普通の人間の入居希望
普通の人間の入居希望
それは初めてのことだった
「……困ったなぁ」
そう、俺は今とても困っている
なぜか?
「普通の人間の入居希望者なんて初めてだよね!」
「零央、どうする?」
「僕は別に入居させればいいと思うんだけどな」
このちびっこい少年は零央
この歌陽都アパートの副管理人だ
あぁ、自己紹介を忘れていたな
俺は歌陽都
このアパートの管理人さ
「でもよぉ、ここの住人達に慣れると思うか?」
そう、ここの住人達は普通の人間ではない
もちろん俺も、零央も
「別に大丈夫でしょ。僕ら外見は普通の人間と変わらないし?」
「俺らはな?首が無いやつとか、もはや人間の姿してない奴らもいるだろ?」
「まぁなんとかなるっしょ」
「マジかよ……」
ちなみに俺は、不老不死の人間だ
もう67年生きているが、17歳の頃から成長していない
まぁ元は普通の人間だったんだが
17歳の頃に交通事故に遭って
なぜかその時から成長が止まった
ちなみに35歳の頃にも事故に遭ったが
不思議なことに怪我ひとつ無く生きていた
それで、不老不死だと理解したんだ
「僕さ、普通の人間とも仲良くしたいな♪」
「それは俺だって同じさ。だけど……」
「だけど?」
「……いや、なんでもない」
「そっか」
「まぁ、とりあえず話だけでも聞いてみるか!」
「うん!!」
普通の人間とも仲良く……か
出来るなら仲良くなりたいさ
でも…………