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ⅰ.
大切なひと。
私の愛するたったひとり。唯一無二のひと。
漸く手に入れる、穏やかなぬくもり。
ずっとずっと欲しくて。
何度も何度も手を伸ばそうとして。
でも触れることができなくて。
何も知らなくても、何もわからなくても。
他のどのようなものよりも、心からその温かさが欲しかった。
私は歌いたい。
貴方を癒すための優しい音色。
眠りを護る静かな諧調。
心も身も焦がすような熱い旋律。
紡ぐすべてを貴方だけのために。
穏やかで、優しくて。
熱くて、甘くて。
でもほんの少し暗くて、何処までも純粋に。
私は私のすべてを、貴方に捧げましょう。




