表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/117

第2話②桜庭敦志

ミーティング後に、

田﨑は気の合う仲間達と割烹東に来ている。

東の大将は無類のラグビー好きで

試合にもよく応援に来てくれている。

試合がある日はお店が休みなのは常連の間では有名な話である。


しかし、普段は練習後にはどれだけ遅くなっても、いつも栄養を考えたメニューをたくさん準備して選手達を待っててくれている。

東はブルーウイングの選手達にとって管理栄養士のような存在だ。


田﨑たちは今日も卵を14個使用する自慢のだし巻き卵をつまみながら、ミーティングの話をしていた。

「そういや、田﨑急にスローガンとか言い出してどうしたんだよ」


同期の北村がからかうように言った。


「注目を浴びない中で試合するより、

期待されて試合した方が俺たちも頑張れるだろ。

会社でも応援されたいって考えたんだよ。

やっぱりファンが増えた方がいいと思うだろ」

田﨑は答えた。


「大学選手権の決勝はすごかったな。

俺は観客席だったけど。


あの歓声の中、田﨑のプレイはすごかったな。

見ていて鳥肌がたったよ。」

笑いながら北村は言った。


「とりあえずさ、田﨑の想いは少なからずみんな思っていることだと思うからさ、やれること考えてやってみるよ」

と、ベテランでチームの精神的支柱の川本が言った。


川本にお礼を言いながら、

田﨑は今日のミーティングで気になったことを川本に聞いた。

「桜庭さん何かあったんですか?」


「桜庭さんどうしたの?何かあったの?

なに?なに?」

空気も雰囲気も読まない北村が聞いた。


川本は北村を相手にしないで答えた。


「この前、更衣室で桜庭のことをさ、『ファンサービスファンサービスって言ってるけど、ファンにとっては試合に出ることが1番のサービスだよな。』って若色達が笑いながら言ってたんだよ。たまたま俺も聞こえたから若色達の所に話に行こうとしたら、入口に桜庭が立っていてさ。

多分若色達の話を聞いて、試合に出られない自分なりのチームとの関わり方を否定された気持ちになったんだろうな」


田﨑は川本の話を聞いて桜庭の気持ちを考え、憂鬱な気持ちになり、ビールを一気に飲み干した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ