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その獣人騎士、無自覚に私を甘やかしすぎです!  作者: 緋月 いろは
5章.蜜と毒の幕開け

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73.どんまい...

ーー厨房にて



お見合いから数日後、昼下がりの厨房。

パンの仕込みを終えた私に、セリアさんがさらっと報告してくれた。



「……ま、縁談は流れたけど、いい人だったわよ」

「兄さんともちゃんと話せたし、結果としては悪くなかったかな」

そういうセリアさんの表情は、どこかスッキリしている。




「そう……よかった……」

「……ううん、ほんと、よかった……!」

私は思わず二回言ってしまって、セリアさんにくすっと笑われた。



セリアさんがどこか遠くに行ってしまう気がして、正直ちょっと、いやとっても不安だった。

でも、セリアさんががちゃんと自分で選んで、ここに帰ってきてくれたのが、何より嬉しかった。



きっと、あのヘタレ(ジュリオさん)もほっとしていることだろう....





ーー訓練場にて



「……終わっちゃったんだな、セリアちゃんの縁談……ああ、彼女はもう、遠い存在に……」

ジュリオは盛大に勘違いしていた。



隊員たちがざわつく(ひそひそ)

「副隊長……なんか、しょんぼりしてません?」



「セリアさんに振られた……とか……?」



「うん、あるある……」



「でもさ、振られてるのって...いつもじゃね?」



「..........だな」

いつもの軽口のせいで、本気で振られても通常運転と間違われるジュリオ....どんまいである。




厨房で仕込みを終え、私とミーナさんは洗濯場に向かう。

ちょうど訓練場近くに廊下を通りかかったとき、意外なものを発見した。



……え、ジュリオさん落ち込んでる?

あれ、ジュリオさんっ.....なんで?セリアさんの縁談解消になったのに...?



ミーナとセリアが通り過ぎるのをちらっと見て、ジュリオはハッとする。

(....セリアちゃん!いつも通りだ.....しかも、笑ってる……幸せそうだ……!やっぱり結婚するんだ……!)

(もう俺なんかが入る余地は──)



なんか誤解が生まれてる気がするけど.....



……まぁ、いっか...

セリアさんが元気そうなら...!



いつもの軽薄さが祟り、あまり心配されないジュリオだった。どんまい。




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