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第13話②若色冬馬

秋野に怒鳴られ、若色は少しは落ち着きを取り戻した。


川島から手を離し無言で更衣室へ消えた。


ブルーウイングスには新しいメンバーが入団した際に会社の所属とは別にチームでもメンターが付けられる。


メンターは入団したメンバーにチームのこと、ラグビーのこと、生活のこと、もちろん仕事のことなどの相談を受けアドバイスを行ったり、サポートする。


秋野は若色のメンターだ。


秋野は川島に謝罪をした。


「川島申し訳ない。

若色が失礼なことばかり言って本当に申し訳なかった」


「秋野さんが謝ることじゃないっすよ」


「でもメンターである俺の責任も大きいから

川島、よく我慢してくれたな。

ありがとう」


「俺は全然大丈夫っすよ。

若色さん最近どうしたんですか」


「今日以外にも何かあったのか?」


「秋野さん知らないっすか」


「今日みたいに色々な人に理不尽に絡むのは最近何回もありましたよ。なあ。」


川島は周囲にいる仲間たちに聞いた。

口々に同意するメンバーたち。


「秋野さんが練習中、脳震盪起こした時はバックスメンバーみんなに暴言吐いていましたよ。

お前たちとは一緒に練習したくない。って」


「そんなにひどいのか」


「そうですね。なかなかきついですね。

でも1番酷いのは桜庭さんに言ったことじゃないですか。

桜庭さん一時期退団まで考えていましたから」


「桜庭にまで何か言ったのか?」


「桜庭さん試合に出られない日もチームのために、運営買って出てくれたり、ファンの方とのコミュニケーションを大切にしてくれていたじゃないですか?

ファンサービスをたくさんしてくれて」


「桜庭のおかげで応援してくれる人が増えているからな」


「『ファンサービスファンサービスって言ってるけど、ファンにとっては試合に出ることが1番のサービスだよな。』って若色さんが笑いながら話しているのを桜庭さん聞いたみたいで、自分はチームにいる価値がない。って当時はよく言ってましたよ」


秋野は言葉を失った。


「田﨑さんがすぐに、ファンの方の桜庭さんへの言葉を伝えて、またファンサービス楽しんでやってくれていますけどね」


「田﨑が?」


「ちなみに今、自分がSNS大成功しているのも田﨑さんのアドバイスです

自分のことはいいとして、若手の間で若色さんかなり、評判悪いですよ」


「全然知らなかったよ」


「若色さんのメンターだから、若色さんのことを言ったら秋野さんを悩ませてしまうから、言わないようにみんな気をつけていたのかも知れないですね」


「余計な気まで使わせて申し訳なかったな。

若色と話をしてみるよ。

話してくれてありがとうな」


秋野は更衣室に若色を追った。

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