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雅美の書簡  作者: 唐子
【二年目】
28/30

早川 早樹(2月17日)

『 早川 早樹 様


 こんにちは。まず謝らせてください。


 前回の手紙で、変な邪推をしてごめんなさい。


 よくよく考えての進学なんて当然なんだけど、どこかで早樹ちゃんは自己犠牲してるんじゃないかって、思い込んでたところがあります。多分これは私の罪悪感です。早樹ちゃんに全部押しつける形で出てきてしまったんじゃないかって。ごめんなさい、私の自己満足で邪推して。余計なお世話でした。


 それから、将来を見越した人生プランを教えてくれてありがとう。

 村から離れる気がないことも、たとえ一時離れても戻ってくる気があることも、現段階の早樹ちゃんの気持ちを知れて、うれしかったです。私がいつもそうされてるように、私も早樹ちゃんを応援します。



 私達も大概、故郷が好きですよね。

 以前葉市に言われて思うところがあり、いろんな感情に名前を付けて整理したのだけど。

 私、村での自分の役割が好きでした。村を出るために吐いたいろんな建前を取っ払って考えて、残ったのがそれでした。

 お役目のせいで大変だったことも嫌な目にあったこともたくさんあったけど、でも、あの立場が嫌いなわけじゃなかった。

 投げ出したくて今の職や環境を選んだんじゃない。どっちも大切で、でも、打ちこみたかったのが役者だっただけなのね。

 ただ、大変さがわかるからこそ、似たようなことをさせられそうな早樹ちゃんに申し訳なくて、罪悪感になってたんだと思う。それをぶつけて、未熟者でごめんね。精進します。



 3月1日が卒業式でしたよね?ちょっと早いけれど、ご卒業おめでとうございます。

 東京はもう春です。そちらはまだ雪が残ってるかしら?


 春休みは一回は帰省するつもりです。お正月は実質一日もいられなかったし。ちょっとはゆっくり会えるかな。お土産たくさん買ってくね。

 そだ、市内に出て買い物いきましょう!大学生になるのだから、私服増やそうよ。私も自分のセンス信用ならないから、モデルのクラスメイトに早樹ちゃんの写真みせて、いろいろアドバイスをもらってきます。彼女そういうの好きだから、きっと腕が鳴るとおもう。


 ちゃんとした帰省の日時が決まったら、電話しますね。

 それではまた。


  2月17日

   師村 雅美 』


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