?」
「うーむ、ならなら!climbといきましょーぜ!」
「山登るには時間がないよ。装備もないし。」
私が持っているのはお弁当のみ。
「それなら!私ん家!」
「デートの意味とは?」
「なら、西城ん家!」
「はあ。」
結局、どこに行ったわけでもなく、公園のベンチに私と明は座っていた。
持ってきたお弁当を食べながら、明が突然。
「ちゅっ。」
「!?」
キスをしてきた。
「な、なに!?どうしたの!」
唐突の出来事に慌てる私に片手をあげる明が。
「ごめんちゃい。ほっぺにご飯ついてたから。」
なんて言ってくる。
「お口にキスをしたのに、ほっぺのご飯が取れるんですか!」
「取れます!」
「化け物か!」
「あなたを愛する一途な化け物です!」
今日はいつもと逆の立ち位置になっていたことに気づいた私は、冷静を取り戻そうと深呼吸をした。すると。
「ふむふむ、私よりおっきい。」
「な、何してるの!?」
「西城はまだまだ成長期だね!」
「いいから!手離して!」
「ほら!ここがいんだろ?ほらほら!」
「や、やめてー!」
起きた。夢オチとか…。
でも、あんなこと明にされるのが、私の夢なのだとしたら、絶対に正夢にしたくはないと思った。
後日、明に一部分を隠してこのことを話したら。
「じゃ、今度デート行こーよ!町から出てさ!んー、ボーリング場とか!」
と、言い出してきたので、断るという選択肢が消えた答えを出す。
「じゃ、来週の土曜日ね。」
と、いうことでボーリング場に行きたいと思います。(女の子二人が)
たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。




