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始まり

爽やかな朝、心地よい風が部屋を包む

時刻は現在8時半


それを気づこうともせず未だ布団の中でぐっすり寝ていた少年は何かが近付いて来るような気配に目を覚ました


ゆっくりと紅い目が開き、それはすぐに鋭いものに変わる


気配は少年の寝ているベットのすぐ隣まで来て止まった

「あ〜起きちゃったの?」


何かをしようとしていたのだが少年が起きたことに気付いてそれをやめ、立ち止まったようだ


「…今日はお前かよ…」


普段からあまり高くない声なのだが寝起きのせいで少し掠れていつもより低く聞こえる、機嫌も悪そうだ


少年は気だるそうに起き上がり目をこする

その姿を微笑をしつつ見ている赤髪の男


しばらくそこに沈黙が流れた、特にそれは苦ではなく、片方は目の前の少年を見つめ、片方はまだ寝たいという気持ちと戦っている

不意に赤髪の男が嬉々とした表情で口を開く


「今日も可愛いね」

「死ねばいいのに、つか殺す」


殺気を孕んだ声と目つきに動じることもなく、むしろより一層嬉しそうにする男に呆れながらも少年は何をするでもなく部屋を出た













「チトセ遅い!」


リビングへと言った瞬間にそんな事を言われる

チトセ、と呼ばれた少年…チトセ・クロスティアは顔をしかめつつも「わりぃ」とだけ言ってキッチンへと足を向けた


この山小屋、物だけはしっかりしている

4人いてそれぞれに個人の部屋はあり、風呂やキッチンなどもきちんと設備されている


チトセは調理器具が揃っているキッチンで朝食を作り始めた

家事全般を任されているのはチトセだ、なので朝は早く起きなくてはならない…だがしかし、チトセは朝に弱いので毎朝毎朝誰かが起こしに行く


今日は赤髪、ゼオ・スティンフォールドが起こしに行ったらしい


ゼオはチトセをこの上なく愛しているのだがチトセはなにがあってもそれを受け入れることはない

少なくとも今の状況ならばの話だが


では、チトセが朝食を作っている間に彼らの説明をしよう



まずはチトセから


チトセ・クロスティア、16歳…で家事全般を押しつけられた少年因みに自分で家事を覚えたらしいのだがチトセの作る料理はそれを職としている者にも負けず劣らずなかなか美味しい、なのでたまに他の者が作ると大事件みたいに口に合わない(主にチトセが)

綺麗好きでもあるので散らかすと結構怒る

そして大体それをゼオに押しつける掃除なんかも好きなのだが1日に何回もするのは好まない

水色の髪と紅い目をした魔鬼である(165cm)

魔鬼というのは魔法を得意とする鬼である、運動神経というものは全くと言っていいほどない

常に冷静で無駄な戦いは好まず、鬼の中では酒に弱い方、自己再生ができる

…というのが一般的な魔鬼の特徴だ

なのだがチトセは戦鬼であるイアンの元で育てられた事もあり運動神経はあり、刀を扱うことも出来る

その剣技は大人の戦鬼には負けるが同い年の一般的な戦鬼には負けた事がないほどだ


何故チトセがイアンの元で育てられたのかという説明は後に回すとしてまだしていなかった事を説明しよう

チトセは短気である

気に食わないことに関してはすぐに手を出す

よって、朝ゼオを殴らなかったのは珍しいことこの上なかった


ただし父親代わりであるイアンには手を出したことがない

それは恩情なのかただのファザコンなのかと聞かれればきっとファザコンだからなのだr((((((((((



…次の説明をしようか


先程からチトセを見てずっと笑っている赤髪で灰色の目(180cm)をしているゼオ・スティンフォールドは22歳で現役暗殺者だ今の暮らしの家計はゼオの収入でどうにかしている、といってもかなり名のある暗殺者だからか、困ることもなくむしろあまる感じだ

種族は人間で、ならばチトセより弱いのかと問われればそうではなく、普通の魔鬼や、戦鬼一人なら戦える強さを持っている

人間で彼に勝てるものはいなく、刃物系ならなんでも扱える

幼い頃とあるギルドマスターに拾われてその人の元で暮らしていたのだが不意に見つけたチトセに一目惚れ、からの仕事放棄してチトセにくっつく


それでもまだ仕事が来るというのは彼の強さの証拠なのだが…

最近は鬼の暗殺を断るようになり、仕事数が軽く減ったらしい

父親代わりのギルドマスターには何故断っているのか理解されているため、特に何を言われるまでもなくいつも通り過ごしている


彼の性格を一言で表すとしたら変態、が正しいと思われる

そして、彼の特徴ともとれる赤い髪のおかげで「赤い変態」とよばれるようになった

そのせいか先日チトセと話している時に

「…なぁおい」「なにー?」「…お前の名前ってなんだっけ」

「」

…という感じで、ほぼ名前を呼ばれないおかげで忘れられることが多い



三人目はイアン・クロスティアだ

青髪赤目(155cm)、右目は包帯を巻いている、本人曰く「喧嘩してたらぶしゃってなった」だそうだ、何故平然としているのかと言えば痛くなかったかららしい

チトセの父親代わりを引き受けチトセに剣技を教え、運動能力を高めた本人

普段は温厚で天然、36とは思えない容姿で周りを混乱させているのだが戦鬼の中で彼に勝てるものは居ないという、【戦鬼最強】の称号を持つ男でもある

ただ、普段の様子からは強いという印象はあまり受けない、しいていうのならば

遊んでいるうちに片方が壁にめり込んでいた事があったことだろうか


この人をもっと詳しく説明するにあたって必要な人物がこの家のもう一人の住人、その名は


「おい、飯できたぞ」

「わーい!」

「空気読め!!」


今すかさずツッコミをした、エルラード・アーカイヴである


彼はこの世界、この惑星が出来たと同時に生まれた存在でどの神よりも永く在る者だ

普段はロリショタコン全開のただの変態なのだが、力は誰よりも強い、イアンを溺愛してるところを見ると結局おっさんもいける変態の中の変態、流石変態神

…まぁイアンの場合は見た目がショタだからいけないのだろう、一度エルラード、長いので略してエルが最低すぎる発言をしたことがある

イアンがショタコンに話しかけられて「俺おっさんなのになぁ?」とショタコンを消した後そう呟いたのを聞いたエルが

「お前はショタだから需要があるんだよ、誇れ」

と、返したことによりファザコンのチトセに

「死ねばいいのに。」と言われてボコられた事がある、これはエルが悪い


他に説明するのならばエルに力で勝てる者はいない、肉体的には人間なみなのだが魔力は流石というべきか、体に収まりきらないので別次元に置いておくほどある

ロリショタコンだがやはりチートはチートらしい

本気を出せば勝てるのだがイアンとチトセには勝てない、精神的な意味で

なので必然的にゼオぼっこなのだ(`・ω・´)キリッ


「なんか理不尽なこと言われてる気がする!!」

「黙って食え」


容姿だが、茶髪に黄色目(172cm)、それなりに整った顔つきをしている、だがエルの本体は『魔力の渦』なので実体はなく今は魂が体に入っている状態だ魂と言ってもエルの記憶が入った魔力なので結局生きてるわけではない

それでも生きてるのとなんら変わらないように出来るのはやはりチートだからなのだろうか(いまの身体は拾ったものだ)


こんなエルがイアンを見つけたのはイアンが当時5歳だった時

見つけて即行家に連れて帰り、ある程度の記憶を操作し、イアンを知る者全てを殺した

ここまでくるとヤンデレ

何故ここまでするのかと言う話はまた今度にしよう

今は昔からエルはイアンを好いている、ということにしておいてほしい


ややこしくなると思うがエルの説明はこれにてやめ、イアンの説明に戻る


イアンは鈍感通り抜ける感じで刺し傷があることに気づかない

何故かといえばエルが瞬時に回復しているから、タンスに小指ぶつけるとかはいつ起こるか分からないため反応が遅れ回復出来ないので殴られ蹴られなどはちゃんと痛い

だが元が強いのですぐけろっとしてやり返す


エルとはずっと昔から一緒にいるので誰よりも仲がいいが「それだけ」だ、エル好きとは言うが恋愛としてなのかはよくわからない、チトセも好き〜とか言うので違うと思われているがエルが頑なに否定している





今はこの程度だろうか……あ、そうそう私の説明もしないとね

私はAchieve、皆からはアイって呼ばれてるエルから造られた「生きる辞典」みたいなもの

この家にいるけど普段はこうやって皆の生活を外から見ることにするから、よろしくね

「おいお前…悪趣味…」

「うるさい」



今はみんなと一緒に居ながら見てるよ

声に出して音読中でした

皆はもう朝ごはんを食べ終わって食器洗ったり、それを邪魔したり、じゃれあったり

こうやってぐたぐだしながら今日も生きていきます



「あ、そういやマヨとか切れたんだけど、誰だよ一本飲んだの」

「そんな化け物居ねぇよ!」

「え!あれヨーグルトじゃなかったの!?」

「ばか太るぞ!」

「えー!運動がてら買ってくるー!」





「…あ、親父金忘れてる」

「結局俺も行くのかよ!!」



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