表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雅美の書簡  作者: 唐子
【一年目】
7/30

中島 仁千翔 (1月23日)

お正月にひと騒動あったようです。

『 仁千翔にちか


 口下手で筆不精の仁千翔がわざわざ手紙を書いてよこしたことに驚いています。茶化しているわけではありません。

 こちらから電話でも手紙でも書かなければならなかったのに……意気地なしで、ごめん。


 あなたが気にしないでくれというなら、努力します。しばらくは無理です。距離があってよかったなんて思ったの。最低だわ私。


 あの時、ぐちゃぐちゃな感情のまま、逃げてしまってごめんなさい。

 あなたの言葉、うれしかった。うれしかったのよ。でも(にじんで判読不能)

 あなたの気持ちに応えられない自分が不甲斐なくて、気づけなかった鈍さが憎たらしくて、あなたにの優しさにつけこんでいる状態が申し訳ない。いちばん一緒にいたはずなのに。気づかなくてごめん。ごめんなさい。


 幼なじみとして、仁千翔が好きよ。


 今の私に出せる誠実さは、これが精一杯です。

 きっぱりすっぱり言い切れない私を許さなくていい。忘れてもいい。

 小学校からの幼なじみの中で、いちばん一緒に過ごしたのはたぶん、仁千翔です。私も、その時間まるごと否定はしたくない。


 次に帰るまでに、普通になれるようにします。

 あなたは解りにくいけど、いつもこんな風に私を守ってくれていたのだと、今ごろ解りました。


 謝ってばかりで、ごめんなさい。これで最後にします。


 この間言いそびれていたのだけど、お花ありがとう。押し花にしてあります。

 千秋楽、観に来てくれたのも、嬉しかった。櫻井君と来たのは意外だったけど。女優として、ちょっとは成長できていた?

 女優の私をいちばん知っていて、いちばん今まで応援してくれてたのは仁千翔だと、今でもうぬぼれても、いいのよね?



   1月23日

    雅美 』


雅美さんは恋愛下手。←確定


中島 仁千翔 ・無口筆不精。・中学から演劇部/裏方(大道具・音響)・公然恐喝ストーカーたる壱織人は双子の兄。・家は村唯一の理容室。・幼馴染の中では物資調達・技術班。壱織人は計画立案班。・雅美が好きだった。←NEW!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ