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その獣人騎士、無自覚に私を甘やかしすぎです!  作者: 緋月 いろは
4章 日常と秘密

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60.兄妹

「兄さん、入るわよ?」



「あぁ」



セリアがそっと扉を開けると、兄のヨナスは旅の埃をまとったまま、ソファに深く腰を下ろしていた。水も飲まず、じっと待っていたらしい。。



「白露と醤油、ありがとう。ミーナ、すっごく喜んでた」



「あぁ、渡せてよかった。……それに、お前にも会いたかったしな」



いつもと変わらない声。でも、何かを確かめるような鋭い眼差しがセリアを捉えていた。



「手紙の返事くらい、ちゃんと出しなさい。あれで心配してたんだぞ」



「……う、うん」



「今回の縁談はな、あのフリューゲル伯爵家の長男だ。真面目で誠実、文官向きで家庭重視。“婿にしたい男ランキング”殿堂入りらしいぞ」



「……そんなランキング、知らないし。興味もないよ。“条件がいい”って何度も断ってきたじゃん」



「知ってる。でも今回は“家同士の顔”がある。“会ったけど合わなかった”で済ませればいい。無下にはできない。それだけだ」



セリアはふっと溜息をつき、少しだけ目を伏せた。



「……わかったよ。ちょっとだけね。お茶くらいは飲む。でも、期待はしないで」



ヨナスはふっと笑みを浮かべ、ぽつりと漏らした。



「“私には他に想う人がいる”かもしれないしな」



「っ!! ちょ、ちょっと、兄さんっ!」



「まぁな、わかるさ。……妹だからな」


——


兄との話を終えて部屋を出たセリアは、ふぅっと額の汗を拭った。


(疲れた……)



歩き出した瞬間──背後から視線を感じた。



視線の先、廊下の角の影から、金髪の男がひょこっと顔を出す。


「……いたの、ジュリオ(怒)」



「っ……や、ややっほ! たまたま通りかかっただけというか、ちょっと迷って──!」



「嘘つけ。ずっとそこにいたでしょ? 何してたの?」



ジュリオは必死に言い訳を探すが、目は泳ぎ、顔は真っ白だ。



「あの、その……セリアちゃんが選ぶ人なら……俺、ちゃんと祝福──」



セリアはすっと指を出し、ジュリオの唇にずばっと当てて、言葉を封じた。

(セ、セリアちゃんの指が、俺のく、唇に...!!)

ジュリオの顔は真っ赤になる。



「はああ!? ばっっかじゃない! なんでそうなるのよっ!」



「あーもう、だから言ったでしょ!? 今度、お見合いしてくるから!!」



(ジュリオを焚きつけるように、意地悪く言い放つセリア)



ジュリオはハッとし、口をつぐむ。顔は真っ青で、固まってしまった。


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