私が私である理由
書けるはずもないのにまた百合小説を書きました。
音がすれば、こんなの簡単にわかっていた。
けどそいつは音もなく、まるで猫のように近寄ってきた。
「だーれだ?」
「わぁっ!?もう!明おどかさないでくれる!?」
「気付かないやつが悪いんだよ。ねえ西城!今日も遊んでく?」
「別にいいけど、どこいくの?」
「うーん、ゲームセンターはちょっちあきちってん。」
「また出てるよ。明語。」
「うるっちんぐ。そーだ!今日は家においでよ!」
「うん、いいよ。」
そうして私、西城一花は、親友の上條明の家へと行くことになったのだ。
明の家は学校から近いのでゲームセンターとかよりは早く着いた。
「今日はなにするの?」
私は何気なくそう聞くと、明は答えた。
「西城、ちゅー。」
さっきの撤回、答えてくれはしなかった。
そのまま明に押し倒される形で私たちは横になった。
「ちょ、明、重い!」
「西城がいけないんだよ?私をこんな気持ちにさせるから、、、。はぁ、、、はぁ、、、。可愛いよぉ、西城。ってい!?」
「いいかげんにせい。」
私のチョップをおでこから頭部にかけくらった明は私の上から横に転がる。
「西城は相変わらずの馬鹿力だねぇ。」
「明は相変わらず急に襲ってくるよね。」
正直、心臓に悪い。こんな可愛い子が襲ってくるなんて、夢みたい。
「でも、もしだけど、キスしたいなら、その、してみたい、かな?」
「本当!?やった!西城に私の初めてあげちゃうよ!」
そう言って明は着けていたマフラーを取り、ブレザーとリボンを脱いでから今度は馬乗りになるように上に乗った。
「あれ?なんか、軽い。」
「私の服は五キロはあるからね。」
「、、、。それもギャグ?」
「いいから!ほら、目閉じて!」
言われるがままに目を閉じた。
そして甘い香りが鼻孔をくすぐり明の息が掛かるのがわかった。
一瞬、唇に水滴が落ちてきた。
それに驚き目を開けると、そこにはちょっとバカな絵面があった。
「やばい、興奮しすぎて鼻血が。」
「はぁ、、、。本当に明は、私の可愛い彼女なんだから。」
最後には私からしたキスによって気絶寸前まで意識が朦朧とした明と、イタズラ笑みでいっぱいの照れ臭そうな私がいました。
めでたしめでたし。
本作品は主人公は女の子で、ヒロインも女の子。
というか女子高を舞台とするので女子しかいません。
たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。