第1話『これが我が家の主夫』
「誰だ俺の服破ったの」
「おれー」
「許す」
今日も今日とていい天気(猛吹雪)
目の前で我が創造主によるいつも通りのイアンひいきを流しつつ改めてチトセの家事スキルについて説明しようと思う
まぁ、暇だからなんだけどね?
主夫の戦場は朝から始まる…!
朝は誰かに起こされたあとすぐ朝ごはんを作る
その時、調味料が切れていないかを確認
先日のマヨネーズみたいに一日で消えることもあるためこれは欠かせない
皆が朝ごはんを食べてる間に今日やるべき事、今日の昼と夜のメニューなどをすぐに決める
昼食に関してはイアンしか食べないのでイアンに聞いてから作る
ここがチトセのスキルの高さの証拠だ
あるものでどんな物も作れてしまう
因みに私はチトセくんが作ってくれるので一番好きなのはカレーかな!お子様とか言わないで?美味しいよチトセくんの作るカレー!レトルトとかじゃないからね!
まぁでもあれだね昼からそんなのでいいのかよってのは却下されてるね(結局それが夜ご飯になるんだからまじファザコン)
そういえばさすがのチトセくんも「ヨーグルト!」って言われた時は顔しかめてたね「昼飯それでいいのか…」みたいな
なんか最近ヨーグルト多いな…
そしてお昼は掃除を終わらせてそれなりに自由な時間
このお話では主にこの時間からの話をお伝えしていこうと思いまする!…ちょっとふわふわしてるのはキャラ定まってないだけなんだから許してね☆
因みに今もお昼だよ、あ、おやつの時間だ
「チトセお腹すいたぁ」
椅子に座ってテーブルに突っ伏し気の抜けた声を出しているのはイアン、どうやらお昼に食べたスパゲッティがすぐに消化されてしまったようだ、かなり量があったと思うのだが
チトセも怪訝そうにしている
「…親父、いい加減太るぞ」
「えー」
太る、という単語に敏感なのは致し方なし、イアンは知っているのだ…「老化」という言葉を
イアンの身体において太るなんてこと有り得ないのだがそれでも気になるものは気になる
因みにどう覚えているかというと
「年をとって少しでも太ったら太り続ける」
という風らしい
もう一度お伝えしよう、イアンの身体において太るなんてことは有り得ない
運動量が並ではない
おやつを諦めて今度はテーブルに頭をぐりぐりしだす「むぅ〜!」とでも言っているのだろうか、聞こえてくるのは聞き取りづらいうめき声の様なものだった
「諦めてねぇだろそれ…」
チトセがため息まじりにキッチンへと歩いた
それに気配で気づいたイアンはばっ!!と顔を上げた
それはもう満面の笑みで
これがショタか…と言った感じで…だがしかし
イアンは36歳だ。精神的なものが成長していないのはエルのせいだすべてはエルが悪い
「理不尽すぎんだろ!!」
先程まで本を読んでいたエルがいらっとして声を荒らげた
…エル表記では名前を忘れそうなのでエルラードに戻すことにしよう
「何してんのー?」
「遊んでたの」
夫婦水入らずのとこ邪魔する気は無いので自然に離脱する
すでにエルラードがいじられていた、あの一瞬でなにをされたんだ
ずっと触れてなかった赤い変態の方を見てみればチトセの邪魔をしていた
「邪魔」
冷たい目でゼオを睨むとそれでも微笑を浮かべたまま砂糖をとる
「これでしょ?」
チトセが取ろうとしていたのを取って手渡そうとすればむっとした表情になり
「その隣」
と機嫌悪い声で言う、ただの照れ隠しだと流しているゼオは
「あっれー?」
なんて呑気な声出して元の位置に戻した戻した瞬間それは消えてしまう
何があったのだろうかとチトセ方を見ようとすれば甘い香りが漂う結局自分が手に取ったものだったのかと思うとくすりと笑ってしまった
「…何笑ってんだよ」
「いやぁチトセ素直じゃないなぁと」
今の発言に腹を立てたチトセはゼオのニヤケ顔に拳めり込ませようとしたが身長的に無理だったので喉を殴った
「ぐはぁっ!!のど、のどがあああああ」
床でころごろとしているゼオに追い討ちで蹴ってやれば
「あふんっ」
なんて声がした
なるほどこれがドMか…
いつの間にか皆から冷たい目で睨まれていた
そんなのお構いなしに殴る蹴るぶん投げるを繰り返すチトセといつの間にかテンションMAXの変態はそれはそれは仲睦まじく見えたそうな…
「変に流さないで!流石にいったい!!」
「一体?ざけんなまだんなこと言う勇気あんのかよ」
「何勘違いしてんの!?」
チトセの勘違いによりさらに追い討ちをかけられる
いい加減ゼオでも危ない領域に入ってしまったと思ったのかチトセの腕を掴んだ、そのまま足をどうにか封じようとして
「あ」「うわっ!?」
転んだ
「〜っ…てめ…」
後頭部を打ったのだろうか、頭をおさえようとしているのだがゼオが腕をつかんでいて出来ない
それに気づいたゼオが思わず口角をあげる勝った!という顔をして、たしかにこうなれば優位に立つのはゼオだ
この手のことに関してチトセは抵抗らしい抵抗をした覚えがない
それが何故かと聞かれればやはり我が創造主のせいであって
軽くチトセのトラウマを教えy「しなくていいっ」
…とにかく本当に嫌いなやつ以外は抵抗をほぼしない
現に今ゼオが顔を近づけると顔を背ける程度だった
「可愛いなぁ」
「っ!」
耳に低い声がかかって肩を震わせるそれをじっと見てる保護者(仮)はいたっていつも通りだった
「昼から盛んですわね」
「そうですわね」
なんてふざけてはいるが妙にエルラードが近づいている
「俺らもする?」「やだ、おやつ」「…」
エルラードよりおやつらしい、即答されて押し黙る
※エルラードの脳内
いやいやいや、このタイミングでそれはねぇだろ
なんで俺の嫁はいつもこうなんですか
なんでこうなんですか
カワイイから許すけどな
つかさ、つかさつかさ!!!
そのおやつ作ってる人が襲われてんだよおおおおお!!?
いいじゃん少しくらいいいいい!!!
〜
あぁなんと恥ずかしいんだ我が創造主は…
そんなことしてるあいだにもゼオとチトセはいちゃついていた
「チトセって敏感だよね…」
「っ…うるせぇ…さわ…んな」
こいつらは完璧に菓子作りを忘れていた
甘い香りが菓子ではないものを思い出させる
その時
チトセが思いついたように目つきが鋭くなった
「え」「死ね!」
急に魔法陣が現れゼオを氷漬けにした
「昼から盛んな変態」
はんっと嘲笑してゼオ(氷)を蹴り飛ばす
その後キッチンを見て「あ…」と言ってからやっとお菓子作りを再開した…が時すでに遅し
「これもう不味くなるな…」
ぼそっと呟けば後ろからブーイング
「なんで!いちゃつくなら時間考えてしてよね!」
「はぁ?そんなの変態のせいだろが」
「また俺のせいなの!?」
いつの間にか復活した変態とわちゃわちゃしだす
するといつの間にかチトセが抜けている
これがいつもの日常
主夫は余計な争いなどしないのだ(`・ω・´)キリッ
作りかけの菓子をエルラードで消化させる
「これ普通に食えるけど」
食べれればなんでもいい人外がぼそっと言う
チトセはそれを聞かずに新しく作る
料理に関しての完璧主義が許さなかっただけだろう
味覚が無いに等しいエルラードに関してはもうゴミ箱同然にしか思ってないようだが
「お前声出してやるのやめてくんない!?」
「てへぺろ☆」
そんなこんなで次こそはちゃんと完成させてイアンに出すと美味しそうに食べた
その後は4時くらいにご飯を炊いて掃除して、いい時間になったら夜食を作り始める
…チトセ君が居なかったらこの規則正しい生活が崩れる…
主夫大事、とても大事
「チトセは少し休むことを覚えた方がいいよ」
「ゆっくり寝てる」
ゼオの心配気な声を跳ね返して調理器具を洗い始める
夜食の時間は7時半、はやくて6時だ
食べ物に関してはゼオとイアン(チトセがゼオの言う事を聞くことはほとんどないのでイアン優先、流石ファザコン)の空腹の割合で決まる
で、現在の時刻は7時、みんな集まってもう食べれる状態
…ここで毎日起こる喧嘩
「チトセも食べなよ」
「いやいい、腹減ってないし」
「親父の言うことが聞けないのかっ」「聞けない、反抗期だから」「エルっ!チトセが反抗期だよどうしよう!」「俺を巻き込むな」「俺もチトセと食べたい!むしろチトセを食べたい!」「死ね、お前は口を開くな」
そして、洗い物がなくなり手を拭いて椅子に座る
当然のように食事は置いてない……あ、あれ?なんか今日はいつもと違うな…
普段はもう食事は置いてあって「しゃあねぇな」とか言って結局食べるんだけどね、今日は頑固らしい
違和感に、というか結局食べないのかということにむっとしたイアンがチトセに物申そうとすると…
チトセが珍しいというか初めて見るような爽やかな表情で
「俺は美味そうに食ってくれれば充分だから」
と、今までの王様っぷりが消えたかの様な言葉を発した
イアンは(というより全員)しばし呆然としていた
こんなのチトセじゃない、全員がそう思った
と、思いきや
「そっかー!チトセは優しいな~♪今日は許す」
「ありがと」
微笑を浮かべるチトセ
何事もなかったように食べ始めるイアン
ついていけなかったのは未だ立ち直れてないエルラードとゼオだった…(因みに私、アイは見なかったことにしたよ)
今日は、なんだか…疲れたよ…
「ごちそーさまー!」
「おそまつさま」
「チトセ…なんか今日のご飯酸味が…というかなんか…んー」
「はっきり言えよ」
「何いれましたか」
「ヨーグルト」
「それで食いたく無かったのかよ!」
チトセ君ほど頭がいい人はいないと思うね!!