表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その獣人騎士、無自覚に私を甘やかしすぎです!  作者: 緋月 いろは
5章.蜜と毒の幕開け

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/171

79.あいつどこ行った

ーー早朝・騎士団本部


ジュリオ視点。


「……あれ、今日って当番だったよな? 隊長、まだ来てない?」

俺は手元の当番表を確認しながら、不在の机を見つめた。



「まさか……また“あの時期”?」

.....街中で暴走でもされちゃ厄介だ....誰に言うでもなくつぶやくと、俺は急いで団長室に向かった。




ーー団長室



「……ああ。そろそろだな」

朝っぱらから、野太い声...俺はセリアちゃんの可愛いおはようが聴きたいんだ...なんでこんなことに...



ギルバート団長は腕を組み、渋い顔をしている。

1年に一回冬至の時期に、獣化する時期がある。その時期は理性より狼の本能が勝り、思考が狼寄りになる。いつもは体調不良や、訓練と称し山に籠るんだが。。



それにしちゃ、まだ時期が早い....

あの子は犬と思ってるが、狼の牙は鋭く、爪も強力な狩の武器となる。



「えっ、マジすか? じゃあ今ごろどこかで——、山?」



「……昨夜、庭で妙な足跡を見た。狼の。しかも、城内に続いてた」



「あの子の寮の方だ...」



「……つまり、まさかとは思うけど……」



二人の視線が、自然とミーナの部屋の方向を向いた。



「行くぞ」

「団長!? さすがに女の子の部屋に朝から突撃は——(朝からミーナちゃんの部屋に行くとか、後でライグルに()られる……)」」

「黙れ。手遅れになってたらお前のせいだ。」



「な、なんで俺ーー!?」

「くっ、いろんな意味で暴走してなきゃいいがな...」



ーー明け方・ミーナの部屋にて



あたたかい。柔らかい。

この腕の中、ずっといたい……でも――



(……やばい)



目を覚ました瞬間、現実に引き戻される。

ミーナの腕の中。ベッドの上。人の気配のする朝。


(あれ? 俺……え? 抜け出すタイミング……)


逃すな。今しかない。

そう思っても、ミーナが気持ちよさそうに寝息を立てていて、動けない。



(……可愛い)



いや違う、逃げろ、俺。

でも、ミーナがぎゅっと腕を回してきて――


(……もう少しだけ……)


ふっと目を閉じた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ