第7話④ファン感謝祭
強豪チームとは違い予算が限られているので中村建設本社の一部を借りて会場費用を抑えて開催するので、備品など全て準備して運ぶのは大変だったが、12時の開場には何とか間に合った。
キャプテンの浜田の代わりに田﨑が
「WE ARE!」
副キャプテンの髙橋の代わりに桜庭が「BLUE!」
全員で、「WINGS!!!」
ファン感謝祭特別版のみんなで掛け声をかけてファン感謝祭は始まった。
タックル体験には子供達の列が早くもできていた。
体の大きな選手に小さな子供が走りタックルをすると、選手が大げさに痛がる様子を見てさらに盛り上がった。
ただタックル体験には大人も多く並んでいた。
ファンの方との交流で、タックルを受けてみたい。というニーズを田﨑はつかんでいたのでタックル体験は受けることも可能にした。
悪ノリした選手が助走を長く取り、タックルする直前まで全力で走り、急ブレーキを踏み優しくタックルする度に歓声が上がった。
意外と隠れた人気はスクラム体験。
スクラムの最前列で相手と直接組み合う3人。
秋野はスクラム指導をしながら、両肩を組み合う形で、ファンの方とスクラムを組んでいた。
非日常体験らしくみんなが楽しんでいた。
子供達や友達も秋野と組むスクラム体験を楽しんでいた。
川島の栄養教室は常に満員だった。
普通の栄養教室は川島から教えるのだが、こちらではファンの方から川島にお勧めレシピや食材の組み合わせを教えるというものだった。
レシピをイラストで書いたものや、写真で作られたレシピなどが川島のもとにたくさん寄せられた。
推し活ブースも人気だった。
ファンの方の推しグッズを貸していただき展示をしたものだ。
選手の写真でアクリルスタンドを作っている人、
ブルーウイングスのキャラクターの青い鳥に洋服を、着せている人、
選手のイラストを描いている人、
クマのぬいぐるみを推し選手の髪型にしている人、
推しのイメージのハーバリウムを作っている人
試合の様子を細かくノートに記している人、
田﨑がサインをした松戸瑞江の推しうちわも展示した。
桜庭は推し活ブースに立ち、たくさんの方と写真を撮っていた。
田﨑はこのコーナーでファンの方に楽しみ方の自由を伝えたかった。
マニアッククイズ大会では誰も答えが分からない問題を出し新たにファンになって下さった方も勘で答えて楽しめるものにした。