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第19話④田村拓人

翌日田﨑は田村と練習後に話そうと田村を待った。

練習が始まっても田村の姿はなかった。

仕事の影響で遅れて来るかと待っていたが練習後まで結局田村は来なかった。


冠婚葬祭以外で田村が練習に来なかったことは初めてだったので田﨑は心配でたまらなかった。


田村の欠席理由を吉川に確認したところ、

体調不良とのことだったのでさらに心配になった。


練習が終わると着替えるのももどかしく、

慌てて田村の家に向かった。

栄養ドリンクやゼリー、レトルトのおかゆなど

ビニール袋いっぱいの差し入れを持って行った。


インターンを押してしばらく待っていると、

想像の何倍も元気そうな田村の声がした。


家に入ると、田﨑は差し入れを渡しながら、聞いた。

「体調は大丈夫?」


「わざわざすみません。

体調不良ではないんです」

俯き加減に呟く田村を見て田﨑は思わず大きな声で聞いた。


「何かあったのか。

昨日の引退の話を決断したんじゃないだろうな」


「すみません。今日はサボりました」


「へっ?サボり?」


「すみません。

大将の話を聞いてから昨夜ずっと考えちゃってました。

どこかで自分も試合に出られない惨めさや空しさから逃げる言い訳探していた気がします。

それがチームの経済的なことが言い訳だったんですよね。

大将に全部見透かされていた気がします」

と、照れ臭そうに言った。


「いやいやだからってサボりは、、、」


「すみません。大将の話を聞いて少しだけワガママや自分の気持ちを優先させてもいいかなって。思いました。

ただ居心地悪いからもうサボらないですよ。

悪い子にはなれないみたいです」


「かなり遅めの反抗期だな。

真面目なやつの反抗期は、、、」


田﨑は笑った。


「反抗期ついでに、まだチームにいてもいいですか」


「当たり前だろ。そんなこと、、、」


田村の変化が田﨑には嬉しかった。

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