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第11話④新生バックスチーム

吉川から引き継いだ仕事にも慣れてきた。

吉川と割烹東で話してから1ヶ月が過ぎようとしていた。


田﨑はいつも通り仕事を定時に終えて練習に向かった。


練習前にバックスチームでウォーミングアップ中に、吉川が颯爽とグランド入り口から足を踏み入れてる姿が目に入った


「吉川さん」

叫びながら駆け寄る田﨑の後ろから、他のメンバーもついてきた。

吉川を中心に大きな円陣があっという間にできた。


吉川は集まってきたメンバーの顔を一人一人見て頷きながら静かに話し始めた。


「俺は名コーチどころか指導者の経験は一切ない。

それどころか20年以上前までラグビーをやっていただけのただのサラリーマンだ」


再度静かに聞くみんなを一人一人見て、

「それはみんなも同じだな」

と少し笑った。


「今、ラグビーをやってるだけのサラリーマンだな。

ただそのサラリーマンがどれだけすごいことをできるかを周りに見せつけたいと思っている。

何ができるか分からないが、俺はここに立つことに決めた」


力がこもった吉川の言葉に少しずつ興奮が隠せないバックスメンバー達が、思い想いに手を叩いたり、仲間の肩を叩き合ったり、ざわついてきた。


吉川は今までとはうって変わっておおきな声で叫んだ。

「みんなで俺たちの力を見せつけてやるぞ!」


田﨑が応えるように

「うぉー!」という歓声をあげると、

周囲で拍手していたメンバーも

声を合わせて一際大きな歓声となった。


みんなの目に力強い光が灯り、

俺たちならできる、

仲間とならまだまだ強くなれる

そんな感覚をみんなが共通に持てたこの時、

チームに新しい風が生まれた。


シーズン開始まで残り3ヶ月を切っていた。

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