80.ミーナ視点
ーー朝、ミーナの部屋
朝日がカーテンの隙間から差し込む。
小さな寝息を感じてミーナは目を覚ます。隣では、わんこ……じゃなかった、ぎんちゃんが、私の腕の中で丸まって眠っている。
「……ふふ、甘えんぼさん」
たぶん、団長が言ってた“よく家出するぎんちゃん”って、この子のことだよね?
なんて思っていたら——
\ドンドン!/
「ミーナ、起きてるか!? 入るぞ!」
「えっ!?ちょ、ちょっと団長!?ジュリオさん?」
\ガチャ!/
(※騎士団上層部は鍵を持っている仕様)
入ってきた団長とジュリオの視線が、ベッドにぴたりと止まった。
「あー……えっと、その……」
ぎんちゃんは、ぐるる……と身じろぎ。布団の中に隠れる。
私はついぎんちゃんを守るように抱きしめた。
「……この銀色の毛並み。寝癖のついた眉間。こいつ……」
団長の目が、ぎらりと光る。
「え、ええ???どうしたんですか、みなさん!!!」
(団長とジュリオの顔が、ひきつっている)
「隊長オオオオオ!?」
ジュリオさんのの絶叫で、朝が始まった。
ーーーーーー
「あ、やっちまった。」
俺は絶望して狼姿のまま布団に隠れた。
ーーーーーー
「お、おはよう?ミーナちゃんごめんね?
え、ええっと。だ、団長んちの……そう!わんこ! 団長、あの子がいないと不眠症で!夜泣きするんだって!!」
「……するかボケ」
背後から低音ボイスが響いた・・
「団長さん!申し訳ありません。勝手にぎんちゃんをお借りしてしまって。」
私はついぎんちゃんを守るように抱きしめた。
(なんだかよくわからないけど、この子を渡したくない……)
「ん.....!!!!!かまわん。。」
「ラ、、。いや、わんこ!!!目を覚ませ! ここは女の子の部屋!!」
「というか、ミーナちゃんの部屋あったかすぎじゃない!? なんだこの空間、癒しの巣か!? ずるっ!ずるすぎっ!」
布団に潜り、ミーナと離れがたそうなわんこを、ジュリオがむにむに引っ張る。
と、わんこ(狼ライグル)はしぶしぶ「ふー……」と深いため息をついて……無理やり引き剥がされていった。




