表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その獣人騎士、無自覚に私を甘やかしすぎです!  作者: 緋月 いろは
3章 じれじれ期突入

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/171

43.そ、それは見せる用です!

私はお腹いっぱい&幸せな気分で歩いていると、ライグルさんに声をかけられた。



「他に行きたいところはある?」

 


そうだ。ふと私は自分の服に視線を落とす。今日の服はセリアさんからの借り物で、ボロボロの服しか持っていない。もし手頃なものがあれば、普段着にも着れるワンピース、寝巻き、下着などが欲しかった。



「あっ、実はこれ……セリアさんからお借りしてる服なんです。私、普段着とか……あんまり持ってなくて……手頃な価格の服屋さん、、ご存知ですか?」



ライグルさんは一呼吸考えてから

「じゃ、ちょっと寄るか」と颯爽と服屋へ案内してくれた。



案内されたお店に入る。店内は、平民にも買えそうな品から、貴族には手に取りやすい価格の品が揃っていて、品質も悪くなさそう。明るくて親しみやすい店員さんが出て来てくれた。



私はは、目移りしながらも必要なものを考えて選び始めた。



普段着のワンピース、ズボン、寝巻き……あ、あと、できたら下着もちょっとみたい。

(でも、奮発しすぎると贅沢かな?)



私の今の寝巻きは、実家から持って来た、ボロボロのシュミーズ。薄い綿で足首あたりまである白、いや黄ばんだワンピースなのだ…



前世であった、体操服ジャージの半ズボンとティシャツ、、みたいな服があったら、寝巻きとして最高なんだけど……



なんて脳内会議をしながら服をみていると

背後でライグルさんの声がした。がばっと振り返ると顎、首筋が目の前で、、!ち、近い!!



「ミーナ?どんなのを探してる?ワンピースだと、、これとこれとこれ、あとこれ、、、どうかな?」



キラーん!

その瞬間店員さんの目が光った気がした。



「そーうですね、お美しいお嬢様にはどれも似合うかと、、!いくつか試着してみられませんか?」



「あぁ、頼む」



ミーナが返事をする前に、あれよあれよと試着する運びとなった。



♦︎試着室のカーテン越し

「……えっと、じゃあ、これから着ますね……」



1着目は可愛い花柄のワンピース

「うわっ、思ったより……スカート、ふわふわ……」

おそるおそるカーテンを開けると


「あ、似合ってる。……っかわいい」



ボッ……

2人とも赤くなる



「まぁ!まぁまぁ(ニヤニヤ)とってもお似合いですよ!この淡い色味が、お嬢様のお肌にぴったりで!」



「い、いえ、これはちょっと……可愛すぎるかも……」



「そんなことはない、似合ってる」



ボッ

また2人で赤くなる。



店員さんニヤニヤ



2着目は胸元が少し開いたデザイン

「え、これ、ちょっと……(そわそわ)」

カーテンを少しだけ開けて小声で呟くミーナ



「首まわり、こんなに空いてるの、恥ずかしい……!」



「……んっ。それは(眩しい...!!)」

カーテンの隙間から、ちらっと見えた鎖骨に気づいてしまった。とっさに目を逸らす。



「あらあら、見てあげてくださいな、とても麗しかったですから!!」


店員さんに促されるも、恥ずかしくてミーナはカーテンから出れなかった。




3着目は大人っぽい黒のシンプルドレス


「……おお」

(言葉をなくしてじっと見るライグル)



「え? へ、変じゃないですか……?」



「いえ、落ち着いた色味で、お嬢様の知性が引き立ちます!」



「……ちょっと、身体のラインが(ボソッ)」



「なっ……こ、これは着ないですっ!!」




4着目はカジュアルなワンピース

若葉のような淡い緑色が何とも美しい。


「……これ、ちょっと楽かも」

(カーテンを開けてくるっと回るミーナ)



「うん、それだ。それが一番“らしい”気がする」



「えっ、そ、そうですか……?」



「柔らかい素材で動きやすく、でも清楚で女性らしい。完璧ですね!」




ライグルさんと店員さんは楽しそう。

試着に疲れた私は、やっと決まった一着を買うことにした。



試着室でやっとこのとで服を着替え、一息ついた私は、店員さんにこっそり、(前世で着ていた寝巻き)ジャージ半ズボンティシャツみたいな服はのはないか、聞いてみた。



「あの……すみません、ちょっと……寝巻きにもなるような……半袖シャツと膝上の半ズボンみたいなのありますか?あと、下着って……おいてありますか?」



「あら♡ もちろんございますよ。下着は……やっぱり彼氏さんとご一緒ですし、ちょっと特別なやつ……?」



「へっ!? い、いえっ、違います!そんな、ちがっ……!」

(か、彼氏って……!!)



赤くなり固まるミーナと、目が合うライグル。

「ん? どうした?」



そこで店員さんが、何か思いついたように、パチンと手を打った。

「彼氏さん! ちょうどよかった♪ お嬢様に似合いそうな、こちらのシリーズなどいかがでしょう?」



店員さんはずんずん進んで、ライグルさんを少し仕切られたコーナーに連れていく。

そしてカーテンを開けると……



「夜のお供にピッタリな――ふわふわレースと透け感の奇跡的バランス♪“彼女さんに着てほしい”ってのがあれば、遠慮なく言ってくださいね♡」



「っ……いや……俺は別に……」

直視できず、赤い顔で顔を晒すライグルさん……



なんか……ごめんなさい…

彼氏と間違われるし、色々見せられてるし…チーん…



意識を飛ばしかけた私は、店員さんのところへ慌てて駆けつけた。



「す、すみません!それじゃないです! そういうのじゃなくて! もっとこう、布の多いやつというか、あの、実用の!着るだけの!!」



店員さんはぽかんとしつつ

「あっ、そっち……? ごほんッ…じゃあ奥の“実用品”コーナーですね!このへんは“見せる”用なんで~♪」



「い、いいですっ!! 見せなくて汗!! 誰にもっ!!」

顔真っ赤で大混乱の私と、まだ赤いまま顔を逸らすライグルさん。ニコニコの店員さん。カオスな状況だれかなんとかしてくださいーー!!




私はようやく実用的な下着上下2ブラとショーツと、綿の半袖シャツと半ズボン1組を選んだ。



店員さんに半袖半ズボンの希望を伝えたら、

「えっ、これは下着っていうか……寝巻きにするなら、長めのワンピース型が主流ですね...」



と言われたので、やっぱりこの世界ではそうなのか……。でも、あれが一番楽なんだよな……外には着ていかないし、誰にも見せないから……きっと大丈夫。

と思い結局購入することにした。



下着についても、

「お目が高い♡ これ、最近流行り始めてるんですよ。ちょっと斬新だけど、動きやすくて快適で」

と言われ、

どうやら私が選んだ上下別の下着は、最近の流行りだったみたい?



試着も終わり、ミーナが選んだ品を店員さんが包んでくれている。



「……これだけ買って、意外とお手頃ですね。よかった、今日は初給料もあるし……」



支払いを済まそうと、レジに進むが、そこにはライグルさんが。。!店員さんと言葉をいくつか交わし、なんと支払いを終えたところだった。

(出すの図々しいかな?も一瞬迷ったが、ミーナの喜ぶ顔が見たくて買ってしまったライグル)




「……えっ? あの、ライグルさん!? 私、払うつもりで――」



「今日は“護衛付きの……初デ、デート”ってことで……俺に出させてくれないか?」


(照れながらデート!と言いきったよ!ライグルさん。なんだかこっちも恥ずかしくなる…)



「でも、それじゃ私ばっかり……。申し訳ないです」



ライグルさんは、一瞬迷った顔をして

「じゃあ――お礼に、今度俺のお願い、聞いてくれる?」



「……えっ?はい、なんでもいいですよ!?そんなのでいいんですか?」



「っ…ぁあ……。ありがとう」

なぜかまた頬を染めて,俯いたライグルさんだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ