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その獣人騎士、無自覚に私を甘やかしすぎです!  作者: 緋月 いろは
4章 日常と秘密

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57.発覚?

ライグルは無言で書類を一枚、机の上に置いた。

居室の奥にいた団長ギルバートが顔を上げる。鋭い目が書類とライグルを交互に見た。



「……どうした、顔が怖えぞ。とうとうフラれたか?」



「ゔっ...」



「違います。これ、資料室の整理中に見つけました」



ギルバートが書類を拾い、ざっと目を通す。眉がひそめられる。



「古い……それも、帳簿だな。物資の納入先が不自然に偏ってる」



「はい。通常の調達先ではなく、裏手の倉庫へ回ってるように見えます」



「誰が見つけた?」



「……ミーナです」



ギルバートがふっと口の端を上げた。



「またか。。(隠そうとしてもできないもんだな)」



「俺の目に狂いはありません」



そのとき、扉がノックされて開き、アレクセイが入ってきた。いつもの軽やかな笑顔で入ってくるが、視線はライグルの手を捉えていた。



「やあ、呼ばれてないけど面白そうな匂いがしたから来てみたら……正解だったみたいだね」



ライグルが書類を渡すと、アレクセイは目を細めてそれに見入る。



「ふむ……古い書類に紛れていたのか。普通なら誰も気づかない。資料室の奥なら、なおさらね」



「ええ。彼女はただの整理の一環として発見しただけです」



「“ただの”ねぇ……」

アレクセイがくすっと笑った。



「ライグル、君の伴侶候補はなかなか有能だな。僕としては、もっと彼女を使ってみたくなる」



「使う、とは?」



「正しく評価する、という意味だよ。いい駒は、盤に置かれてこそ価値がある」



ギルバートが腕を組み、少し呆れたようにうなった。



「やれやれ……お前の好みは、どうしてこうなんだか」(普通の女の子...じゃねぇ)



ライグルは無言で書類の一部を指し示した。



「この納品先、“ラン商会”とあります。確か、東方ともつながりのある──」



アレクセイの目が鋭くなった。

ギルバートも、舌打ちする。



「──こりゃ面倒になるかもな。よし、まずは内々に探ってみるか」



「了解しました。ミーナのことは……」



「余計な詮索はさせねぇ。彼女はまだ巻き込まれちゃいねぇんだろ?」



ライグルはわずかに頷いた。



「ええ……今は、まだ」



「ミーナが、また面白い渦を呼びそうだ。」

アレクセイはまた口角を上げて呟いた。


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