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その獣人騎士、無自覚に私を甘やかしすぎです!  作者: 緋月 いろは
6章 ラブラブ期突入

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99.ジュリオ、愛を叫ぶ。

朝の騎士団本部。


「……じゃあ、また今夜な」

「う、うん……ライ……」


(ほっぺにキス)


ミーナの声は控えめだけど、尻尾ぶんぶんのライグルは全然隠す気がない。


「はーーーいはーーい!!朝っぱらからいちゃつかない!!!」

ジュリオは二人の横を通りすがりながら、盛大にため息をついた。


(つーか……あの二人、マジで最近距離感バグってない!?)



食堂にて。

ミーナに水を渡して、にっこり。


「水、足りてるか? 昨夜の続きは――」


「聞こえてるんだよ!!!なにが“昨夜の続き”だあああああ!!」


ジュリオ、ついにテーブルを叩く。



その日の夕方。ジュリオは一人で頭を抱えていた。


(セリアの縁談話はどうなったんだ?あれからなんの音沙汰もねえ。それに、俺、まだ……ちゃんとセリアに気持ち伝えてねぇ……)

(手も握ってねぇ……いちゃつきも、してねぇ……!)



思い浮かぶのは、ちょっと照れくさそうに笑うセリア。


時々腕を組んでくる、ふわっと甘える声。

けれど、ジュリオはまだ“決定的な一歩”を踏み出してなかった。



(……くそっ!セリアがお嫁にいっちゃうとしても...)

(最後に当たって砕けろだ!!!)



セリアは屋敷の中庭で、細かい刺繍の仕上げに集中していた。

目の前には、完成間近のハンカチ。淡いピンクに小花の模様。 



そこへ、足音が一つ。



「……セリアちゃん。ちょっといい?」



顔を上げると、ジュリオが立っていた。

騎士服は少しラフに着崩し気味。けれどその表情は真剣そのものだった。



「うん。どうかしたの?」



セリアが刺繍枠を置くと、ジュリオはそっと隣に腰を下ろした。



「この間のこと、ちゃんと言えてなかったなって思ってさ」



「この間のこと?」


「……あのクソ...バルトを殴り倒したとき、色々叫んでたろ?

 “セリアちゃんに一途”とか、“大切なんだ”とか。

 ……あれ、たぶん、全部本音なんだけどさ」



セリアは少し目を見開いたまま、黙って彼の話を聞いている。



「でも、ああいう場面で言うのって、ズルいだろ。

 だから、ちゃんとした言葉で伝えたいと思って――今」



深呼吸一つ。


「俺……セリアちゃんのことが好きだ。

 可愛いとか、気になるとか、そんなのは前からずっとだったけど。

 今回、セリアちゃんを攫われて、(殺されかけたって知ったとき――)俺の心臓が冷たくなった。死ぬほど怖かった」



俺は、ぎゅっと拳を握る。



「だから、誤魔化したくないって思った。

 セリアちゃんがいいなら……縁談、考え直してくれないか.....?俺を選んでほしい.....」


一拍の沈黙。


「……“ちゃんと”って、ジュリオにしてはずいぶん気合い入ってるのね」


セリアがくすっと笑う。

その表情は、涙が浮かぶほど嬉しそうで、でもちょっとだけ意地悪そうでもあった。



「……じゃあ、こっちもちゃんと答える」



セリアは、ジュリオの手に自分の手をそっと重ねる。



「私も、ジュリオが好き。あなたが助けに来てくれて、本当に嬉しかった。

 前から、軽い人だなって思ってたけど……今回、見直したの」



「……まじか。いや、ちょっと泣きそう……!」



「泣いたら笑うわよ」



「ちょっと待って?縁談は..!?」



「ふんっ、そんなのとっくに解消したわよ!怒」



「それに、、あんたこの前から素。出てるわよ。」

(真剣な時には、セリアちゃん、じゃなくて、無意識にセリアって呼んでるでしょ?)



「え、えぇっ?」



「セリア、って呼んでもよくてよ?」



そう言って、二人はふっと笑い合った。



「セ、セリア?」



ジュリオが呼びかけたその瞬間――

セリアがふわっと胸に飛び込んできた。




「……もう。遅い!!俺を選べ!って早くいいなさいよっ……!」



「わ、わーった!俺が悪かったってば!」

「今から取り返す!いちゃつくぞ!」

「ば、ばか!!照」




そうして、ようやく“両想い”になった二人。


廊下の影から、それをじっと見つめる男が一人。



「………………」


(無言の威圧)


ヨナス=マークレイ

セリアの兄。激甘&過保護仕様。



「おい、ジュリオ」

「妹に手を出すなら、責任、取る気はあるんだよな?」



ジュリオ、背筋ピーーーン!!!


「ッス!!もちろんスッ!!全力で!!一生大事にしますスッ!!」



「当たり前だ、セリアを泣かせたら...わかってるな?」



「はいぃっ.....!!」



ラブラブにはなった。

なったけど、当面ジュリオの寿命は兄の監視で減り続けることになるらしい――


(ヨナス曰く「君が“妹の幸せ”で死ぬなら、本望だろう?」)



次の日、ジュリオの様子がどこかおかしい。


部下A「副隊長……めっちゃニコニコしてね?」

部下B「なんか、バラの香りがするんだが……?」

部下C「……まさか、彼女できたとか?」


ジュリオ(ドヤ顔)

「まあな!俺もやっと、いちゃいちゃ組に参戦だーーー!!」


(後ろから気配)

「……あんまり調子乗ると、ヨナスさんに言うよ?」


「ごめんなさい今の取り消しで!!」


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