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雅美の書簡  作者: 唐子
【二年目】
15/30

櫻井 善(6月12日)

『 櫻井 善 様


 だから、どうして、私の言葉をそう曲解するの?


 『踏み込むな』とは、たしかに突き放した言い方かもしれません。ですが、あなたのためを思って出た言葉なのに、どうして区別差別の話になるの。渥美や壱織人に話は聞かなかったの。私を村至上主義の差別主義者とののしる前に、仁千翔でも早樹ちゃんでも、この際花梨でも荘助でもいい。村の古い人の意見を求めて、考えをまとめてから言葉にしてください。もし全員から聞いて、それでも教えられないとしたら、それが私の独断でない村の総意です。


 あなたが私を大まけにまけて苦手、よくて嫌いなのは自覚していますが、一応和解はしましたよね?

 私はあなたと諍う気はないし、あなたも私と距離を置く。そういう不文律ができたと思っていたのですが、勘違いだったのでしょうか?


 別に、『知りたい』ということを邪魔するつもりはありません。それは櫻井君の自由です。

 ですが、踏み込む前に注意喚起が必要なことであり、私がその役割を担っているということも、理解してください。

 私がしなければ、あなたが調べ物を始める前に、壱織人や宮司様が気がついた時点で一言言っているはずの、その程度の注意のつもりだったのにどうして人非人扱いされるのわけがわからないです。あなたの中で私はどれだけ鬼女になってるの。


 どうぞ、誰ぞに村の風習について言及し、意見をまとめてから、言葉を吐いてくださることを望みます。

 さようなら。



  6月12日

   師村 雅美 』


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