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その獣人騎士、無自覚に私を甘やかしすぎです!  作者: 緋月 いろは
3章 じれじれ期突入

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32.セリア姐さんに相談

「楽しみにしてる……」


って、あの笑顔。……やばい。

ライグルさん、たぶん自分の顔面の破壊力をわかってない。

あの微笑みで国が一つ傾くレベルよ……本当に。


私は、小さいころから婚約者はカーティスって決まってて、

月に一回、定例会みたいに顔を合わせるだけの関係だった。

それ以外の男の人とは、まともに話したこともなかった。


……それに、実の父は——

母が妊娠してる最中に、他の女性を作って、子どもまでもって……

そんなクズだった。



だから。

ライグルさんからの誘いが、すごく嬉しいはずなのに、

私の中のどこかが警戒してしまい、無意識に身構えてしまう。


——たぶん、私が一人で出かけるのが心配なんだよね。騎士として、放っておけないから一緒に来てくれるんだと思う。



……でも、やっぱり。

来週の火曜が楽しみな気持ちは、どうしても抑えられない。


……何を着て行こう?

実家から持ってきた服はくたびれてるし……そもそも、

“お出かけ用の服”なんて、私……持ってたっけ?



あ。ない。ないかも。

買い物に行く服すら、ないじゃない……!



うん、これはもう……セリアさんに相談しよう。



――――――



厨房の一角、食器を片づけているセリアさんに、そっと声をかけた。


「……あの、セリアさん。ちょっと、相談してもいいですか?」


「ん? どうした? ミーナがそんな顔してるってことは……ふむ、まさか恋の悩み?」


セリアさんは振り向いて、にっこり笑って見せた。


「こ、恋っていうか……来週の火曜に、買い物に行くことになって……」


「おっ、デートじゃん!」


「ち、違……くはない、かも……その、ライグルさんと……」


(……いろいろ思い出して、顔が赤くなる)


「はいはいはい!? ちょっと待って、ミーナちゃん、なんでそんな大事な話を今まで黙ってたのよ!? ……ジュリオしばく!!」



(セリアさんががばっと近づいてきた。……ん? 今、怖いこと言った? ジュリオさん……ドンマイ)



「で? 服は? どこで会うの? お昼は? なに着るつもり?」



「そ、それが……買い物に行くための服が、ないって気づいて。だから、当日着て行く服が……」


「なるほどね〜……うん、任せて!」


(セリアさんが立ち上がり、勢いよく私の手を引く)


「このセリアさんが全力でプロデュースしたげるわよ! 買い物コーデも、デート映えも、おまかせあれ!」


「そ、そんな……お手間をかけるのは申し訳ないです……!」


「何言ってるの、女の子が恋するのを応援するのは、あたしの生きがいなのよ!」


「……ありがとうございます。?恋...じゃないんけど..たぶん....心強いです、ほんとに」


(セリアさんの言葉に、心がじんわり温かくなって、自然と笑顔になった)


「礼なんていいから、とにかく自分に自信持ちな! 絶対、隊長はミーナちゃんのこと、ちゃんと見てるから!」


そして私は、そのままセリアさんの部屋へと連れていかれた——。


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