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第2話『父さんだって凄いです』

今日のなれーたーとか言うのはおれ、イアンがするぞ!

ちょっとだけ、な♪


朝はちょっと早く起きたからエルも起こしたんだ~

…え?エルじゃダメなの?エル…ラード?…おれやだ、エルはエルだもん、今更変えたくないよー!


「暇だからって俺を起こすなよな」


話ずれてたね?

…あ、最近のエルはちょっと怒りっぽい

「ごめんねー?」

って謝ってみても

「謝るなら最初からすんなよな」

…って言われるんだ

悲しくなっちゃうよね…エルなんか嫌い


「で?」

「?なに?」

いきなり俺の方見てきたから首を傾げる

なにが「で?」なんだろ?

「遊びたいんじゃねぇの?」

少し笑ったような声がしてエルの方を見たらほんとにエルが少しだけ笑ってた!もしかして遊んでくれるの!?

「エル好きー!」

嬉しくて抱きついた、エルにくっつくの好きだよ!だってエルこうやるとねー

「はいはい」

って言いながら抱きしめかえしてくれるんだ!

こういう時は優しいなぁ…





ラブラブ全開のお父様はここまでですよー

そこーがっかりしてないでー


アイちゃんも頑張ってるんだからやめなさいー


それで朝から抱きついているおふたりですが、中々愛が深いです

難しい話はしないけど、昔からの仲とはこの事ってやつだね


「エルー外いこー!」

抱きついたまま話しかけてるイアンの目はキラキラと輝いていた

これは逃げられないと悟ったエルラードは寒いの嫌いなんだよな…などと言いながら外に出た


やはり風が痛い、皮膚を刺すような風

このままいられなくてエルラードはどうにか寒さを和らげた


「エルはなんで寒いの嫌いなの?」

「んー?雪国出身じゃないからとかじゃね」


イアンの純粋な質問にてきとうに言ってしまうのは癖のような物だった

『自分の身体が生きたものではない』

受け入れたつもりでもそれを口にするのは気が引けてしまう

寒い所に長くいると身体が凍るような感覚になる

何も考えないで外にいたら体が凍っていたことがあった

その日からというもの、特に寒いわけではないけど寒い寒いと言うようになった


…これが本当の理由なんだけどエルラードはそれを口にしたことはほとんどないってゆーか私が見た限りは無い

イアンには言ってても可笑しくないのだがそれ以前にエルラードの身体が既に死んでいるものだという事を理解出来ていないので説明する気が失せている


でもイアンはなんとなく分かってるのか不意に寂しそうな顔をする、そして抱きつく


「こうすればあったかいよ!」

精一杯の温もりをあげたいからぎゅっと抱きつく

「あーほんとだ」

そうすれば苦笑しながらもエルラードはイアンの頭を撫でる

抱きつかれてる所から熱が伝わって心地良い

少しでも離れればこの温もりは消えてしまう

そんな事を考えていたらいつの間にか抱きしめ返していた


寒い寒い朝、いつもなら外なんて…と思うけど

たまにならいいかもな…



「…あ!もっと熱くなれるのある!」

「…戦うとかいうなよ?」


顔を上げてこちらを見る目はとても輝いていた

だから戦わせられるのかと思ったのだがどうやら違ったらしい


「【自主規制】シよ!!」


澄んだ瞳でそんなことを言われました

思わずわかったとかいいそうになったけど流石にダメなのでどうにかイアンを正気に戻しました


「なにしてるのー?」

「取りあえず黙ってろ」

「えー!?」


驚いたように目を開くイアン、えーじゃないでしょ…

お父さんだもん【自主規制】くらい言えるもん

とか、ぼそっといいそう


…父さん凄いね…


一部始終を見ていた私は家に戻ってそっとチトセ君を起こした


この後、ファザコンにより正義の鉄槌が下された、というかただエルラードをぶん殴っただけなんですけどね

「理不尽!!」

「くたばれショタコン」

「ロリも好きです!!」

「死ね!!」


今日もイアン争奪戦が行われる

家が半壊するまでやるかエルラードの圧勝、もしくはチトセが不意打ちして勝つまで行われる


今日も騒がしいなぁ…

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